その27
「あれっ、もう陽が射してる」
伊東が外の日差しを見て、素っ頓狂な声を上げて窓の方に近づいて行った。何気につばさも窓の外を見遣る。
「へえ~、やっぱゲリラ豪雨てこんな感じなんだ」
そう言いながら、相沢が伊東の隣で窓の外を覗いた。
「おい、もう結構時間経ってるんじゃないか?」
小声で伊東が囁く。
「そうだな・・・」
「あの子、全然様子、変わらないぞ」
そうつぶやくと、不意に振り向いて、伊東が唐突に尋ねた。
「あ~、つばさちゃん、なんか変なことない?」
「お前、ばか!」
慌てて相沢が伊東の言葉を遮った。
「えっ? 特に、別に何も・・・」
怪訝な顔でつばさが答える。
それを聞いて、急に相沢の態度が豹変した。
「ああ~、そう、じゃあ、もういっかぁ~~、めんどくせー」
それまでのやさし気な微笑みがが消え、表情のない能面のように生気がなくなった。
「おい、伊東、コイツ、ちょっと押さえてろ!」
「ごめんね、つばさちゃん!」
するりと伊東がつばさの背後に回り、素早く後ろから羽交い絞めにして押さえ付けた。
「えっ? なに?」
「ちょっとさぁ、つばさちゃんの裸の写真撮らせてくれる? 俺たちの言うことに逆らえないようにするのにさ」
「イヤだ、先輩、何言ってるんですか、冗談ですよね、やめてください…」
「そっちこそ何言ってんの~、本気だよ~」
そう言って、つばさが着ているシャツのボタンに手を掛けて外し始めた。
「やだ、やめて!」
「俺のこと好きなんでしょう? だったらいいじゃん」
ニヤリと薄気味悪く笑った。
手を押さえつけられて動けない。足だけバタつかせて抵抗するが、それも後ろから伊東の足で押さえられてしまった。
「いやあ! やめてぇ、お願い…」
身動きが取れず、怖すぎて、これ以上大きな声が出ない。涙が溢れてくる。
――ヤダ、ヤダ、死にたくない…。




