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君の手は雨より冷たい「修正版」  作者: 紡雪
第二章

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第61話 君の初めての打ち上げ

閉会式…。

「それでは結果発表です!!」

「1位は……」


「青組です!!」

その結果発表と共に多くの歓声が上がる。


次の日……

クラスであるお好み焼き屋に集まり、打ち上げを行った。少し離れた個室に案内されたのでわ多少は騒いでも迷惑にはならない。

「一度静かに!」

わいわい、がやがや、している中、委員長の声ひとつで静かになる。

「全員揃ったので、あらためて打ち上げを始めます!体育祭お疲れ様でした!!」

そう言ってコップをあげる。

それに合わせてクラスの生徒もあげる。


「いや〜逆転優勝凄かったな〜」

「ね〜」


「俺、お好み焼きひっくり返すの得意なんだ!!」

「ほんとかよ?」

「バカ!お前!具材飛んでる!」


そんな楽しい会話が飛び交う中、零はいつものメンバーと一緒に座っていた。


「稲木ひっくり返せ!お好み焼きが焦げる!」

頭を抱えて焦る大輔。

「大輔がひっくり返すってヘラを持ったんじゃないか!」

「いや〜なんか上手くいかなくて笑」

そんな稲木と大輔の会話に呆れた美結は

「も〜何やってんのよ〜」

稲木からヘラをもらって、

「よっと……」

軽々とお好み焼きを完璧にひっくり返す。

「「すげぇ〜」」

美結のその様子を見て大輔と稲木は口を揃えて言う。


隣で見ていた愛芽はあははと笑い、「零は焼かないの?」ふと零のいる方を見て聞く。

「俺はいいかな〜稲木のみのまえになりそうだし……」

「ふーん。零の焼いたお好み焼きも食べてみたいな〜」

その会話を聞いた美結は

「私も零がひっくり返すとこ見てみたい!!」

「俺も!」

そして大輔も賛同する。


「えー?」

零は嫌々ヘラを持ち、お好み焼きの生地を鉄板に流し込み、待っていると。隣からクラスの女子が3人話しかけてくる。


「零くんもこっちで食べようよ〜」

「零くん、リレーの時かっこよかったよね〜」

「それな?逆転優勝は零くんのおかげだよね!」

そう言いながら零の腕を掴む。


「ちょっ!?」

あまり関わっていないクラスの女子が話しかけてくるだけでなく、腕を掴んで来たので、驚きの声を出してしまう。


「待って!」


クラスの女子達を止めたのは”愛芽”だった。

「お好み焼き焦げそうだよ?」

愛芽は焼いていたお好み焼きをゆびさす。

「やばい!ちょっとごめん!」

零は女子達の腕を振りほどき、ヘラを再び持つ。愛芽は笑顔で女子達の方を向き、

「今忙しいから、後でもいい?」

少し圧のある言い方をする。


「わ、わかった……」

「邪魔してごめん……」

そう言って女子達は元の場所に戻っていく。


「なんか怒ってます?」

その様子を見ていた零は愛芽に聞く。

「別に?」

愛芽は笑顔で即答する。

(絶対怒ってるって……)そう思いながら、ヘラをお好み焼きの下に潜り込ませようとする。

(うん?)

そこで異変に気づく。


零がお好み焼きをひっくり返す所を見たかった大輔達も異変に気づく。

(まさか……)その異変の正体に気づいた稲木は

「……お前最初に油引いたか?」

稲木は何かを察したように聞く。


「…やばい」

そう小声で呟いた零に大輔は

「なんて?」と聞き返すと

「油ひき忘れた!!!」

零が叫ぶ。4人は零を見て慌ててヘラが震えているのがわかる。

「……おバカ!!」

叫ぶ美結の隣に座っていた愛芽はすぐに手を動かす。

愛芽は2つヘラを持って零のヘラとは逆の場所(お好み焼き)に近づける。


「2人でせ〜のでひっくり返すわよ!」

「せ〜の!!」


打ち上げは終わり、解散のかたちとなり、途中まで帰路が同じだった愛芽と零は一緒に歩いていた。

「いや〜おなかいっぱい!愛芽が助けてくれなかったらお好み焼きは真っ黒だったな笑」

零が笑いながら言うと

「そうよ〜私に感謝してよね!」

と愛芽は返す。



「お礼に家まで送ってくよ!」

「途中まででいいわよ」

(私は一緒に帰れるだけで嬉しいし……)密かにそう思う愛芽。

2人は一緒に帰路を歩く。


「零はさ、好きな花とかあるの?」

愛芽がふと質問を零にする。

「好きな花か...”ヤブラン”とかかな?」

(なんか前も同じような会話をした気が……確か、入学式だったかな?)

「愛芽はなんの花が好きなんだ?」

と質問し返した。

「う〜ん?私はね」


「”ユキハナソウ”!!」


元気よくそう言って、

「ここまででいいよ!また学校で!!」

そう言って愛芽は角で曲がり走っていく。


(ユキハナソウ気に入ってくれたんだな〜)

そう思いながら零はゆっくり家に向かって歩く。その時、明かりで零は目を細める。空を見上げると、立派な夕日が輝いて見えた。思わず零は歩くのを止める。

「綺麗だな…」

(もう少し、ゆっくり歩いてたら愛芽とこの景色を見れたのかな?)そう思うと少し残念になる。

「でもまぁ、そのうち一緒に見えるか!」

すぐに元気を取り戻し、零は再び歩き出した。

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