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君の手は雨より冷たい「修正版」  作者: 紡雪
第一章

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40/65

第40話 君の秘密

「花火が上がるまでの時間は10分です。」

そのアナウンスが神社内に放送される。

「そろそろ向かいましょうか」

(もうすぐ花火なのにどこに???)

そう言って愛芽は混乱する零の手を掴んで、神社の道からそれて森へと入る。

「どこへ行くんだ?」

「いいから着いてきて」

そこからは2人はかなりの坂を登っていく。7.8分ほど歩いただろうか。やっと森を抜けた。


「おぉ〜」

思わず零はそうつぶやく。

「着いてきて良かったでしょ?」

森を抜けた先は、自然の生成した高台のような場所であり、10畳ぐらいの大きさの草原が広がっていた。ここは神社どころか町を一望できる”最高”の場所であり、花火を見るにはうってつけのところだった。

「ここなら花火がよく見えるでしょ?とりあえず座ろっか!」

2人は綺麗に咲く花避けて座り、その花は夜でも鮮明に見えるほどに美しい紫色と白色の”ミヤコワスレ”が咲いていた。


ひゅーーーという音の後、3秒程経ったあと……

「ドーーーーン!!!!!」

その花火に次々と続いて他の花火も上がる。

「ドーーーーン!!」

「ドン!ドン!ドン!」


愛芽は立ち上がり、「た〜まや〜!!!!」と叫ぶ。

愛芽のワクワクしている様子を見て、零の口先が緩む。

「綺麗だな!!」

「乾杯するか!」

零はバックから炭酸ジュースを2本出し、そのうちの1本を愛芽に渡す。

「買ってくれてたの?ありがとう!!」

愛芽は笑顔でジュースを受け取り、零も立ち上がり


「乾杯!!!」

2人が乾杯したと同時に花火が上がる。

ひゅーーー

「ドーーーーーーーン!!」

((綺麗……))2人は声に出ない程綺麗で、心中でつぶやく。

今までで1番大きくて黄金色の花火は真っ暗な夜を明るくした。


「さて、本題に入ろうか?」

2人が再び座ると、愛芽は真面目な顔でこちらを見る。


「私夏休みの最終日に海外に引っ越すんだ」


「ドーーーーーーーーン!!!!!!!!!」

花火で愛芽の顔が照らされる。その顔は辛そうな顔をしていた。

そこで……”真実”だと感じた。

それと同時に忘れようと思っていたことを思い出す。文化祭の時愛芽の父親がこう言った。


「私たちは来年の夏休み最終日に海外に引っ越すんだ。君も別れが苦しくなるだろうから今のうちに言っておこうと思ってな」


(あの時……信じれないじゃなくて、信じたくなかった。本人から聞くまで…………でも、本人が今ここで話してくれた通り、あれは”嘘”ではなく、”真実”だったということ。)

そう思うと目から雨が……


愛芽はしばらく黙る零を見ていると

「ドーーーーン!!」

彼にとっては無慈悲に花火は打ち上がり、彼の隠したいであろう顔を映し出す。


「安心して、絶対に戻ってくるから」

そう言いながら私は彼の手を掴む。

(泣いてるからかな。少し手は暖かい……)

愛芽はそう思うと少し笑う。


(別れるのが苦しい。せっかく仲良くなれたのに)

(この経験はこれで2度目だ。)


しばらくして零が落ち着き、2人は花火を見ながら会話をする。

「インターハイ予選は出るのか?」

「出ないよ。本選の時にはもう日本にはいないし、確実に試合出られないってわかってるのに、本選出場して棄権なんて、他の人に失礼でしょ?」

「確かに」

零は納得する。その後に(予選突破が確実だという自信がすごいな…)と感じる。


「それに、零の試合が見えるしね」

そう愛芽は笑顔で言う。

その笑顔に零は胸がドキッとする。

「ドーーーーン!!」

またしても零にとっては嫌なタイミングで花火は上がる。そしてその顔を愛芽は捉える。

(照れてる……!!)

すぐに零は気を取り戻し、愛芽に伝える。

「帰ってきたらまたお祭りに来ような!!」

「うん!!」


そして零はジュースを取る。

「ぷはぁー。やっぱり炭酸は夏に飲むと上手いなぁ」

愛芽はその様子を目を点にして見ている。

「どうした?」

「そのジュース私が飲んだのじゃない?」

「えっ!?」

零は叫ぶ。


「ふふふ」と愛芽は笑い。

「本当はね〜」その後、答えを言い始めた直後


「ドーーーーーーーーーーーン!!」

「ドンドン!」「ドーン!!」「ドーン!!!」

「ドーーーーーーーーン!!!!」

花火が最後の披露で連続で鳴り響く。その音で愛芽の答えは遮られ、零は聞こえなかった。


パラパラパラパラ

と花火の余韻で花火は終了する。

「聞こえなかった!結局どっち!?」

「もう答えたも〜ん!」


「じゃあ帰ろうか!」

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