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異世界転生 海人になる。  作者: トミトミ
16/17

一休憩

トミーの顔は赤く腫れ上がって

 いた。そうマールの打撃コンボを

 無抵抗で受けていたのだ。

『まったく!どうしようもないわね!危うく川を渡る所だったわよ!』

少しは気が済んだのかトミーへの折檻

 を止めて話し出す。その横に苦笑い

 のモーテルがいた。

『にしてもたまげたねぇ。あんな一瞬で風強化魔法を創るとはねぇ…

 アタシは15年かかったっていうのに…』

と自身の卵を見ながら少し落胆気味であった。マールはモーテルに向き直り

『まっ!そこに関してはアタシも同感だわ!…利用させてはもらってるけど…。』

声の大きさが後半小さくなってモーテルにはよく聞こえなかった。

 トミーは話題を変えようと

『そういえばレイビスさんは王都まで兵士の方を呼びにいったんです

 よね?どのくらいかかるんですか?』

『そうさねぇ…普通に歩いたら2日かかるけど、あの速さなら今日中には王都につくさね!そこから早馬で向かってきてだから……明日の昼頃にはここに着くはずだよ!』

意外と王都は近いのだなとトミーは

 考え、

『それでは…王都から応援がくるまではこの場に留まるということ

 ですかね?今夜は野宿で?』 

辺りは日が落ち始め、薄暗くなっていた。モーテルは小さく頷き

『あぁそうなるかね。アタシとパイン二人でウッズ達の見張りを交代

 でしなきゃならないね!』

とウッズ達と盗賊を見渡しトミーに

 向き直るモーテル

『それで二人はこれからどうするんだい?こんな暗くなっちまったら移動するのも大変だろ?もし急ぐ旅

 じゃなかったら明日の昼頃まで

 こいつらを見張るのを手伝って

 もらえんかね?!勿論、相応の礼

 はするさね!どうだいお二人さん?』

トミーとマールは目を合わせ

『マールはどう?俺としては明日まで付き合ってもいいと思ってるけど…』

『そうねぇ…今から移動したってしょうがないしねっ。まっ!恩を売っておきましょっ!!』

マールとトミーの話しを聞いていた

 パインは喜び

『ホントですかっ?助かりますっ!

 正直この人数ですからね。二人では心細かったんですよ。』

と無邪気な笑顔ではしゃいだ。その

 様子をみてモーテルは

『なんだいパイン!!アタシじゃ頼りないっていうのかい?』

と少し怒った顔になる。パインは

 しまった!と笑顔から一転慌てた

 顔になり

『ち…ちがいますよ!おばぁ様は頼りになります。問題は私の方で…』

と下を向き黙ってしまった。モーテル

 はため息をつき

『はぁまったく!どうせ自分が居眠りするとでも言いたげだねぇ…

 確かにそれじゃ危ないねぇ…』

と呆れた顔をしてトミーとマールに

 向き直り、

『聞いての通りパインはねぇ居眠りが酷くてね。王都の魔法院でも勉強中に居眠りしちまう始末で、ほとほと困っていたんだ。それでアタシにどうにかしてくれ!と、このままでは落第してしまうとパインの両親に頼まれてなんだかんだと引き受 けて今って訳なんだよ。だから

 アンタ達がいてくれてよかったよ。』


へぇ…この世界にも学校みたいのが

 あるんだと感心する一方でパイン

 を見ながら、こんな女の子もいたなぁと懐かしむトミー。

 パインは下を向いたまま真っ赤に

 なっていた。するとモーテルが

『よし!じゃあ野営の準備をしようじゃないか!アタシとパインは馬車の中で寝るけどあんた達はどうす るね?後、見張りの順番かねぇ。』

トミーは、あーと空を見上げた後、

 モーテルに向き直り

『あの~俺達はテントがあるので

 大丈夫ですよ。あと、見張りなんですけど俺に任せてもらえません   か?』

モーテルとパインは不思議そうな顔で


『そりゃあ有難いけど、さすがに1人じゃ無理じゃないかい?』

すると、トミーはニヤリと笑い

『ダイソン改!テント!アニマルズ

 皆出ておいで~!』

ドスン!と音がしてテントが出現して

 その後に大勢の鳥、犬、猫が現れた。

『今回の任務はここにいる盗賊達と

 周囲の見張りをお願い!』

と発表するとそれぞれのリーダー

 鳥吉、犬四郎、ニャントスがトミーの元に集まった。そして

『マスター!かしこまりにゃん。

 それとマスター少しお話しが…』

ん?なんだろうとトミーは耳を傾ける

『我々に武器を頂きたいにゃ!先ほど任務から戻ってきた犬四郎と話したんにゃけど、攻撃力の向上が

 必要だと結論がでたにゃ!我々の

 攻撃は毒をメインとして攻撃を組み立てているが、この先、毒がきかない相手がでてくると思うにゃ!』


すげ~!さすがエーアイ!自ら考え

 て成長しようとしているとトミー 

 は感激し、少し考えを巡らせる。

 そして…

『う~ん…武器かぁ…素材がないとなぁ…あっ!じゃあこうしよっか!3チームあるから盗賊の見張り、周囲の見張り、そして素材回収の3つに分けよっか!素材回収  チームは武器になりそうな素材

