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君の手は雨より冷たい「修正版」  作者: 紡雪
第一章

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第35話 君のトラブルだらけのキャンプ4

日が落ちると、街灯などはないのであたりは暗闇に包まれる。唯一の光源はスマホのライトと持ってきたランプ。そして、キャンプ場にあるキャンプファイアの施設で灯された火だ。

「いや〜施設の人が帰ってきてくれて良かったね」と愛芽が言う。

施設の運営の人が帰ってきたので、ライターを貸してもらい、今度はすぐに火をつけることができた。

「だな、またあの地獄を体験するのかと……」

零は明るい火を吹き飛ばすように暗くなる。


「マシュマロ持ってきたから、焼きマシュマロやろうぜ!」

大輔がマシュマロを持ってくる。


「あ〜焦げちゃった!!!」

美結の叫び声が人の居ないキャンプ場に響き渡る。

「火に近づけすぎよ!」

そう笑いながら愛芽が注意する。零は完璧に焼けて、焼きマシュマロを食べようとする。

「ふ〜。ふ〜」

「……美味い。」

心が暖かくなる美味しさで、マシュマロは口の中でとろける。


「はい!もう1個あ〜ん」

そう美結が焼いたマシュマロを零の口元に近づける。

「もごっ!?」

そのままマシュマロを押し込まれる。

「はふっはふっ」

「何すんだよ!」

「美味しい?」

「美味いけど…」

零が答えると……


「美味しいってよ〜愛芽ちゃん!!」

その言葉で「え?」と思わず声を上げる。

「愛芽が作ったのか?」

愛芽の方を見ると、笑顔で焼きマシュマロを食べながら「そうよ〜」と答える。

稲木は羨ましそうな顔をする。続いて美結が

「私がこんなに上手く作れるわけないじゃん」

とドヤ顔で言う。

「なんでそんなドヤ顔なんだよ笑」

と大輔がツッコミ、笑いが生まれる。その笑いの中、


「おい!なんか火が燃え上がりすぎじゃないか?」

稲木がそう言う。言われてみれば確かに火が大きくなっている気がした。

「風が強くなってきたからか?」

「まずいまずい!」

稲木と愛芽が水をくみに走っていく。

「零の冷たい手で火を消してくれ〜!」

大輔が焦ってそう言う。

「無茶言うなって!!」


水をバケツに入れて持ってきた愛芽は火に向かってかける。「あっ…!!」稲木が短く叫ぶ。理由は風の影響で水は零に向かっていくからだ。すぐ隣にいた稲木は持っていたバケツを放り投げて零の背中を押し、零の代わりに水を受ける。

(あれ?なんでだろう…俺は零が気に食わないし、嫌いって思ってるのに、、、)

水がかかりながら稲木は心の中で思う。

「ごめんなさい!」

愛芽の謝罪で零はすぐに

「大丈夫か?稲木!タオル取ってくるから待ってろよ」

そう言って急いでタオルを取りに走っていく。

タオルを稲木に渡す時、零が言った

「ありがとうな!稲木!」


稲木は「うん」とだけ言う。


その後キャンプファイヤーが終わって、稲木と大輔はテントの中で休み、零は外で空を見上げる。ベガ、アルタイル、デネブの明るく光る星が鮮明に見える。

「綺麗な夏の大三角形だな……」

零は呟く。山は街灯や光源があまりないので、今まで1番綺麗に星が見えたのだ。


(トラブルだらけだったけど、楽しかった)

キャンプを振り返ると、クマに襲われたり、火をつけるのに手間取ったりとかなり大変な1日だった。けれど……

「どれもいい思い出だな……」

すると隣に誰かが座る。隣を見ると……愛芽が座っていた。

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