第7話 君の苦手なもの
文化祭当日、学校生徒の親や友人も訪れるため、人で溢れかえっていた。そして、
生徒会の企画で1人1枚番号の書かれた紙が配られた。
同じ番号の人を文化祭当日に探し、同じ人2人で受付に行くと何か貰えるらしい。
(出来たら見つけたいな)
と思い、番号を見ると.....
4番か...
「私は4番か...」
と愛芽のつぶやきが聞こえる
(…文化祭開始5秒で同じ人見つけちゃったよ.....どうするか?)
「零は?」
と愛芽が聞いてきたので、ビクッと跳ね上がる。
(いつもからかわれてるしやり返したいからな...ちょっと泳がして見るのも楽しいかもな。)
逆にチャンスととらえて
「7番だった」
と違う番号を答えた
「違うか〜残念...じゃあ最初は私、シフトに入っているお化け役だからお化け屋敷来てね〜」
と俺に伝えて準備をしに行く。
「零はなんの番号だったんだ?」
大輔が聞いてきてとっさに
「4番だった」
と嘘の番号を言おうとしていたが、正しい番号を言ってしまった。
「俺は59番だったから誰か見つけたら教えてくれよな!」
「分かった!この文化祭をお互いに楽しもうな」
「お前も愛芽さんと楽しめよ…(小声)」
そう言って大輔は友達と歩いていく。
(大輔までからかいやがって……)
まずは愛芽がお化け屋敷の係なので
決闘をしに行く。
「深呼吸をしていけば驚くことは無いはず...俺は怖いのは得意だから有利だ...」
(時間があったら部活の先輩達のお店にも行っときたいな。)
と思いつつ自分のクラスの前に行く。
見慣れたお化け屋敷のデザインが目の前に見える。
「1名様ですか?てか、零さん?だよね」
普通にクラスの人に名前は覚えられているんだなと以外に感じた。
「ではこのライトを持って道なりに進んでください!逝ってらっしゃい!」
と受付の人に見送ってもらいお化け屋敷が始まる。
(愛芽がどこで出てくるのか分からない以上、常に警戒して進まないと行けないな。)
「わっ!」
と脅かしてくる人には大してびっくりしない。
と思っていると...後ろから気配がした...
後ろを見ると誰もいない...前を見るともちろん誰もいない...すると次は右から気配がする。
(!?)
不穏な演出だな...
その時、後ろから飛びつかれる...
前のめりに倒れ、背中に誰かが乗る...
(びっくりした〜!)
でも声には出していない...
こういうことをしてくるのはどうせ愛芽だろう...
するとこの後、首に地味な痛みが走る!
「わっ!」
これにはさすがに思わず声が出てしまう
愛芽は吸血鬼の変装だったはず...てことは本当に噛み付いているのか?
「驚いたね〜?零」
「さすがにこれはやりすぎだろ?」
と言いながら後ろを見ると...
クワガタを持っている愛芽がいた!
「うわぁーーーーーー!!」
と尻もちが着いたまま逃げようとする
「まっまままさかそれで首を!?」
「それはどうでしょう?」
とニコニコしながら言う
実を言うと俺はものすごく虫が嫌いだ
(なんで知っているんだ?)
「すごく驚いてるじゃん笑これは私の勝ちかな?」
愛芽はニヤニヤと笑いをこらえながらこちらを見ている。
さすがにやってしまったと思い、とても元気を無くした俺がお化け屋敷から出てくる。
「でも俺にはまだ...秘策がある!」