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大人なのか、子供なのか
文学少女が自分と共にすごしている時間、
彼女にとって幸せなことなのかどうかもよく解らない。
お互いの人生がうまくいくように、
お互いがお互いのことを祈っていることは確かなようだ。
時に、文学少女は極端な性質を持つ少年の運命に引っ張られ、
叫びたいくらい!幸せな瞬間も、倒れるほどの孤独も経験したはずだった。
極端な性質を理解した上で、励ましの声をかけ続けた。
自問自答の日々の中で、
『自分を大切にして生きる』
ただ、それだけでいいんだと文学少女は教えてくれた。
今、少年の目の前に広がるのはフランス映画のような現実。
眼を閉じた瞬間や波動が下がった瞬間に沸き起こるスピリチャルな世界。
そして、現実社会から隔離された異質な空間があるというバーチャルのような現実。
大人なのか、子供なのか、良く解らないし、
白なのか、黒なのか、好きか嫌いかすらも曖昧とした世界観。
『あのさ。桜??アメ??』
『うん。』
『ひとつ、もらえるかなぁ??』