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君の手は雨より冷たい「修正版」  作者: 紡雪
第二章

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第58話 君のお題

「借り人競走の説明をします!選手はまず、障害物を避けながらお題の箱まで向かい、箱の中のお題を引きます。そのお題に”当てはまる人”を連れてくることで成功となります!」


数分前

「私、借り人競走だから行ってくるね〜」

そう言って駆けていく愛芽を零を思い出す。


「愛芽さんなんかワクワクしてたな」

そう稲木は零にいい、「そうだな!」と零は返す。

その後稲木と零は雑談を交わす。

「ではスタートです!!」


一斉にスタートし、選手はお題を見て、そのお題に当てはまる人を探しに行く。

そのうちの一人が青組の観客席まで走ってくる。

(誰が目当てだろう?)零がそう思っていると、

「稲木くん!ちょっと来て〜!」

「え?俺?」

自分を指さして稲木は聞く。

「うん!”少し”クールな人ってお題だから」

「少しは余計だ…」

そう呟きながら稲木は席から立つ。


(あの人って確か、愛芽とよく一緒にいる”霜宮(しもみや)”さんだよな?)

零がそんなことをぼんやり考えながら稲木を見送る。


(ラッキー、愛芽が前に少しクールって言ってたんだよね〜)そう思いながら霜宮(しもみや)連花(れんか)は稲木を連れて走り、一番乗りでお題をチェックするところに着く。

「はい!確かに稲木さんは少しクールな人ですね!クリアです!」

審判にクリア判定をもらい、1位を獲得する。

「おめでと〜う!連花!!」

愛芽はめいいっぱい叫ぶ。

(だから”少し”は余計だっての……)

稲木は心の中で少し拗ねる。


「続いて第2走です!」


「あっ……愛芽だ。」

スタートラインに並んだ愛芽を見て、思わずつぶやく零。

「よ〜いスタート!!」

放送委員の合図で一斉にお題の箱まで走りだす。

お題を見た愛芽はこちらに向かってくる。

(まぁ、俺では無いだろうな…)

そう思っていたのだが……

目の前に愛芽が来て、手を伸ばしている。

「お題、かっこいい人だから一緒に来て」

そう一言言って、零の腕を掴み引っ張る。

「えっ?お題って……」

「だからかっこいい人だって〜」

走りながら会話をする。

(それって俺のことがかっこいいって……)

零の心臓は高鳴る。そして驚きで唖然とする。


そのままお題をチェックするところに着く。

「最初に着いたのは青組の男女コンビだ!!お題を確認してください!」


「はい……お題を確認しますね〜」

そう言って男子の審判の人は愛芽からお題の紙を受け取る。

すると、審判の人は零の手を握りだした。

(!?)

心の中で驚く。

「冷たっ!!お題クリアですね!」

「1着青組〜!!」

審判の人は冷たさに驚いてからそういう。

「え?どういうこと?」

頭が追いつかない零の隣で愛芽はくすくすと笑っていた。それに気づいた零はため息をつく。

(まさか…)

「私の”本当”のお題は”手が冷たい人”だよ笑」

「いやぁ〜久しぶりにからかえた気がするな〜」

愛芽は腕を組んで嬉しそうにそう言う。


「じゃあさっきのお題は?」

「嘘よ」

零の問いに愛芽は即答する。

「頬、赤くなってたわね…」

愛芽のそのつぶやきに零はすぐに反応して

「え?まじ?」

「嘘……かもしれないし違うかもしれないね〜」


(誤魔化されたな……)

「ほら!観客席戻ろ〜!!」

そう元気に先導する愛芽に精神的にくたくたな零が着いていく。

その様子をちらっと見て愛芽は微笑む。

(まぁ、お題は嘘だけど。”かっこいい人”については嘘じゃないけどね!!)


「第3走が始まります!」


観客席に戻ると美結がいた。美結は零と愛芽を見つけると興奮して

「係の仕事から帰ってきたら友達が誰も観客席に居ないと思ったらふたりが1着取ったって放送流れて驚いたわよ!」

「ありがとう!」

愛芽は微笑む。


後ろから来た零は美結に伝える。

「大輔と稲木なら、大輔は借り人に連れてかれて、稲木はさっき係の仕事してたぞ?」

(なんか怖かったけど……)

お題を確認してもらっている時に、視線を感じると思って振り返ったら稲木がじっと真顔でこちらを見ていた。


保健委員が待機する場所で稲木は思っていた。(俺が愛芽さんとそうなるはずだったのに!)と。

霜宮連花は愛芽の誕生日会に出てきました。第31話 君の最高の誕生日参照です!

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