幼き日の回想
自分の背よりもおおきなものさしに魅かれ、
これを使うことにしたのだが、、、
おおきすぎてダメだし、みじかいものさしを手にした。
父はビール瓶を開けるようなしぐさをして『こんな感じ』と言う。
『温めてみたら??』とおばぁちゃんが言うので、
コタツでカンカンを温めてものさしでチャレンジ。
(このカンカンは誰にもあけられない)と、
『あけてください。』と、すなおにおねがいをした。
~筋肉モリモリの父が迫真の演技で開けられない事をアピール。~
~母もニコニコしてチャレンジ。あかない。おばぁちゃんもあけられない。~
『おおきいおばぁちゃんにあけてもらいなさい。』と父は言う。
(だれにもあけられないや。このカンカン。)
ねたきりのおおきいおばぁちゃんにカンカンを渡す。
なんとびっくり!!ちからがなさそうなおおきいおばぁちゃん。
いともかんたんに~ぱこっ。~っとあけてしまったからびっくり。
『食べ過ぎちゃだめだよ??一日3粒。今日は寝る前だから一粒ね。』
(まほう??このおばぁちゃんはまほうのてをもってる。)
~うん。~とうなずき、飴玉をもらうとうれしくてうれしくて。
おおきなおばぁちゃんのまわりを、
なんかいも、なんかいも、ぐるぐるとはしってまわった。
~少年は幼き日の自分を鮮明に思い出す。~