人とのふれあい
ん?これは!若い女の子の悲鳴だ!
トミーはマールと目を合わせる。
マールは静かに頷く。マールは
トミーの肩にパイルダーオンして
悲鳴のあった方を指差す。
『まっ!聞こえちゃったものね!
トミー助けにいくわよ!』
了解と頷き走り出すトミー!マールは
探知機を開き反応を探る。
『ん~!これね200m先に反応があるわ!後その反応の近くにも4つほど反応があるわね!』
フムフムと頷くトミー。おそらく敵の仲間が近くに潜んでいるのだろうと
推察する。
『見えてきたわ!あれは馬車ね。
馬車を取り囲むようにしてるのが
襲ったやつらかしらね?どうするのトミー?』
『そうだね状況からいえば馬車を
取り囲んでるやつらが敵だろうね。とりあえず話しを聞こう!
マール!やつらに当てない様に
魔法を打てる?』
『フン!!誰にいってると思ってるの!この賢者マールに任せなさい
いけ!サンダーバード1号!』
バリバリと音をたてプテラノドンの様な鳥が馬車の方へ飛んでいった。
マールは
『頼んだわよ!プテドン!』
えっ?あれがプテドン?トミーは
面食らった!プテラノドンを略しただけじゃんと…。
『ぎゃぁぁあ!!』
マールのプテドンは勢いそのまま馬車
の周りを囲んでいる敵に直撃した。
『ちょっ!マール!敵じゃなかったらどうすんの?』
『フン!敵に決まってるわよ。あんなパンツ1丁でマスクを被ってる様なやつなんだから!』
ん?とトミーもよ~く目を凝らすと
馬車の周りにいたのはパンツ1丁の覆面を被ったやつらが10人程いて
剣を構えていた。
まぁマールの言い分も分かるけど
俺はこの世界を知らないからなと
トミーは話しをすることにした。
『おぉい!剣を納めろ!おまえら。』
と、パンツ1丁の盗賊らしき人間に
叫ぶ。
『あぁ?なんだてめぇは?よその
盗賊か?ならよしときな!
俺ら盗賊同士の獲物の取り合いは
やっちゃならねぇ掟だぜ!』
ん?なにいってんのこの人?俺が盗賊
な訳ないじゃん。と、ムスッとしてると、
『さてはおめぇ!あれだな!』
と、パンツ1丁の盗賊がトミーに話し
かける。トミーは、やっと分かった
かと安堵する。俺はむしろ正義の
味方なんだよ!と、このバカちんがぁ。
『はぐれ盗賊だな!おめぇ1人ってぇ事は仲間とはぐれたか、やられちまったってとこだろ!?』
トミーはフッと小さく笑い
『んな訳あるかぁ!ススストーン
バレット!!』
トミーの目の前に無数の小石が現れて
盗賊達めがけて飛んでいった。
『ぎゃっ!』『ぎゅっ!』『ぎょっ!』
と、あちらこちらから悲鳴が聞こえ
小石は全弾命中していた。
後に残ったのは横たわりうめき声を
あげた盗賊達だけであった。
まったく!とため息をつくトミーだが
そういえばステータスが見えなかったことに気がついた。あれれ?と
思いながらも馬車に近づく。あれ?
そういえばマールはと見渡すと20m
程の上空で待機していた。
トミーはマールを手招きして呼ぶ。
だがマールは首を横に振り馬車を
指差す。1人でいってこいってことかなとトミーは思い。
(まったく。恥ずかしがり屋さんだな)
ハイハイ1人で行きますよと馬車に
近づきおもむろに中を覗き込む。
『ファイアーボール!!』
不意に馬車の中から火の玉が飛んできた。あまりにも一瞬の出来事で、普通ならばファイアーボールをくらっていたのだが、ここでトミーは驚異の反射神経を見せた。
トミーは咄嗟にしゃがみこみ、ファイアーボールを避ける。ファイアーボールはトミーの頭上をかすめて
消滅していった。
『なにっ!?』
馬車の中から驚愕の声がした。
トミーは驚かせてしまったのかと反省
し
『驚かせてしまってすいません。盗賊なら倒しましたので安心して下さい。』
すると
『嘘をつけ!お前は新手の盗賊だろ!話してるのが聞こえたぞっ!』
あ~ややこしいなぁと考えていると、
いつの間にか後ろにいたマールが
『トミー燃えてるわよ!!』
トミーは??と思うが、そういえば
焦げ臭いような気がするな
『早くしないと無くなるわよ!毛が!』
ふと頭上に注意をむけるとパチパチ
という音と熱さを感じた。
『ぎゃぁぁあ!マ!マール!消して!』
わたわたし始めたトミーをみてマール
は
『ウォーターサイクロン!!』
竜巻状の水が発生しトミーの頭上の
火元をえぐりとっていった。
