2・もしかして……
翌日、アルヴィンがものすごい勢いでわたしの屋敷へやってきた。
「セシリア! すごいアイデアを思いついた!」
開口一番、目を爛々と輝かせるアルヴィン。
話を聞くと、夢の中でアルヴィンは、ここではないどこかの世界を駆け回っていたという。
そこは無機質な建物が並び、『電化製品』という魔道具が発達する世界だったと。
人々はその『電化製品』を操り、便利な暮らしをしていたというのだ。
「そこの経営戦略を学んできたんだ!」
興奮した様子でアルヴィンは次々に新しい案を語り、早速その方法を取り入れて商品を売り出した。すると、たちまち人々の間で評判になり、飛ぶように売れていった。
「すごいわ、アルヴィン!」
「いや、それほどでも」
口では謙遜しているが、得意げに笑っている。
そんな彼の勢いに押されるように、気がつけば再び、そういう雰囲気になっていた。
「セシリア……」
「アルヴィン……」
彼の手が、わたしの腰を引き寄せる。
しかし、アルヴィンは、またもわたしの脚の間で達すると、びくんと体を震わせ、そのままぱたりと意識を失ってしまったのだ。
「え? ……え?」
わたしは呆然と見下ろすしかなかった。
……ちょっと待って、なにこの既視感。
本当に、どういうことなの!?
*
そしてその翌日、アルヴィンは再び興奮した様子でうちへやってきた。
「セシリア! またいいアイデアを思いついた!」
聞けば、また夢の中で別の世界へ行き、思いついたという。
「……もしかして、わたしの〝異世界へ行ける力〟って……」
「素股で達する?」
そんなふざけた聖女の力ってあるの!?
それからというもの、アルヴィンは数日おきにわたしを呼び出しては、例の行為に及んで異世界へ行き、新しいアイデアを持ち帰ってくるようになった。
しかもそれがずっと事業で成功しているものだから、わたしも文句も言えず。
成功を重ねるたびに、彼はだんだんと調子に乗っていくようになった。
「アルヴィン……わたしの力については、誰にも内緒よ」
「もちろんだ、セシリア。君は俺のものだからな……誰にも触れさせない」
アルヴィンの言葉に多少の違和感を抱きながらも、わたしは曖昧に笑ってその場をやり過ごした。




