表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

モノクロの世界

作者: 神代 彼岸

 授業中の先生のつまらない話、友達との中身のない会話、何度もクリアしたゲーム。

 僕には全てモノクロに見えた。以前ではちゃんと……世界は色で溢れていた筈なのに。

 つまらない、つまらない、つまらない。

 これは、彼女が転校してきて少しだけ変わりかけた、僕のモノクロの世界の話。


 ***


 あの日は雲一つ無い澄んだ色をした青空が広がっていた気がする。

 窓際だった僕の机には、太陽の光が差し込んでいた。

 窓を開けていなければ熱中症にでもなってしまいそうで。

 僕は机の上に出しっぱなしにしていた携帯を手に取り、目的も無く指を滑らせた。

 ……ああ、今日も1日がつまらない。

 そんなことを考えていると、ガラッと音がして先生が入ってきた。生徒達は意味の無い会話を止めて席につく。


「あー。ホームルーム始めんぞー」


 だるそうな先生の声を合図に、いつもと同じような学級委員の声。


「起立。……礼。着席」


 もう聞き飽きたそれに皆が従うと、先生は話し出した。


「連絡事項とかなんか色々あるけど、とりあえずまず今日は転入生を紹介しようか。……入れ」


 入ってきたのは小学生と間違えそうな身長の女子。

 此処は高校ですよ?と言いたくなるほど幼い顔立ちをした黒髪黒目の彼女は、教室をぐるっと見回して礼をした。

 そのへんの男子から、


「可愛い……」


 と、声が聞こえてきたりする。

 馬鹿だな、こういう子ほど性格悪いとかあるのに……。


「日野 紫と言います。よろしくお願いします」


 ああ、どうやらその心配はいらないかもしれない。

 まだ分かんないけど。

 ニコッと微笑んだ彼女に先生は言う。


「じゃあ席はあの場所な」


 指を指した場所は僕の右どなりで、先生は面倒見てやれよとぶっきらぼうに僕に向けて言った。

 彼女は僕の横を通り、ゆっくりとした動作で席につく。


「よろしくね」


 微笑まれて僕は礼を返す事しか出来ない。

 面倒見てやれとは先生も大分無茶を言う……。

 こちらをいまだニコニコ眺めてくる彼女と視線が合うのがなんだか嫌で、僕はひたすらチャイムが鳴り響くのを待った。


 ***


 昼休み、彼女の周りには輪が出来ていた。

 どうやら質問攻めにあっているようで、よく見てみるとだいたい男子。

 お前等そこまで彼女欲しいのか。


「ねぇねぇ、彼氏いるの?」

「好きなタイプは?」

「スリーサイズ教えて!」


 彼女は顔を真っ赤にして、


「えーっと……?」


 と、呟いている。

 僕は彼女からの助けてという視線にあえて気づかないフリをした。

 彼女を囲んでる男子の一人が彼女に聞く。


「ねぇ、何か知りたい事とか無いの? 俺等何でも答えるからさ!」

「え?」

「校内のこととか、サボり場所とか?」

「転校初日でそんなこと教えるクラスメイトとかないわー」

「穴場スポットなんだって!!」


 彼女はしばらく考えるとその男子に聞う。


「えっと……職員室の前の絵…大賞受賞作って書いてあった、海の人魚の絵は誰が書いたの?」


 僕はとっさに顔を背ける。

 あれは僕が一年の頃…、色が見えていた頃に描いたものだった。

 コンクールに出してから返ってこないと思ったらそんなとこに飾ってあったのか。


「ほら、そいつだよ」


 さっきの男子は僕の事を指差していた。僕が色々考えていることも知らないで。

 僕は目立つのが嫌だった。転入生に興味を持たれたくない。

 ……って、ああ……遅かった。


「ええ?! あなただったんですか?!」


 彼女は大げさなほど大きな声を上げる。

 僕は仕方なく彼女の方を向いた。

 彼女の目は僕に向けられとてもキラキラと輝いていて、逃げようと思っても逃げられないことを察した僕は、溜息を吐いて口を開く。

 とりあえず暴露したこいつは後で何かしらの制裁を加えてやろうと強く思った。


「そうだよ。……僕が一年の頃に描いたもの」

「スッゴイですね! というか、あなたが宮木 悠馬さんだったんですか……」


 彼女が僕の手をとってブンブンと振る。

 僕はされるがままになって。


「えっと……他の絵って無いんですか? 見せてくださいよ!」

「っつ……」

「どうしたんですか?」


 何も知らない遠慮のない一言に、僕は彼女の目から視線を外し目を伏せる。

 僕と彼女が話しているためか、面白くなさそうに男子共は別のグループへと混じりに行っていた。


