表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
19/31

その19


 サマーライブの後、相沢に誘われ、それに付いて行ったつばさが帰宅した。自室のドアを()けると、中でクピトが待っていた。制服姿の九尾堂結真の姿で。


「また勝手に人の部屋に入って!! もう、ママに見られてないでしょうね」

「すみません、お母さんが買い物に出掛けている間にちょっと」 

「まったく・・・。でも、それなら目立たないように、また前みたいに小さくなって来ればいいのに」

 後ろ手にドアを閉めながら言う。室内が涼しいと思ったら、クピトが(すで)に部屋のエアコンをつけていた。


「今は半分人間になっていますから、変化(へんげ)の能力は使えないのです。一度人間の姿になると、大体一ヵ月位は元に戻れません。――まあ、そんなことより、どうでしたあの後?」

「相沢先輩、とってもやさしかったわ。あんたなんかと違ってね」

 つばさがイヤミたっぷりと言った口調で答えた。


「そうですか・・・。あの、つばささん」

「なに?」

「あの、言いにくいことなんですが・・・」

「なによ?」

「相沢君にキューピッドの矢を使うのはやめたほうがよいかと…」


 つばさの顔に明らかな不快の表情が浮かんだ。

「はあ? なにそれ? いまさら。だいたい、あんたの方から言い出したことじゃない!」

「それはそうなんですが・・・。その、軽音部に入部してみてわかったんですが、どうも、そのあんまりいい噂を聞かなくて。相沢君に関して」

「どういうこと?」

「その・・・、有体(ありてい)に言ってしまえばですね、女癖が悪いというか…」

「あれだけモテる人だもん。そりゃ他の人にやっかまれて、いろいろ言われることもあるわよ」

「それはそうかもしれませんが・・・、そうじゃなくて、ですね・・・」

「ああ、そう、わかった。もういいわよ、あんたなんかに頼まなくても、今日だって先輩の方から声を掛けてくれたし・・・」

「あっ、だから、それは・・・」


「つばさぁ~、いるの~? ()けるわよ~」

 声がして部屋のドアがいきなり開いた。

「もう、ママ!! 急に入って来ないでよ!」

「なに? お客さん? なんだか、話し声が聞こえたから。 ――あら、まっ、ヤダ! 男の子だったの!!」


 そう言ってクピトの顔を一目見るなり、ぱっと表情が変わって明るくなった。

「お母さま、はじめまして。九尾堂結真と申します。先日つばささんと同じクラスに転校して来まして、大変お世話になっています」

 立ち上がったクピトがそう言って丁寧にお辞儀をする。

「まあ、なんて礼儀正しい。それに・・・。ちょっとつばさちゃん!」

 そう言ってつばさの腕を掴んで一緒に部屋の外に連れ出した。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