第26話 君のテスト勉強2
昨日は勉強を多分しっかりできた!今日も放課後は図書室にしようと思った。
放課後、図書室で再び勉強をするために図書室に向かう途中
「あー!もうわかんねぇよ!たすきがけってなんだよ!」
そんな聞き覚えのある叫び声が廊下にまで聞こえる。
「おい、大輔!廊下にまで声が響いてるぞ?」
そんなことを言いながら図書室に入ると、大輔と稲木が勉強をしていた。
「おお、稲木もいたのか?」零は驚く。
稲木は心中で、零が来たら作戦が台無しだ!と叫ぶ。大輔に勉強を教えながら、タイミングを伺ってこの前のことを謝ろうとしていた。なのに、零が来てしまったからだ。
そんなことを零は知らずに隣の席に座る。
「昨日までカラオケとか言ってたのにどういう風の吹き回しだ?」と零が聞くと
「母さんに勉強しろ!って怒鳴られた!だから勉強出来る稲木を巻き込んだ」
拗ねたように大輔はペン回しをしながら言う。
「巻き込んだって…」
「そこは、こうすればできるぞ?」
とその割には稲木は全く嫌そうにしないで、優しく大輔に教えている。その様子を見て、零も勉強を教えてもらおうと頼む。
「稲木!勉強できるなら俺にも教えてよ!」
すると稲木はとても嫌そうな顔をする。それを感じ取った零はすぐにこういう。
「じょ、冗談だよ〜」
零は俺なんかしたかな?と思いながら勉強に取り掛かる。勉強をするけど、やっぱり分からないところがある。頭をかいていると、それに気づいた稲木は、はぁ〜とため息をついて、零に聞く。
「どこが分からないんだ?」
「因数分解!!」
そう言って零は因数分解を使う問題を指さす。すると稲木は教え始める。
零は稲木の教え方わかりやすい!そう思った。
「……だからこうなる、わかった?」
説明が終わると零は稲木に
「ありがとな!稲木って本当に良い奴だな!」
そう言うと稲木は心中でこう思う。
(俺は…そんなお前が思うような良い奴じゃない。なんなら俺はお前に嫉妬して、当たっている最低な奴だ。)
零はしばらく何も言わない稲木に何か言葉を間違えたのかと焦る。そして無理やり話を変えようと
「だ、大輔とはなんで一緒にここで勉強してたんだ?」と聞く。すると稲木は
「ああ、それは話すと長くなるんだが……昨日カラオケに行ったってのは言ったよな?」
「ああ、」と零が頷くと
「その後……」
稲木はカラオケの後、大輔の家におじゃましたが、その時帰ってきてそうそう母親に怒られる大輔を見ていた。
「大輔!テストはもうすぐなんでしょ!?遊んでばっかりじゃなくて勉強しなさい!!」
と大輔に怒鳴りつける。
「ごめんて……」
そして大輔の母親は稲木に
「稲木君!悪いけど大輔が勉強をするか見守ってくれないかな?」
そう聞く。
「いいですけど……」
そう稲木が応えると
「大輔!こう言ってくれたから、勉強をちゃんとしてから帰ってきなさい!!」
「はい……」
こんな弱気の大輔は初めて見て、驚く稲木。やはり母には逆らえないものなのだと悟る。
「ってことがあって。」
「大輔…どんまい」
そう言いながら大輔を見ると
いびきを欠かずに静かに寝ている。それから稲木と零は顔を見合わせて
「起きろー!!寝たら死ぬぞ!!」
と零は叫ぶ
「いや、死には…」
そう言いかけた稲木は
勉強しなかったら点数が下がって、赤点を取れば、夏休みは死ぬほど地獄が待っている。それを考えると
「起きろー!!死ぬぞ!」
と稲木も続く。
こんだけ叫んでも大輔は無邪気な寝顔を見せながらぐっすり眠っている。
必死に起こそうとしている零を見て、今日一緒に勉強をして、稲木は心の中で、零は良い奴で面白い奴、そんな考えが生まれる。




