第13話 君の勘違い
「はい、そこまで」
パンッと手を叩いてそう言ったのは愛芽だった。
「愛芽さん!聞いてくれよ!こいつが大輔に!」
稲木はそう俺を指さして叫ぶ
「ちゃんと話聞いたの?事情を聞いたの?」
「いや、この状況を見れば!」
愛芽は大輔の方を向いて
「どうだったの?」
と聞く。
「稲木の勘違いだ。俺は自分から手伝って……その…」
頬をポリポリかく。
「……非力なのを強がって隠してた。」
顔を真っ赤にして言う。
「え?」
やっと話を聞く気になったのか稲木が反応する。
「本当に?」
こくりと大輔、俺、麦村さんが頷く。
「あなた、何か言うことは?」
愛芽が圧をかけて稲木に言う。
「ごめん……」
稲木は”下を向いて”謝る。
「いいよ、大輔のことを思って怒ったんだろう?いい友達だな」
俺はそう言う。
稲木視点
冷静に考えて見ると俺は最低だった。
(いや、違う。俺は愛芽さんに気に入られているあいつに”嫉妬”をして、大輔が非力なことを無理やり理由にしてあたっただけだ。)
これは、大輔に対してもとても失礼で友達などと言える奴ではなかった。
大輔にも謝ろう……
そう考えた、でも足と口は動かなかった。
怖かったんだ……友達でいられなくなるのが、、、
そうして考えているうちにその騒動は終わる。
零視点
愛芽に対して改めて
「ありがとうな、助けてくれて!」
そうお礼をする。
大輔の辞書を半分持った愛芽は
「いいわよ別に、次の授業のチャイム鳴っちゃうから早く運びましょ!」
そう笑顔で言う愛芽に同意して俺たち4人は辞書を運び出すことを再開する。
「あの、愛芽さん、ありがとうございました……」
前で愛芽と麦村さんは話し始める。
俺と大輔は後ろで2人、歩く。
「笑わないのか?俺が非力なことに」
大輔はひとつ俺に質問する。
「なんで笑うんだ?」
大輔は予想外の反応にびっくりする。
「だってこの見た目で非力なんだぞ?」
「でも、非力なのに頑張って手伝ってくれたんだろ?そんな良い奴をなんで笑うんだよ?」
大輔はふっと笑い、
(なんだよそれ、)
と思うのだった。
辞書を置く教室に着いて辞書を置くと、麦村さんが大輔と愛芽と俺に
「ありがとうございました。」とお礼を言って。
「では、次の授業のために」
そう言い、隣の棚にある、貸し出し用タブレットを約30台分を一人で持ち上げて廊下に歩いていく。
その光景を見た俺たち3人は目が点になる。
その後、大輔は100gのダンベルを買って筋トレを始めた。
その日の放課後
「愛芽……改めてあの時助けてくれてありがとう。」
俺は雨にお礼を言う。
「別にいいって…」
笑顔をいつもみたいに俺に見せる。
「……なんで怒ってたんだ?」
俺はふと聞く。明らかにあの時愛芽は怒っていた。
「……零は悪くないのになんで我慢するのかなって思って。」
愛芽は今は悲しそうに言う。
(あの時、私が止めなかったら零はあえて何も言い返さないでいざこざを終わらせていた……)愛芽はそう思い、零に聞く。
「…我慢はしてない。口を出せないぐらい俺が陰キャなのが悪いんだよ」
(いや、我慢している。きっと零も……)
「そっか。じゃあ部活に早く行こう!」
そうニコッと笑う愛芽について行く。




