第21話 君の対戦相手
7月初旬
俺はプールの一件でちょうど梅雨の期間しばらく学校を休み...愛芽も休んでいた。
梅雨明けからしばらく卓球の初試合のために練習に集中していた。
明日は試合の日、今日は最後の練習ができる日だった。
俺は自分のサーブを作り、順調にレベルアップしていたが...いつも教えてくれた先輩も集中して練習していて、部活内の空気は重かった。
愛芽とはいつも通りの会話ができていた。正直言うと
梅雨が明けて久しぶりに学校に来た時、愛芽と話すのは気まずかった。けれど、部活の休憩中、勇気を出して愛芽に話しかけた。
(梅雨明けの時の話)
「この前は助けてくれてありがとう!愛芽はもう部活に復帰してもいいのか?」
零は久しぶりに愛芽に話しかける。
「うん...全然元気だから!零は絶対に卓球しちゃダメよ。」
「本当か?俺を助けて何か怪我とかしてないか?」
零は心配そうに愛芽に聞くが、愛芽は笑顔で
「本当に大丈夫よ!それに、もうあの時お礼は貰ったし、気にしないで大丈夫よ!」
「そうか…」
そう言ってくれて零の気持ちは軽くなる。
「零は一応身体を慣らしてからだから、今日は程々にね!」
そんな注意を受ける。
「分かってるよ…」
心の中ではやりたかったが仕方なく愛芽が打っているのを見ることにした。
(愛芽ってスマッシュが特別早いとかじゃなくて、回転とかで相手を翻弄して勝つタイプなんだな)
スマッシュでごり押す俺のスタイルとは真反対で...
冷静に勝つ様さまが”かっこよく”見えた。
次の日からは本格的に練習に参加し、
そして現在
桜木岡体育館という名前の、桜夢高校の近くの体育館。そこに朝8時に集合だ。
体育館の周りでは卓球のユニフォームを来た人達がたくさん集まっている。そんな中、零は周りを見わたし、自分の高校の集合場所へ向かう。
既に顧問の先生、部長、鈴木先輩、日向先輩、来斗先輩は集まっていた。
「おはようございます!」
零は元気に挨拶をする。
「零、おはよう!」
部長も負けじと元気に挨拶を返してくれる。
周りを見ると愛芽の姿だけはなかった。
「愛芽はまだですか?」
零が聞くと、顧問の先生が
「先程お手洗いに行って…」
そこまで先生が言うと後ろから
「君が最後だよ?」
と耳元で囁かれ、聞き覚えのある声がする。
「うわっ!」
思わず声を上げて驚く。
「おどかすなよ!」
「文化祭の時のお返し〜」
「結構前だな…」
そんな会話をしていると、体育館が開館する。
「では、体育館に入る前に、トーナメント表を零さんに……」
そう言い、零に3枚程度の紙の冊子を渡す。
「もちろんみんなは…」
俺が言いかけると
「貰ったよ〜」と愛芽、「貰った」と来斗先輩「うん」と日向先輩がそれぞれ反応する。
次からは来るのもう少し早くしよ…と思いながらトーナメント表を見る。
「零さんは22番ですね」
「ありがとうございます。」
先生が生徒の番号を把握しているのにとても良い先生だと思った。
男子のトーナメント表は1番から254番まである。つまり、男子だけでも254人の人が参加するということだ。
どれどれ?と22番を探すと自分の名前が隣に書いてある。それと同時に対戦相手の名前も目に映る。
「お前の対戦相手は強豪の雪譜高校の1年らしいぞ?」
部長は俺にそう言う。
「ほら…そろそろ行くぞ〜」
と先生が言い、体育館へ向かう。
零の名前の下、対戦相手の名前は…千田夜努だった。




