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桜の風纏い香りの園にて
『桜あめ、どうぞ。』
春らしい言葉に安心しきった表情を浮かべる少年。
少年が現実的な夢を語りだすと、
文学少女は一時の安らぎを得る。
『非』日常の世界を体験したら、
イマジネーションの海へダイブ。
ユートピア的な世界観を持つ、
少年はリアルに夢を見ている。
しかし、
多くの矛盾を感じながら、
心では自問自答を繰り返す。
『桜あめ、、、要らない。』
少年は精一杯の強がりを言ってみた。
弱い心をひた隠しにして生きているのだ。
心が震えるたびに溢れ出る涙の味ならば、
一生分味わったのだから涙も枯れ果てた。
文学少女は優しく問う。
『あめは好きじゃないのかな??』と少年に問う。