「変わらない日々が崩れる」
親は両親とも大喧嘩中、毎晩いつもこんな感じで繁忙期になる程酷く醜く耐えられない。
私も半ばキレ気味で気分を晴らしに外に出ると家の近くでお姉ちゃんが壁を背にして空を眺めてた。
「月が綺麗ダネー」
声を掛けてやると弱々しく返してくる。
「うん」
「毎晩嫌だよねー二人してどっちも不倫してんだよ?」
お姉ちゃんは悲しそうに落ち込む。
「そう・・・なの?」
ヘラヘラ笑いながら返した。
「マジだって、私知ってるもん♪金とかキャリアとか世間体とかごちゃごちゃ言うクセに本当は二人共馬が合わないって分かってるクセにね、その間に産まれたのが私達なんだから」
もっと落ち込んだ。
「知らなかった」
「お姉ちゃん何も知らないもんね?友達いないし優等生だから無知なのは致命的だね☆」
お姉ちゃんは泣きそうになる、少しだけ胸が痛む。
「・・・もうすぐクリスマスなのに私等はまた二人きりになるね」
冬だってのに最近専ら晴が続いてロマンチックもクソもない背景に吐き捨てる。
どうせ親がいないんだからやりたい放題しようかな?
落ち込む姉にフランクに声を掛ける。
「クリスマスさ、お姉ちゃんが全部準備してくれるなら少しはマシなんだけどなー」
どうせ姉は妹を未だに思ってる、だから姉は振り向き朗らかに笑う。
「楽しみにしてくれる?」
チョロいよね?これが姉なんだから、誰かに必要とされないと生きる意志すらない無能、胸がデカくてエロい体型なのに彼氏なしだし。
体よく使ってやろうと思ったその時、お姉ちゃんから紙袋を渡された。
「は?」
中を見ると・・・そこには十万円入ってた。
「プレゼント代ね!余ったら好きに使いなさい」
ふざけんなよ・・・金沢山あるクセに・・・マジで苛つく。
「んじゃあ、クリスマスまで・・・耐えて・・・絶対損はさせないから」
姉に抗議しようとしたが取り付く島もない無い程蜻蛉返りした。
私は金を叩き付けた。
「違うじゃん・・・!!金なんか要らないのに!!畜生!!!」
私は・・・お姉ちゃんに愛してくれれば何処にでも付いていくのに・・・!ふざけんな・・・!!クソ姉が!!!
散々文句を言って私は目を赤く腫らしながらもベッドで泣いた。