第18話 君のお見舞い
金曜日の放課後
「ピンポーん!」
その1回のチャイムが響き渡る。俺はだるそうに扉を開けると……幼なじみの明星美結が立っていた。
「大丈夫?今日は大変だったみたいだね。」
笑顔で美結は言う。
「なんで、俺の家を覚えてるんだよ?」
「そりゃ何回も遊んだもん。」
美結は幼なじみだから昔何回も遊んだこともあって、家は覚えていた。
「なんで来たんだ?」
零は質問を変えた。週末の学校帰りは余計疲れているはずなのにわざわざ来てくれたからだ。
「だって、家に帰っても零は誰も看病してくれないでしょ?」
「ちょっとだるいだけだよ、」
本当は零の身体は溺れたことによって衰弱しており、ちょっとだるいではなく、かなりだるかった。
「もう!その我慢する癖、昔から直せって言ってるでしょ?」
そう怒り気味に言いながら美結は家の中に無理やり入る。
「…おい!」
20分後
気づけば美結の思い通りになり、俺はベッドで横になり、美結はおかゆを作ってくれていた。
なんだかんだ言って美結の思惑通りなる。まぁ、本当は助かるんだけどな。そう零は思う。
「で、昔から泳げないのになんでプールの授業に参加したの?」
ひと段落した美結はプールの話をする。
「そりゃ、全部見学だと成績に影響するだろ?」
「成績と”命”だったら”命”だと私は思うんだけどな…実際死にかけたんでしょ?」
正論を言われて零は何も言い返せない。
「本当に死んだらどうするの!?」
美結は少し間を置いてから強く言う。
愛芽とほぼ同じことを言われて心がズキっとなる。
「…とりあえず、今日は泊まらせてもらうよ?」
「そこまではしなくていいよ!」
零が否定すると
「いや、いざという時に誰かいないと危ないからね」
そこからまた少し間があってから
「……聞こうか迷ってたんだけど、聞いてもいい?少し零を傷つけてしまうかもしれないけど……」
「父さんのことか?」
零がそう言って美結は首をコクッと頷く。
美結が海外に行っている時、父さんは死んだ。母さんは俺が生まれてすぐ死んでいるため、俺は小学3年生くらいから1人で暮らしている。
「タバコばっかり吸ってたからな、まぁ当然っちゃ当然だな、」
零はお父さんのことをあまり良くは思っていない。
「そう……」
少し暗い気持ちになる。
「なんというか……ごめん、どうしても気になっちゃって」
「いや、いいよ」
零は気にしてなさそうだった。
「まぁ、安静にしてな。」
美結は部屋から出て下を向く。
やっぱり、零のお父さんはタバコが原因だったのか……そう思う。そしてもうひとつわかったことかまある。零はまだ、お父さんを恨んでいるんだね…いや、あの過去を知っていたら許せないよね……
そう心の中で叫ぶ。
次の日
「ありがとうな、少し楽になったよ」
「今日は用事があるからいられないけど、安静にね!」そう美結は強く言う。
そう忠告を受けて、日曜日のボウリングはどうしようかと迷った。