「宮木さん?」

「……いんだよ」

「え?」

「色が見えないんだよ。もう、僕の目には……」

「病気……ですか?」


 首をかしげた彼女。

 僕はバッ!と彼女の手から自分の手を引き抜く。


「違う!! そうじゃない!!」


 大声で言ったため、皆が振り向いた。

 皆は一瞬こっちを見てすぐ会話に戻る。

 僕は彼女の目を見ずに続けた。


「僕は色が本当に見えなくなったんじゃない。描きたいものがモノクロにしか見えなくなったんだ」

「つまり……」

「ごたごた言ったけど、描けないんだよ、もう……」


 僕はぎゅっと拳を握る。


「絵の具を握ると怖くなる。もう……描きたいものすらない」

「何かあったからそんなになってしまったんですか?」

「……そうだけど、関係ないよ。日野さんには。……怒鳴ってごめん。でもこれ以上絵の話しないでくれないか。もうほっといてくれ」


 そっぽを向いて話を強制的に終わらせようとしたその時だった。

 彼女がバッ!と立ち上がる。


「この学校に美術部ありますよね?」

「? ……あるけど、部員僕一人だよ?」

「放課後部室に来てください」

「は?」


 僕が何言ってると言おうとすると、彼女は廊下へ走り出した。


「絶対、絶対、絶対ですよー!!」


 と、言い残して。


 ***


 -部活時刻-

 とりあえず言われた通りやって来た僕は部室の鍵をもらって一人キャンパス前の椅子に座っていた。

 真っ白なキャンパスは落ちかけた日が映って色が変わって見えて、嫌でも昔絵を描いていたころを思い出させてくれて。

 僕はぐるっと教室内を見回した。


「ここへ来るのも1ヶ月ぶりくらいなのか……」


 少し前は色が見えなくてもがむしゃらに描いていた。

 描いては破り、描いては破って。

 結局一枚も完成しないままに時間は過ぎて。

 ……ああ、彼女は来ないし気分が悪い。

 僕は帰ってしまおうと部室を出ようとした、その時のこと。


「まだいますか?! 帰っちゃダメです!!」


 ドアが内側にバッと開く。

 ドアの近くにいた僕にドアの角がゴッと当たった。


「ぐはっ!!」

「え?! 宮木さん?!」


 頭……というか額と鼻におもいっきりドアが当たってうずくまる僕。


「あっ! ごめんなさい! 大丈夫ですか?!」


 彼女が駆け寄って来てくれたが、僕は鼻から血を流している。


「……大丈夫、じゃない、かも?」

「ですよね?! 保健室ー!!」


 僕は急げ急げと騒ぐ彼女に引っ張られながら、保健室へ転がりこんだ。


 -10分後-

 鼻血が止まった僕に、彼女は部室で土下座していた。


「ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさいぃ~っ!」


 さっきからこれの繰り返しである。


「大丈夫、大丈夫」


 僕もこれを繰り返してはいるが。不意に彼女の顔が上がる。


「本当に大丈夫……なんですか?」

「ん?大丈夫だよ。そんなに大怪我じゃない」


 僕は一息ついて腰を上げる。


「ッ! どこいくんですか!」

「帰るんだよ。これ以上ここに居たくないし。」


 そう告げると彼女は僕の前、つまりドアの前に立ちふさがる。


「私がいるからですか?!」

「なんのことだ!!」

「ドアの事です!!」

「それはもういいからっ!!」

「とにかく、座ってください!」


 彼女は強引に僕の手を引いて座らせた。

 そして彼女が逆の椅子に座る。


「描いてください」

「え?」

「私を絵にしてください」

「何言ってんだよ」


 彼女は僕の目をじっと見る。

 耐えきれなかった僕が先に目をそらすと彼女は言った。


「先生に、部活の顧問の先生に聞きました」

「…………何を?」

「宮木さんが描けなくなったワケです」


 彼女はまだ目をそらす気配はない。

 僕も彼女も動かなかった。

 いや、僕は動けなかった。


「宮木さんが描けなくなったのは一年半前ですよね。その頃、お姉さんが亡くなった」

「……」

「お姉さんは最初、大賞をとったあの絵を描いていた。……完成間近まで描いたころ、お姉さんは外に出て事故に遭ってしまう」

「………めてくれ」

「最後の作品だからせめて賞には出したい、と空白を埋めるように続きをあなたが描いて、姉の名前で投稿したそれが大賞をとった。絶賛された。褒められたのは姉の描いた部分ではなく全て自分が手を付けたところだった。が、バレてしまい、姉の名は刻まれず、自分の名になってしまった」

