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鈍感力

《エピローグ》

 幸せな後日譚?

 大団円は迎えられましたか? んなもん、あるわけねーだろ。いい加減にしろ。


 戦略の方向性は正しかったと自負がある。されど、些かプランに積極性が欠けていたことは否定できまい。花の性格を考慮して、攻めのシーンを減らした采配はマズかった。告白イベントを振り返り、敗北フラグを折れなかったのは当然の流れだろう。


 指導力不足ですね、これは反省します。

 認めたくないものだな、若さゆえの過ちとは。

 閑話休題。


 まぁ、第1部の前半はこんなもんだろう。

 今回で第1部終了だと予想してたが、裕太の嫁になったヒロインがいない辺り、もうちょっとだけ正妻戦争は継続みたいである。


「卓ちゃん、私たちの戦いはこれからだよぉ~」

「敗北フラグの上に、打ち切りの兆しを盛るんじゃない」


 俺の部屋。ベッドに寝転び、花が脚をプランプランさせていた。


「私、気付いちゃったんだあ。これは、私たちの戦い……つまり、今度は卓ちゃんの恋を応援する番なんだよ!」

「え、何だって?」


 別に風は強くなかったが、裕太のラブコメウイルスに感染したかもしれない。

 俺の意を介さず、花はやる気に満ちた声援を送ってくる。


「ねぇ~、誰かいないの? マジでLOVEな子。私、10人中3人の縁結びに成功したことあるんだよお。だから、任せて」


 普通に、勝率が低かった。裕太と花には、絶対に相談しまいと誓った。


「ね、ね! いないの? いないの?」

「い、いないぞ」

「あー、この反応はいるなあ。でも……うーん、誰だろう? さっぱり分からない」


 花は、ムムムと考え込んでしまう。

 君、この前裕太にいろいろ聞いたよね?

 もう忘れたん? ぼく、すこぶる恥ずかしかったんじゃが。


「……ハア」


 なぜ俺の助力が徒労に終わったのか、卓は全てを悟った。


「このラブコメは、ほんと鈍感な奴ばかりだな」


 主人公の他に、もう一人無自覚なヒロインがいたんじゃ、モブがどれだけ奔走してもテンプレに支障はないとまとめざるを得なかった。


                                     <完>

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