第15話 君の贖罪1
金曜日の放課後
「謝らなきゃ…」
そう呟いているのは稲木だ。
心の中の大輔への罪悪感に耐えられず、今から謝ろうと大輔の席に向かって歩く。
その俺に気づいた大輔は
「おはよう!稲木!」
と笑顔で挨拶をしてくる。
「お、おはよう…」
「大輔、あのさ!!」
稲木の反応からいつもと少し違うと感じ取る大輔。
「どうした?」
「……」
声が出てこない、あのことを言ったら友達じゃ居られなくなる、そう考えたから。
「今度の日曜日ボウリング行かない?」
とっさに誤魔化そうと出した言葉がそれだった。
(違う、違うのに、)そう思いながら大輔を見ると……
「いいよ!でも、もう一人誘ってもいいか?」
と笑顔で言う。
先程のボウリングを訂正して、謝ろうと思った。けど……また先程の不安が頭を包み込む。
(もし…友達じゃ居られなくなったら……)
「…ぎ……稲木?」
大輔の声でハッとなる。
「どうした?」
「何度も呼んだのに、やっぱりなんかあったか?」
「……ちょっとぼーっとしてただけだよ」
また俺は誤魔化した。
「ほら、もう一人を今から誘いに行くぞ」
「あ、ああ」
誰だろう?と考えていた時、視界の左側で愛芽さんと話している零の姿が見れた。
(なんであいつばっかり!?)
やっぱり俺は嫉妬してしまう。悪い癖だ。
大輔はその愛芽さんと零の方に歩いていく。そちらの席には友達の西村岳斗がいる。だから岳斗を誘うのだと思ったが……大輔は愛芽さんと零の方に向かっていく。
そして……
「よっ零!」
俺(零)が後ろをむくと大輔が立っていた。
「おお、どうした?」
そう聞くと大輔は
「日曜日に稲木とボウリング行くんだけどお前も来る?」と言う。
初めて遊びに誘われた嬉しさと予定は無いことを脳内で考えてから
「行けるぞ!」
と言う。
「よし!!稲木も良いか?」
「え?ああ、」
稲木は脳内で(誘うのってこいつだったのか…)と思いつつすっとんきょうな返事をする。
「ちょっと私は!?」
愛芽がそう自分に指さして叫ぶ。
「人数は4人の方が良いし、愛芽さんも来る?」
と稲木が嬉しそうに言う。
この時、稲木自身でもちょうしの良い奴だと思った。それぐらい傍から見たら明らかに態度が変わったように見えただろう。
少しテンションが下がって愛芽は
「ボウリング、行く」
と言った。
「じゃあ、日曜日の13時あそこのボウリング場集合でいいか?」
それに全員同意した。
「じゃあまた日曜日」
今日は部活もないため、俺(零)が帰ろうとした時、愛芽が
「零!連絡先交換しよ!」
と俺のところに来る。
「どうして急に?」
びっくりしたので、思ったことを口にする。
「いや〜今回みたいに遊ぶ時間とか連絡取れたら便利かなって」
「なるほどな」
そうして俺たちは連絡先を交換した。