「やめてくれっ!!」


 僕は大声で叫び、椅子から立ち上がった。

 彼女は僕と目線をあわせて続ける。


「宮木さんはお姉さんを失った悲しみと、絵が大賞をとったのに刻まれたのは自分の名前だということが原因で絵が描けなくなった」

「そうだよ! 悪いかよ!」

「誰も悪いなんていってない」

「大切な人がいなくなって、楽しいこともなくなって、色が見えなくなったんだ!!」


 目からポロポロと無意識に涙が零れる。


「ここで描いてたんだ! 紫織姉は!! 僕が…あの時買い出しに行くのを止めていたらっ!! 代わりに僕が行ってたら…!!」

「何も変わらない」

「ッ!」

「楽しいこと、私と探そ?色を取り戻そうよ」


 彼女は僕の手をとる。


「本当は絵を描きたいんでしょう?」

「僕は、僕は……」

「ちょっとずつでいいの。少しだけ、私の我儘に付き合ってくれない?」

「……初対面の人間によくそこまで出来るね」

「はは、私もそう思う。けど、君の力になりたいって思っちゃったから諦めて。私は頷いてくれるまでしつこいよ?」

「ああ、もう…」


 僕はその言葉に頷く。

 僕は止め金が外れたように泣き出した。


 -次の日-(部活時刻)

 僕が部室へ行くと、もう彼女はそこにいた。

 僕の席の反対側に座ってキャンパスに向かっている。

 僕が来たのに気づくと笑顔で手を振ってきた。


「っていうかココさぁ、部員以外立ち入り禁止なんだけど?」


 素朴な疑問をぶつけると、彼女はフッフッフ…と笑う。


「残念ながら部員でーす! 私は部室に絶対来てと言ったあの時、部活入部の紙を持っていったのでしたー!!」


 僕はたいして返事もせず、いつもの席へ座りキャンパスに向かう。


「え? 無視?」

「テンション高い。」


 僕は少し立ち直ったとはいえ、やっぱりまだ絵の具に触れるのは怖い。

 今日は鉛筆で、モノクロで描くことにした。

 キャンパスに向き直る彼女。

 僕はその後ろ姿をキャンパスに描き始めた。


「日野さん。一ミリもそっから動かないで。後ろ向かないで」

「一ミリも動かないのは無理じゃないです?」

「そりゃそうだ」


 その言葉を最後に美術室にはしゃっしゃっと絵を描く音だけが響く。

 一時間程で絵は完成した。


「もういいよ」

「見ていい?」

「ああ」


 彼女は後ろを向いて僕のキャンパスを覗きこむ。

 モノクロで色がついていない彼女の後ろ姿。


「上手だなー。早く色を取り戻してよ。楽しみにしてるから」


 彼女はそれを見てはにかむ。

 僕はこのまま行けば、彼女といたら、何故だか色が戻る気がした。

 根拠は無いけれど。


 僕は毎日、毎日部室に来た。

 彼女と居ることが、とても楽しかった。

 そして次第に絵の具に触れることが怖くなくなった。


 今、描きたいものがある。


 僕を救ってくれた、天使のような彼女。

 天へ飛ぶ天使のような自由な彼女を最初にカラーで描きたい。


「日野さん」

「何ー?」

「僕、描くよ。……出来るかは、分からないけれど。もう一度、色で――」


 ある日そうぶっきらぼうに告げると、彼女はバッとキャンパスを離れ、僕に抱きついてきた。


「うわっ!」

「本当?! 本当?!」

「本当だよ。」


 抱きつかれて椅子から転げ落ちた僕ら。

 身体中が痛いけれど、嬉しいから何も気にならない。

 彼女は涙目になって言った。


「私にその絵を最初に見せて。私、役に立ててよかったっ!!」

「うん、わかってる」


 それぞれの作業に戻っていく。

 僕は改めてキャンパスに向かった。

 真っ白なキャンパスに僕はあのときのように、自由に描けていた頃の様に手を伸ばした。


 -数日後-

 彼女が学校に来なかった。

 皆が心配している。

 僕の隣が空席なのは久しぶりだ。

 僕はそれでも部室に向かう。


「さぁ、始めよう。」


 何ヵ月ぶりかの絵の具。

 筆を持った感覚が懐かしい。

 一手一手大切に塗り重ねていく。

 絵に命が灯っていった。

 空の澄んだ青。

 彼女に生えた純白の翼。

 一つ一つが美しいと思う。

 自画自賛だろうか。

 一人でいた三時間。

 やっとのことで天へ飛ぶ天使のような彼女、日野 紫をモチーフにした絵が出来上がった。


「明日、日野さんびっくりするだろうなぁ」


 見せるとき、伝えねばならないこともある。

 僕は絵に布をかけて部室を出た。


 -次の日-

 今日も彼女は来なかった。

 先生に理由を聞いても電話が繋がらないらしい。

 彼女は独り暮らしと聞いていた。

 風邪かなと思い、僕はたいして気にせず、その日は久々に部室に向かわなかった。


 -また次の日-

 最悪の連絡が回る。

 日野 紫が死んだらしいと。

 HRでいきなり伝えられた事実。

 僕は先生に向かって叫んでいた。


「どーゆーことですか!! 日野さんがっ……日野さんが死んだなんて!」

「一昨日、交通事故でなくなったらしい。轢き逃げにあったらしく……」

「っ!!」


 僕が浮かれて絵を描いていたあの頃……?


