第5話:紋章
手の甲の眩い光。ついに僕も出紋するんだ!
光は徐々に失われていき、僕の手の甲に刻まれていたのは...
ー神紋ー
僕は、その紋を見た瞬間、前世の光景がフラッシュバックした。
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とある村で、人助けをした後に少女に話しかけられた。
「ねぇねぇお兄さん。あなたには、怖いものはないの?」
「あるさ。1個だけ。」
「それはなに?」
「【死】さ。俺は、死が怖い。だから、抗うようにここまで強くなった。」
その少女は分からないと言いたげに首をかしげて、村のほうへ言ってしまった。
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僕は、またあの人生を歩むのか...
また、死に怯えながら生きるのか...
この世界では、世界のバランスを保つために、強いパートナーを持つ者ほど...
早く死ぬ
嫌だ嫌だ嫌だ!
死にたくない!
確かに、地紋や流紋ならまだ弱いパートナーを召喚するかもしれないが、神紋となるとそうもいかない。
僕は、なかば半狂乱になって、脱衣場を出た。
ボタボタと水が滴っているが、お構い無しに走った。
ドンッと何かにぶつかって、見上げると
ヴィタリーだった。
「どうしたんだ、シンハ。服も着ずに、水浸しで...」
そこまで言うと、僕の手の甲に紋章が現れていることに気づいたようだ。
「おぉ!ついに、出紋したか!」
そう言って、手の甲を覗き込み、彼は腰を抜かした。
「し、神紋じゃないか!!凄いぞ、シンハ!!
早くグラフィアにも報告しよう!」
義父は、僕をヒョイっと持ち上げ、体を拭き、服を着させた。
僕はそのまま、手を引かれてグラフィアのもとへ向かった。