一段落
バキバキ‥ドーンと音をたて木が倒れて
いく。その様子をポカンと口を開けて見ていたトミー達
そしてその犯人である、ニャントスはとても機嫌が良さそうにこちらを振り向き
『マスターありがとうございますにゃ!我輩はこの新しい力になれる為に少しの間、森に入ってきますにゃ!』
トミーは、はっと我に返り
『あ、あぁっあんまり遠くにいくんじゃないよ。それと人間と出会っても殺さない様にね!』
ニャントスは深く頷くと
『分かったにゃ!ではいってくるにゃ!その間キャッツの猫達を宜しくにゃ!』
と、言い残しニャントスは森へと消えていった‥。
トミーが周りを見ると未だに呆然としているモーテル、パイン、マール
がいた。
『さぁ皆!寝る準備をしようね!』
と、そそくさとその場から離れようと
したトミーであったが、モーテルに
肩を鷲掴みにされ
『あんた‥あれは何だい?久しぶりに
背筋にゾワッと冷たいものをかんじたよ。とんでもないね‥』
重々しくモーテルは口ずさむ
『間違いなくA級はいくだろうね。
あれがあんたの仲間じゃなかったら、とんでもない事になっているだろうね。あんな怪物は10年前に見て以来だね。』
ふ~っと深いため息をつきながらモーテルが話すと、その横でパインが真っ青な顔をしながら頷き
『は‥はじめてみました‥‥。』
と小刻みに震えていた。
一方マールは目を輝かせていた。
『フッフッフ!トミー!あんたには
散々驚かされてきたけど今回のは
ヤバいわね。まさかこんな事になるなんてね‥‥そしてそんなあんたと契約してるアタシ‥‥キャー❗
大正解だったわね。あっ!!』
と考えこみだしたマール、いきなり
ブツブツと呟き始めあーでもない
こーでもないといっている。
トミーは呆れながら声をかける
『マール?また1人の世界にいっちゃってるよ!どうしたの?』
マールは思い詰めた顔でトミーを見て『アタシの手下の事よ!
ほら!トミーが作ってくれるって言ってたやつ。まだ決まって
ないなって思ってね!』
『あぁ‥あれね~w‥まぁそれは後に
しなよ!どっちにしろ魔物の資料
がないと話しになんないんだから
それよりモーテルさん!A級って
なんですか?』
モーテルは思い出したように
『あぁ‥あんたは何も知らないんだったね‥その辺の事も話さないと
いけないね。とりあえず飯でも
食べながら話そうか。
ほらっパイン!ボーッとしてないで
動きな!』
モーテルの言葉に反応してパインは
目が覚めたようにうごきだした。
それぞれの食糧を持ちより食事がはじまった。モーテル達は、干し肉と
硬いパン。トミー達はいつもの干物
と干物をミキサーで擂り潰して保存
しておいた固まりを棒状にととのえて焼いていった。ちくわに似たよう な出来映えだ。
モーテルとパインはトミーがまた変な事してるなと、チラチラとみている
だが、そのうち諦めたのか
『さて、あんたの作ってるのも気になる所だけど話しを先にしようか ね。』
と、干し肉にかぶりつきながら話し始めた。
『まぁその前に改めて自己紹介をさせてもらうよ!あたしの名前は
スロバキー.モーテル。イグニス王国で青魔導団の団長をしているよ。こ れでも二つ名持ちでね
暴風のモーテルと呼ばれているのさ!』
鼻息荒くエッヘンと胸を張るモーテル
『それでこっちが孫の、スロバキーパイン魔導士見習いで魔法院生さ!落第寸前だけどね。今の時期は魔法院も休みなもんであたしの所で修行させてるのさ!』
パインは落第寸前といわれ苦笑いを
しながら
『ハハッ‥おばぁさまもキツイ言い方
ですねぇ‥まぁ間違ってはないですが‥』
と左手で後頭部をかきながら答える。
『改めまして!スロバキーパインと
申します。イグニス魔法院の二年生です。14歳です。宜しくお願いします。』
とぺこりと頭を下げた。
トミーも思わず頭を下げ
『あぁこちらこそ宜しくお願いします。俺はトミー、一応海人族って
種族です。』
トミーの自己紹介が終わると、待ってましたとマールがパタパタと飛んでき てトミーの頭上に着地した。
『とぅっ!アタシはマール!妖精族
よ。トミーとは森の中で出会ったのよ。契約者でもあるわね!まさに
一心同体ってやつ。』
こちらもフンスと鼻息荒く答える。
誰とはりあってるんだがと苦笑いの
トミーであった。