トミーの髪の毛と共に…。
『ふぅぅ…ありが…ぎゃぁっ!無い
無いよマール!?』
一難去ってまた一難とは是なり。
マールはというと
『命があっただけでも良しとしなさい!!まったくもう!』
とため息をつき、こちらに背を向けた
心なしか背中が小刻みに震えている
その様子をジト目で見るトミー…。
すると、
『アッハハ!ハハハ!何だいあんた
達!』
とトミーとマールを指差しながら
笑う人物が馬車の中からでてきた。
50才程の初老の女性であろうか、
身なりから裕福であろうと想像できる。
『あぁすまないねぇ。あんた達のやり取りが面白くて思わずね。
悪気はないのさ!このとおり。』
と軽く頭を下げる初老の女性。すると
『お止め下さい!モーテル様!』
と、また馬車の中から全身鎧に包まれて右手に剣を持った赤髪の女性がでてきた。
『いいのさ!仮にも命を助けて頂いたんだ。恩人に対してこれくらい訳
ないさ。ほらパイン!あんたのファイアーボールでこの御方の毛を焼いちまったんだから出てきて謝りな』
そういうと馬車から、金髪のロングヘアーで魔導士の様なローブに杖を持った若く美しい女性がでてきた。
『勘違いとはいえ、ごめんなさい!』
と頭を下げるパイン。
あれ?と、トミーは思い
『誤解はもうとけたんですか?』
と尋ねると初老の女性モーテルが
『あぁ!妖精がついてるからね
善の心を持つ者にしか懐かない
と誰でも知ってるからね。誤解して悪かったよ。』
トミーはちらっとマールを見ると
えっへん!といった態度の威張った
マールが見えた。なんか納得のできないトミーであった。
『さて改めて自己紹介させてもらうよ!アタシはモーテル!暴風の
モーテルって呼ばれてるよ!
そいでこっちの剣士はレイビス!
王国の騎士団所属のひよっこさ!
そして最後に魔導士の格好をしているのが、パイン!アタシの孫だ ね。』
ほぇ~やっぱり偉い人なのかと考え
トミーも自己紹介することにした。
『俺はトミーといいます。海人族です。そしてこっちが…』
というと、マールがずずいっと前にでてきて
『アタシはマールよ!賢者の修行中
なの。』
おっ!賢者っていわなくなったなと
感心するトミー。それを察したのか
マールは、なによ!とトミーを見てきた。トミーはニッコリとして
何でもないよと顔をする。
マールに飛び蹴りされた。
『海人族?はて聞いた事がないね
あんた達知ってるかい?』
顔を横にふるパインとレイビス
『それでかい?盗賊達と同じ様な
格好なのは。』
『いえっ』
といい何と説明しようか迷うトミー
にモーテルは
『まぁいいさ!でもここからは、その格好はちょっとまずいさね!
パイン!馬車の中から服を見繕ってやんな!』
『あっはいっ!』
といい馬車へと引っ込むパイン
するとマールが
『ねぇトミーまだ周りに反応があるわよ!』
とマールが警告してくる。
盗賊の仲間かなとトミーは考えていると、モーテルがマールの探知機を
興味深そうに覗きこんできた。
『なんだいそりゃ?魔法かい?』
マールはモーテルに探知機の説明をするとモーテルは感心して
『へぇこれで敵を感知できるのかい?初めてみたよアタシは!この赤い点がそうかい?フムフムなるほどね。盗賊達の生き残りかもしれないねぇ。さてどうしたものか。』
と思案顔をしていると、トミーが
『あぁ俺がやりましょうか?』
とモーテルに提案すると
『ほぅ…やってくれるかい?どうやって?』
『ん~説明するより見た方が早いかな!ダイソン改!いでよワンダフル!』
と、犬四郎とワンダフルのメンバーが
出現する。モーテルとレイビスは
口をあんぐりと開けてこちらを見ている。トミーは気にせず
『いいかい犬四郎!この反応の所に
いるやつを捕まえてきてくれ!
一応殺さないように頼むよ!』
というと犬四郎は
『了解だワン!!』
といいワンダフルのメンバーを連れて
消えていった。トミーはモーテルに振り返り
『これでしばらくしたら何者かわかると思います。』
と説明すると、モーテルはそれまで開けていた口を閉じて、
『なんだいありゃ?召喚魔法かい?』
と顔をグイグイと寄せて質問してきた
トミーは両手でモーテルの肩を抑え
て距離をあける。
『お…落ち着いて下さい!まぁ召喚魔法になるのかな?』
と自分でもよくわかってないトミーで
あった。