決戦ヴェノムンチュラ
やはり、ヴェノムンチュラであった。
トミーはスコープを使い400m先の景色をみていた。そしてマールは
『このデカイ反応がおそらく親ね!
私達を狙ってるわね。だんだんと
ちかづいてきてるもの。
でどうするのトミー?私に作戦
があるんだけど…。』
とニヤリとするマールがいた。
トミーはうーんと悩みながら
とりあえず聞くことにした。
『作戦??いいよ。俺はまだ戦闘
になれてないからマールの作戦を是非とも聞いてみたいね。』
マールは待ってましたとしゃべりだす
『いい!時間がないから手短にいうわよ。…かくかくしかじか…
という作戦よ!』
『えっ??でもそれだと…』
不安がるトミー
『大丈夫よ!!私を信じなさい!』
相変わらず自信満々である。マールの顔をみてトミーは思い出す。前の世界の仕事場で上司だった女性の事を
その上司は悪い人ではない。仕事に
対して一生懸命だったのだが、その
上司のいう通りに仕事をしていると
ほぼサービス残業をさせられるので
あった。俺は何度か、ここはこうした方が良いと提案したが、返って
くる言葉は決まって【大丈夫よ!
私を信じなさい。】であった。
だが、マールがそれにあてはまるか
わからないのでトミーは従う事に
した。信じてみようと。
『わかった!マールの作戦でやってみよう!』
…後100m
『よし!トミー始めるわよ
光学迷彩!!』
言葉とともにマールが見えなくなった
◯レデターで有名なあれである。
そうマールは光学迷彩で姿を消し、
なおかつ上空から魔法で攻撃すると
いう手段をとった。
トミーは光学迷彩を使うことをゆるされなかった。そう、囮である。
トミーを敵に集中させてマールが
死角から攻撃するという素晴らしい
作戦である。トミーはふと、俺も光学迷彩使えばいいんじゃない、と
思ったがそれはマールが許さなかった。
…後50m
『ドリルアーマー!!』
トミーの周辺の土が身体にまとわりついて硬質化していく固さは
岩のようである。そしてトゲの
様な形に変化していく。全身ギザギザでトゲは螺旋状になり、無数の
ドリルがくっついている。
まるでハリセンボンの針がドリルに
変わったみたいに。
その時、まわりの草がガサガサしはじめ、それは姿を現した。
そうヴェノムンチュラである。
LV15
種族 ヴェノムンチュラ
HP 200/200
MP 100/150
攻撃力 135
防御力 150
素早さ 75
ヴェノムンチュラはトミーを見つけるが、攻撃をしかけてこない。
まるで何かを待っているかのようだ。
きっと仲間と一斉に攻撃するつもりだなと思い。トミーは足元に毒を
作り出す。水溜まりのように、
すると、あちらこちらから物音がし、
他のヴェノムンチュラも姿をあらわす。そして最後に親のヴェノムンチュラも姿を現す。
えっ?でかくない?と、トミーは
親のヴェノムンチュラを凝視する。
子供が手のひらサイズなのに親は
高さ2mはあろうかという大きさだった。
LV45
種族 ヴェノムンチュラ
HP 800/800
MP 250/350
攻撃力 355
防御力 265
素早さ 250
うわっ!レッドボアより強い!
やばっ!と思っていると、
子供のヴェノムンチュラがシャーッと威嚇をしてくる。
俺も負けじとドリルアーマーについてるドリルを回転させて、ウィーンと
威嚇音をだす。
『マール!くるよ!敵は恐らく
小手調べで子供のヴェノムンチュラがくるはずだ!』
『オッケー!任しときなさい!
賢者マール様の新たな力にひれ伏すがいいわっ!』
賢者??まぁ今は、突っ込むのは
やめとこう。と思っていると、
『うわっ!!』
ヴェノムンチュラ達は口から糸を伸ば
ように吐き出して俺のドリルアーマーにつけてきた。ベタベタっと
糸が貼り付いてくる、次の瞬間、
まるでゴムパッチンの様に糸を
回収しながら凄いスピードでトミー
に向かって吸い寄せられる様に
飛んで来た。
『くっ!ポイズンハンド!』
トミーの足元にある毒溜まりから
無数の手が現れヴェノムンチュラ達
に襲いかかり抑えつける。
ヴェノムンチュラ達は一瞬動きを止めるが、すぐにポイズンハンドから抜け出し、トミーに張り付いてきた。
『くそ!こいつら毒が効かない!』
どうやら毒耐性持ちのようだ。瞬間
『サンダーバード1号!!』
マールがそう叫ぶとトミーの真上に
プテラノドンみたいな鳥の形をした
雷が出現しトミーにまとわりついた
ヴェノムンチュラめがけておちてきた。
ギィギィとヴェノムンチュラ達の悲鳴が聞こえる。どうやら効果抜群の
様だ。トミーも負けじと…
『アババババッ!!』
悲鳴をあげていた。
一緒に感電していた。どうやら
トミーにも効果抜群の様だ。
おかげでトミーに張り付いていた
ヴェノムンチュラがポロポロと
剥がれ落ちていった。
『ミミミミキサー!』
トミーはろれつが上手くまわらず
魔法を発動した。
すると、地面に落ちて感電している
ヴェノムンチュラ約15匹程、全て
にミキサーが発動した。
『ふぇっ??』
トミーもびっくりである。ろれつが
まわらず、ミミミと唱えてしまった
ミキサーが複数と勘違いしたのか
近くにいるヴェノムンチュラ全て
に発動したのだから。
災い転じて福となす。
そのまんまであった。
『複数に発動するにはこうすれば
いいのか!』
新たな発見であった。だがミキサーの音が凄すぎる。工事中の騒音の様で
離れて待機してるヴェノムンチュラ
も、わたわたとしている。
一つまた一つとミキサーが消滅していくと粉砕されたヴェノムンチュラの
残骸が残されていた。すると、
『トミー!!今度はこちらから
いくわよ!』
マールの指令が飛ぶ。トミーは頷くと
静かに自分にハイヒールをかけて
HPを回復する。いざとなったら
自分ごとやられると思い。
トミーは親のヴェノムンチュラめがけて走った。だが、ドリルアーマーを
着ているのでスピードは、でない。
ヴェノムンチュラ達が、わたわたして
いる隙に攻撃したかったが、
トミーが親のヴェノムンチュラの
所に到着したころには、残りの
子供ヴェノムンチュラまで、集まっ
ていた。すると上空から
『フン!丁度いいわ!まとめてやるわよ!ファイアーウェイブ!!』
瞬間、トミーの前に炎が出現し、まるで津波のようにヴェノムンチュラへと襲いかかる。一方、ヴェノムンチュラ達も糸を吐いて応戦してくるが、全て炎の波にかきけされてしまった。そしてヴェノムンチュラ達
は炎の波にのまれてしまった。
その後には、燃え盛るヴェノムンチュラ達がいた。
『よし!止めは任せろ!
ドドドリル!』
するとトミーのドリルアーマーから
無数のドリルが高速回転しながら
飛び出しヴェノムンチュラ達に
突き刺さった!崩れ落ちていく
ヴェノムンチュラ達。
『よし!残るはお前だけだ!』
と、なんとか耐えていた親のヴェノムンチュラに向けて突進する。
ヴェノムンチュラは、糸を放射状
に吐き出す。クモの巣の様に広がり
トミーをとらえる。
だが、トミーは勢いそのまま
クモの巣ごと攻撃する。
『これで終わりだ~!くらえぃ
我が金色の拳を!
フェアリーゴールデンボンバー!』
光った!今回は間違いなく光った。
トミーの拳が金色に輝き、最後の
一体、親ヴェノムンチュラに突き刺ささり、その体を貫通した。
ドゴォンと破壊音が森にこだました
後に残ったのは静寂な森であった
はずであった…。
ヴェノムンチュラ達は全滅!
したのだが、マールの放った
ファイアーウェイブにより森林火災
が発生していた。
『マ!マ!マール!火事になってる
よ!早く消さないと森が消えて
しまう。』
『きゃあ!ヤバい!ヤバい!
水よ水!!』
その後、なんとか火を消し止めて
安堵の息を吐く1人と1匹であった