 又は魔物を狩ってきてもいいよ

 魔物も素材になるはずだから…

 ですよね?モーテルさん?』

とモーテルを見ると、パインも一緒に

 なり口をあんぐりと開けていた。

 そしてトミーに気が付き

『ん?あぁごめんよ!ちょっとアタシの常識と戦ってたもんで…

 魔物は素材になるかってね?あぁ

 なるともさ!!魔物の爪や牙

 そして毛皮もね!肉は食糧としてだけど!魔物は基本的に捨てる所が

 少ないさね!』

なるほど…やはり俺の考えていた通り

 の異世界に近いなとトミーは思い

『じゃあ!リーダー同士で話し合ってそれぞれの担当を決めてね~

 後はヨロシクね。』

後は丸投げである。トミーはそういうとモーテルに向き直り

『まぁそういう事なので後は任せて

 食事でもしましょうか?』

と、キメラフィッシュの干物をとりだし焼き始める。モーテルとパインも

 馬車の中にある食糧をとりにいった。ふと後ろを見ると、犬四郎、

 鳥吉、ニャントスのリーダー達が

 誰がどの担当をするかで話し合って

 いた。

『じゃあそういう事でヨロシクにゃ!』

とニャントスがトミーの所にきて

『マスター決まりましたにゃ!我ら

 チームキャッツは盗賊の見張り

 犬四郎率いるワンダフルは素材回収!鳥吉のバードメンは周囲の見張りになったにゃ!』

とトミーではなくキメラフィッシュの干物をじ~っと見つめながら報告してきた。するとモーテルとパインが

 馬車の中からでてきて

『何だか旨そうな匂いだねぇ…もし

 良ければアタシ達にも食べさせてもらえないかい?こっちから出せるのは大したものはないが…。』

と、干し肉と硬いパンをだす。異世界

 名物の携帯食であった。トミーはどんな味なんだろうと興味を持ち

『えぇかまいませんよ!俺も異世界の食事をするのは初めてなのでとても興味があります。むしろこちらからお願いしたいくらいですよ!』

と少しテンション高めに応える。

『ん?』

と視線を感じて振り返るとニャントス

 がジト目でこちらを見ている。なにか言いたいのかなと

『どうした?何かあるのかい?』

と優しげに尋ねると

『あの…その干物というものから

 毒の匂いがする気がするにゃ!

 それはそれは危険な匂いが…』

そんな馬鹿な!と干物を凝視する。

『マスター!我は毒には無敵にゃので、まずは我が毒味をしたほうがいいにゃ!お任せにゃ!』

と焼き終わった干物の方へシュタタタ

 ッと駆け寄りおもむろにかぶり付く

『う…う…』

ニャントスの動きが止まり沈黙が訪れる。

『うまいニャ~ン!…』

とシッポフリフリ全開のニャントス

 そして何かを思い出すように

『ハッ!……こっ…これはっ!とても

 危険だニャ!マスター!恐らくこの干物は毒まみれニャ!残りの

 干物も調べるニャ!』

と焼いてある干物にかぶりつこうとしたその時、

『『待て~い!』』

トミーとマールの待てが、かかった。

 ニャントスはその場で固まり

『ニャ…?ニャンですかな?』

と少し焦った様子のニャントス。

 するとマールが

『本当に毒があるの?アタシも食べたけど、そんなの感じなかったわよ。』

『マ…マール様は毒耐性があるから

 恐らく大丈夫だったと思うニャ。』

弱々しい声で応えると

『ふ~ん!なら確かめましょう!

 デトックス!』

とマールが干物に向けて発動する。干物が一瞬光る。そして……


毒は排出されなかった……。

 ジト目でニャントスを見つめるトミーとマール……。ニャントスは

 そっと目を反らす。

『これはどういう事かしら?』

とニャントスに近より腕を組みながら

 マールがたずねると、ニャントス

 はフッと笑いその場に寝転び仰向け

 になって腹を見せた。

『ごめんにゃさい!!あまりにもおいしそうだっので思わず策をこうじてしまったにゃ!策士策に溺れる

 とはこの事ですにゃ!』

やかましいわっ!とトミーに突っ込まれ

『まったく…食べたいなら食べたいと言いなさいよね。ちゃんと言えばトミーだって食べさせてくれるわよ

 !ねぇ?』

とマールがトミーにたずねると、トミーはコクコクと頷き、

『勿論食べさせるけど…それよりも

 動物達に食事が必要だなんて思いもしなかったよ!ニャントス!

 君たちもやっぱり腹は減るのかい?』

とトミーはニャントスに近寄り腹を

 撫でながら尋ねる。

『にゃっ!我らは食事の必要は無い

 にゃ!我がこの干物を食べたいと

 思ったのは恐らく我をパワーアップしてくれると思ったからにゃ!……始まったにゃ!マスター我から

 離れるにゃ!』

そういうと、ニャントスの体が光り

 全身光りに包まれた。トミーはビックリして後ずさる。食べ物でパワー

 アップするだと?訳がわからん!

ニャントスを包んだ光りが次第に小さくなっていきニャントスの姿が次第に見えてくる。 

『ニャ~ゴロ~!』

そこにいたのは猫だった。なんでやねん!と思わず突っ込みそうなトミー

 であった。パワーアップっていうからライオンとかタイガーとかになるのかと思っていたのに…猫である。

 ニャントスはトミーをみるなり

『我輩は猫である。』

『知っとるわい!』

思わず突っ込んでしまった。トミーは

 ようくニャントスを観察した。大きさは変わってない、見た目も同じ黒色だし、と今までと変わらない様に

 みえたが…シッポが2つあった。

 ふたまたである。

『えっ?シッポが2つになったみたいだけど?』

と、呆れた口調でいうと

『にゃにゃにゃっ!さすがはマスター

 みえますかにゃ!このシッポが!

 そしてこの溢れんばかりのパワーが

 !』

いやいやシッポしかわからないし、

 溢れんばかりのパワーっていわれてもとトミーは困っていると

『ニャ~ゴロ~!』

と鳴きニャントスの姿がぶれる。まるで残像の様に…そして次の瞬間20m

 先の木が、ザン!と音を立てて縦に真っ二つに割れた。 


 







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