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第8話 君の秘策

お化け屋敷を出たあとは疲れたが...時間があるので、

先輩達の店や幼なじみの美結の店に遊びに行く。

部長は2組なので、3年2組のお店に向かう。

まだなんのお店をやるのか聞いてなかったから、すごく気になる。

3年2組の教室の前に来ると、教室の窓にはでかでかとラーメン屋の看板が貼ってあった。

(部長すごくラーメン屋の店長が似合ってそうだな……)

店長姿を想像してそう思った。

「いらっしゃませ〜!!」

そんな聞き覚えのある部長の声が聞こえてきて、店長姿が本当に見られるのかと少しわくわくした。

店に入ろうとする手前で受付の人にも見覚えがあることに気づく。

「鈴木先輩!?」

思わず声を上げる。

「あ〜零君じゃん、ラーメン食べに来たの?」

「はい、ちょっと先輩達のお店に行こうと」

「そっかぁ〜ありがと!愛芽ちゃんは?」

周りをキョロキョロして愛芽がいないことを確認する

「愛芽は今、仕事をしてるんです。」

「なるほど…」


(2人は一緒に回ると思っていたんだけど、予想が外れたかな?)私はそう考える。それから

「あっ、ごめん引き止めちゃって。1名様!ご来店です!」


「1名様ってそんなに叫ばなくても……」

俺は小声でつぶやく、周りから見られて少し恥ずかしかった。

(ラーメンは1人で行くものだろ!)

そんなことを自分に言い聞かせて店内に入る。

「おお!零じゃないか!来てくれたのか?」

「はい、繁盛してますね!」

予想以上に店長姿が似合っていて驚く。

「まぁ食っててくれ!」

「俺もお化け屋敷に行けたら行くからな」

(これ来ないやつじゃ……)

「はい!ぜひ来てください!」

そうしてラーメン食べたあと時計を確認すると交代の時間がやってきた。俺はすぐに自分教室、1組に戻る。

俺は中盤で脅かす役だった。

愛芽以外には秘策は使わない...

普通の人には普通のゾンビを演じるが...多くの人は驚かない...

(そりゃあただのゾンビだもんな...)

こうして待っているとついに愛芽がやってきた...

俺の秘策...それは.....!

こんにゃくを首につけるあれ!

俺の手は冷たいからそれをこんにゃくなしでやる!

最初会った時の握手、あれはものすごく驚いていた。

あれを不意に出来れば驚くはずだ。


暗闇の中俺は愛芽の後ろに回り込む。

そして首に優しく触る...

.......

「ひゃーーーーーー!」

愛芽が大声をあげて驚く

死体を見つけたぐらい叫んでいる

(こんなに上手くいくとは...)

愛芽相手に出し抜けたことが初めてで逆に不安になる


「こ、これは俺の勝ちかな?」

「そんなことは!」

と愛芽が言うが途中で言葉が止まる

「腰.....抜けた...」

と愛芽が言う

「嘘だろ?もうすぐ次のお客さんが来るぞ?」

「ほ、ほんとう、負けは認めるから...お願い、出口まで連れてって」

(愛芽に勝った!? いや...それどころじゃない)

俺は少ししゃがんで背中を向ける

「え?」

愛芽は少し混乱しているが...

「ほらおんぶしてやるから乗れ」

「ええい」

と勢いよく背中に乗ってくる

その乗った勢いで何かがポケットから落ちる

暗闇で見えないが、愛芽が手探りでそれを掴んだらしい

「掴んだよ!」

と同時にすぐ後ろで悲鳴が上がる

「急ぐぞ!」

そのまま俺と愛芽は裏方に移動する

「自分で歩けるようになったらそのまま裏から外に出ろよ。俺は仕事に戻るからな」


私は仕事に戻る零の背中を見守り

「負けちゃったか...でも勝つよりいいことがあったし、まぁいっか!それより、零がさっき落としたのは?」

それを見て私は驚愕する!

これは...


その後俺は、ひっそりと人を驚かせるつもりもなくやろうと持ち場に戻った。その時ちょうど、

「お?だるそうにやっているのは、零じゃないか?」

部長が来た。

「しっかり脅かしなよ〜」

鈴木先輩も後ろから顔をひょこっと出す。

2人の背中を見守り、少しだけやる気を出す。



「どうした?」

「いや…なんか零君の顔が赤かったような……」

「気のせいじゃないか?教室の中は暗かったし、」

「そうかな〜?」


そんな部長と鈴木先輩の会話は零には聞こえていなかった。

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