「また、なのかよ。また、僕は……姉さんに続けて日野さんまでっ!」


 僕はバンッとドアを開けて教室を飛び出した。

 背中に先生の止める声が聞こえた気がしたけれど止められない。

 何故か僕の足は自然と部室に向かった。


「なんで、また、ここにくるんだろうな……」


 姉さんが死んだと聞いたときもここにいた記憶がある。

 乱暴にドアを開けて、日の光が差し込む美術室へ。


「日野さんが死んだとき、僕はこんな絵を描いていた……。」


 布越しに僕は絵に触れる。


「色を取り戻せた? ふざけんなっ!! ……彼女がいなきゃ、また失うだけだろ……」


 目の奥があつくなって、一筋の涙が溢れた。

 涙は絵にかけていた布にジワッと染み込んでいく。


「彼女に伝えられなかった……これを、見せられなかった……」


 僕は椅子に崩れるように座った。

 せきを切ったように涙は止まらない。

 そのとき、どこからか声がした。


『……木さん』

「…………え?」

『宮木さん』


 声のした方に僕は振り向く。

 いつも彼女がいる場所、僕のいるところの反対に彼女はたっていた。

 本物ではない。

 透けている。

 幻かと思った。


『霊になったんだ。ちょっとこの世に未練があって……』

「っ!!」


 幽霊でも、また会えたことに僕は言葉が出ない。


『夢じゃないよっ? 宮木さん?』


 彼女はそう言って、いつものように笑う。

 さっきより大粒の涙が頬を伝った。


「未練って……なに?」


 涙を流しながら聞くと、彼女は微笑んで僕の絵を指差す。


『言ったでしょ? 最初にその絵を見るって』

「うん」

『……見せて、くれる……? それが私の未練なの』


 僕は彼女の前にキャンバスを持っていく。

 涙の染み込んでしまった布をバサッと取り払った。


『っ! これが……これが宮木 悠馬の新作……?』

「うん」


 彼女は手で自分の顔を覆った。

 光の粒のような涙が溢れ、地につく前に消える。


『これっ、私……?』

「うん。僕には日野さんが、こう見えたんだ」

「嬉しい……っ!!」


 彼女は僕にあのときのように抱きついてくれる。

 触った感覚があるのに体温が感じられないのが悲しかった。


『1つだけ、お願いがあるんだ』

「何?」

『私に、その絵の題名をつけさせてくれない?』


 僕は間を置かずに頷く。

 僕を見て笑い泣きする彼女。

 彼女は僕から離れて、手を前に会わせ、祈るように言った。


『この絵は……"天使の願い"……私の願い。あはは、見たまんまだけど』

「天使の、願い……」

「ありがと。ちゃんと君にも羽根があるから。立ち止まらないで飛んで? 世界は案外綺麗な物でしょう?」


 彼女の体が光り出す。

 僕は彼女に手を伸ばした、が、さっき触れられたのに、今はもう触れられない。


「え?」

『もう未練はないわ。ありがと。宮木さん』

「ま、まってよ。いかないでくれっ!! 君まで、いなくなったら……僕は、僕はっ!!」


 彼女は微笑む。


『大丈夫っ! ……色は取り戻せたでしょう?』

「君が消えたらまたっ、また失ってしまう……」


 僕は膝から崩れ落ちた。

 涙が膝にポタポタと溢れる。

 僕は彼女に叫んだ。


「好きなんだよっ!! 紫のことが好きなんだ!! ……行かないでくれっ……」


 僕はもう一度手を伸ばす。

 もう彼女の体半分は光となって消えていた。


『私も好きだったよ。初めてあったあの日から。一目惚れだよもう。絵にもだけど、それだけじゃなくって。じゃなきゃあんな世話やかないよ。』

「紫っ!!」

『ごめんね。ありがとう。………………バイバイ、悠馬』


 消えてしまった。

 また、僕しかいない美術室。


 僕の泣き声が響いた。


 ***


 -3ヶ月後-

 僕はあの絵を彼女がつけた題名で提出した。

 結果は見事大賞。

 いまだに傷は癒えない。

 また、やっぱり色が見えなくなってしまった。

 彼女がいてくれたからあれは描けたのだと改めて思う。


 つまらない世界。


 色のない世界。


 彼女のいない世界。


 そうここは………………モノクロの世界。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