表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
4/16

「反り合わない二人」

「おはよう」


「ん」


「今日は何時に帰るの?」


「私の勝手じゃん」


「そう、ならご飯は良いの?」


「死んでもいいなら」


「はぁ、分かった」


 姉妹の軋轢は一月経過する度にどんどん酷くなる。ずっと二人で啀み合い睨み合う、冷たい食事になっても収まることが無い。


「お姉ちゃんは何でバイトやってんの?」


「貴女に関係ないわ」


「彼氏でも欲しいの?」


「今は好きな人居ないわ」


「友達居ないもんね」


「・・・・・・」


 どうしてこうなってしまったのか、本当に私と妹は仲良く生活する日が来るのだろうか?


☆★☆★ ユイの一日


 少し知り合いに挨拶を交わして真面目に授業を受け、休み時間になれば欠かさず二人で暮らす為の金を計算する。


 低予算でどれまで凌げるか、妹に何処まで愛してあげられるのか私次第。


 クリスマスまで後少し、低予算で自作出来るものは何でも作る、美味しい料理だって沢山作る。


 そしてその日に謝るんだ。


 二人で暮らそう、私が妹を守ってあげるんだ。


 大丈夫、ユカリちゃんは耐えてくれる。


 ユカリちゃんは強い娘だから。


☆★☆★ ユカリの一日


「おはよユカリ、昨日も喧嘩したん?」


 朝になりやることも無いから学校に向かい、体育館の裏の溜まり場に着くと腐れ縁の友達に昨日の喧嘩についてドヤされる。


「あのクソ姉ホント使えないよ、見てるだけの優等生なんだよ」


「まぁまぁ、タバコ吸う?」


 紫陽花色の髪をした不良だけど話してて少し気が楽、未成年だけどタバコを吸うと少し気が楽になるんだ。


「いい、あのビッチ姉にドヤされる」


「ちょっと酷くない?」


「さっさと死ねばいいのにね?そしたらアイツの金盗れるのに・・・」


 姉を悪く言わないと気が済まない、どうせあの体型だ、淫乱ビッチでしょ?夜の仕事は多分そういう仕事だと面白いかも。


「お姉ちゃん、本当は大切にしたいんじゃね?」


 だがその不良は煩く悟ってきた。


「んなわけ無いよ、もうとっくに愛想尽きてるよ・・・じゃなかったら今頃お姉ちゃん大好きだもん」


 優しくて包み込んでくれるような慈愛の眼差し、何でもこなせて私の事を一番に想ってくれてたのに・・・歳は重ねる度に心が変わってしまったんだろうか。


 そんな下らない妄想に耽り、つまらない授業を聞き、また帰る。


 そして次の日になるまで両親と姉と喧嘩する。


 それが毎日のルーティン。 


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