異世界 2日目
空が白んできて陽が少しずつ顔をだしてくる。異世界2日目がはじまる。
『ふわぁぁっ!痛てっ!
…あ~そういや、木の上でねたんだった。変な体勢で寝たから腰が
痛いや。』
昨日、木に登った際二股に別れた所に跨がり気を抱きしめるように眠っていた。コアラが木にしがみついてる
様な格好である。
トミーは両腕を高くあげ伸びをする。
ぐぅぅっと腹の虫が騒ぐ。
『あ~そういや飯なんも食ってないもんな。池で顔でも洗ってから朝飯でも探すかぁ』
眠たい目をこすり、木から落下しないように慎重に降りていか地面に着地
し、池へと向かう。
池がみえてきた時、昨日と違う事にきづいた。
『あれ~?なんか浮いてるなぁ。』
そう池の水面に何かが浮いていた。
『ここからじゃぁはっきりみえいな
まぁいけばわかるか。』
特に警戒する訳でもなく池との距離を
縮めていく。すると池の水面におびただしい数の何かが浮いてるのが
見えた。
『うわっ!!すごいなぁ!
これ全部魚だぁ。どんだけあんだろ1000匹くらいいるのかなぁ。』
その数およそ1000匹程の魚が死に絶えて水面に、ぷかぁっと浮いていた。
『いったい何があったんだろう?』
と不思議に思いながら水面に浮かんだ魚を拾いまじまじと観察する。
見た目はピラニアの様な姿をしていた。
LV7
種族 キメラフィッシュ
HP 0/70
MP 0/40
攻撃力 25
防御力 30
素早さ 120
状態…毒
『うわっまた毒じゃん!
ん~んっ?…ん~まさかな?』
まさか昨日のデトックスで排出した毒じゃないよなぁ額に冷や汗をかく。
『きっと違うさっ。とりあえずこの魚を食べれる様に毒を取り除かなきゃなぁ!でもデトックスだと
ちょっと心配だなぁ。
魔法創造でなんかいいのあるかな?』
トミー
LV28
種族 海人
HP 350/350
MP 400/400
攻撃力 165
防御力 210
素早さ 17
スキル
エラ呼吸
加護
猫神…言語翻訳、魔法創造、
毒神…毒耐性、毒使役、毒生成
状態…
トミーはステータスを閉じて目をつぶる。…心よ落ち着けと自己暗示をかけて。そして覚悟を決めてステータスを開く。
『うわぁ!!めっちゃLVあがってるし、何か変な加護ついてるし、
なんだよっ!毒神って!』
と騒いでいると ピロリんと音がした
またメールだなとメールをあける。
【初めましてトミーさん!!
ポイズンレディーのメリーともうします。一応毒神なんてのをやらせて
もらってます。いやぁ昨日は、
とても良い物をみさせて頂きました。おかげで夜更かししちゃったから、今も眠いんですけどねっw
じわじわと死んでいく様子を
眺めていたら朝になってました。
あそこまでの大量虐殺をみたのは
久しぶりです。
そんなトミーさんに感謝感激です。
ささやかなお礼に私の加護をつけときました。
これからもどうぞよろしくね!】
『うわぁ!!なんかヤバいのが
きたなぁ。
ただこのスキルは使えるっ!
とりあえず終わった事はしょうがない。、後始末しないとな。』
大量虐殺と言われても相手が魚で魔物だったので特に悪びれる事もなく
後始末をする事にした。
『この大量の魚を集めるとこからか…。ん~この毒使役っていうのが
使えるな。』
トミーは池へと両手をかざして
毒使役を使用する。
『毒使役!!
お前たちの宿っている
宿主を連れて俺の所へこい。』
すると、水面に浮いていた魚たちが、ピクピクと震えだした。
次の瞬間、まるで生き返ったかの
様に動きだしトミーの元へと約1000
匹の魚が集まりだした。
『うほ~!圧巻だねぇ!
これは凄い!!よしっ次はっと
毒よっ!宿主からでてきて一かたまりになれ。』
トミーの元へと集まった魚から紫色のモヤモヤがでてきて一かたまりに
なっていく。そこへ手をかざすと
『毒よっ!消えろ!』
何の反応も起きなかった。
『くそ~!!やっぱり消えないかぁ。どうするかな~?』
毒神の加護を使えば消せるかもと
やってみたが上手くいかず、作戦を
改めなおす。
『毒生成は毒を作るだしなぁ…
保管はどうかな?』
そういうなり、魔法創造をひらき
最適な魔法を考える。
【ダイソンを覚えました。】
『良し、これでいけるな!
ダイソン!』
トミーが叫ぶと目の前に黒い渦が
あらわれた。渦はぐるぐると高速回転
して毒を吸い込んでしまった。
一瞬の出来事であった。
『おほ~強烈だな~!
残るは魚かぁ。』
ん~と考え込み思案していると、
山積みになっている魚の中から
半魚人みたいのがはいでてきた。
『ぎゃぁぁぁぁっ!!』
突然の出来事にビックリして思わず
叫んでしまったが深呼吸をして冷静
さを取り戻し改めて向き直る。
LV20
種族 ニューハーフ
HP 8/200
MP 3/250
攻撃力 115
防御力 130
素早さ 140
『瀕死じゃないかっ!ってか良く生きてたなぁ。…。』
ニューハーフってと思いながら突っ込んだら負けだなと思い。そっと心の
奥にしまいこむ。すると半魚人が
こちらに気付きしゃべりだした。
『戦闘の意思はない。
す…すまぬが助けてはくれまいか?もし助けて頂けるなら
相応の礼をさせて頂く。』
う~んと考え込み、回復してやることにした。もし戦闘になったとしても
今なら勝てるであろうという結論に
至ったからである。
『ヒール…ヒール…ヒール…ヒール!
ふぅ、これで大丈夫かな?』
回復魔法も大幅に回復できるのを作らないとなと思いつつ半魚人と向き合 う。
ぐぎゅるるるぅぅ
腹の音が大合唱していた……。