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君の手は雨より冷たい「修正版」  作者: 紡雪
第一章

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第53話 君の送る花言葉

「愛芽!良かった!!!!」

零が電話をし、帰ってきた愛芽の父親が泣きながら愛芽に抱きつく。

(私はまた大切な人を、春夏との約束を守れないところだった。)

そう思うと余計涙が出る。


一方愛芽は懐かしく思っていた。

(この温もり、久しぶりな気がする……)

高校生にまでなると中々親とハグはしない。だが、この久しぶりのハグは無性に嬉しくなる。


少し経った後、

大輔だけでなく、稲木や美結もお見舞いに来た。

「愛芽ちゃん〜!!!!!」

泣きながら愛芽の元に駆け寄る美結。

「本当にもう大丈夫なの?」

「うん!!もう元気!」

「良かった!」

大輔と稲木も頷く。

そこで愛芽は覚悟を決めたように話し出す。

「3人にも言っときたいことがあるの!」

3人は首を傾げる。


そこで愛芽は全てを話す。アレルギーのこと、海外に行くこと。


「そんな大変な思いをしていたとは……」

大輔はつぶやく。

「でも……また帰ってくるんだよね!?」

美結は愛芽の目を真正面から見て聞く。

「あったりまえでしょ〜むしろ、海外に行きたくないぐらい」

愛芽は本音を言う。

「おい、治療はしてこい」そう零はツッコミを入れる。

「でも、それぐらいここは意心地いいというかなんというか」


「まぁ、とにかく、必ず戻ってくるよ!!」



ーーーーー空港

「見送りに来てくれてありがとうね零!」

零は元気になって退院した愛芽を空港に見送りに来ていた。

「私はお土産屋を少し見てこよう。2人は話していてくれ」

(俺達のために2人きりの時間を作ってくれたのか……)

そう察した零

「愛芽……治療頑張れよ!」

「うん!みんなが待ってるっていう最高のご褒美が待っているからね!頑張れるよ」


あらためて零は見送りに来たのもそうだが...愛芽にあるものを渡したかったからここに来た。

「これ...」

そう言いながら零は愛芽に差し出す。

「ユキハナソウ?」

(誕生日の時は”尊敬”という花言葉で渡したけど、今度は違う...)

「ユキハナソウのもう一つの花言葉ーーーー」

零が言うと同時に愛芽も言う。


「君にまた会いたい!」

「君にまた会いたい!」


「でしょ?」

「ああ!」

「ありがとね!すごく嬉しい!」

「それともう一つ...」

そう言って俺はバックからあるものを取り出す...

「折りたたみ傘?」

「ああ!雨に濡れちゃダメだろ?」


(なんかこの感じ昔も……)

零はそう思っていると、すぐに愛芽の異変に気づく

愛芽は驚いた顔をして何故か泣いていた……


「どうした?」


「いや……」


「お〜いそろそろ飛行機が来るから行くぞ!」

遠くでお父さんが言っている。


「じゃあ、零!またね……」

そう言うが何故か零はぼーっとしている。


「ああ、また……」

少し寂しそうな表情をしたのに気づいたのか愛芽はニコッと微笑む。

愛芽は近づいてきて


(!?)


俺の頬に優しい感触を感じる。

(キス……!?)

零の寂しさを封じ込めるように……

「うん?」

「へへん〜唇にラップつけてたよ〜」

「最後までからかうんだな……」

からかわれたと知っても零の心音はうるさいほど鳴っていた。顔もおそらく赤いだろう。

(ラップをつけたとはいえ確かに……)

そう恥ずかしく思い、下を向く。

「すぐ帰ってくるよ」

その愛芽の言葉ですぐに切り替え、顔を上げる。


「ああ!待ってる元気でな!」

零がそう言って愛芽は走っていく。



そして零は大輔、稲木、美結と退屈しない学校生活をしていたが、どこか物足りなさを感じていた。

季節は秋、冬、春を超えて再び夏がやってくる。


「いや〜懐かしいな、1年ぶりか?」

8月10日、水神神社に零は1人で来ていた。

炭酸を自販機で購入して、去年、”彼女”に教えて貰った場所に向かう。

(ふぅ〜やっぱり体力落ちてるな〜)

少し疲れながら、やっと森を抜ける。


”夏”それは”再会の季節” 世の中ではそんな事は聞かないし、言わない。けれど、彼にとっては…………



森を抜けて見えてきた景色は神社を見渡せる絶景と……折り畳み傘だった。

(!?)

零は目を見張る。


彼にとっては”再会の季節”


「ただいま!!」

彼女は振り返り、笑顔で零にそう伝える。その彼女は紛れも無く”愛芽”だった。愛芽は雨は降っていないのに折り畳み傘をさして、無邪気な笑顔を見せる。

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