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神紋を授かった俺はきっと助演男優賞  作者: 神楽坂雪蜘蛛
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第1話:目覚め

カーテンの隙間からチラつく木漏れ日で、目を覚ました。フワァっと大袈裟なあくびをして、洗面台へ向かう。


鏡にうつった自分が目を腫らしているから、うまくコンタクトが入らない。

あぁもう、めんどくさいなぁ。


しょうがなく眼鏡をかけて、キッチンに戻り、パンをトースターの中にセットする。


丁度そのとき、ベッドからまた、あくびが聞こえてきた。そのベッドから降りてきた1匹の狐がゆっくりと、9本ある尻尾を揺らしてこちらに近づいてくる。


「おはよぉ、シンハ」


「おはよう、ユキ」


僕の名前はシンハ

この狐はユキ


この世界では、6歳になると「出紋」と言われる、手の甲に紋章が現れる現象が起きる。


たいてい、その次の日に「召喚式」を行なって、紋章に合った魔物パートナーを召喚する。そのパートナーに名前をつければ、契約は完了。


その時に、僕は神紋を授かって、九尾の狐のユキを召喚したんだ。



チンとトースターが鳴り、熱々のパンを取り出す。皿に乗せて、目玉焼きを乗せ、テーブルまで持っていく。


「いただきます」


1口、かぶりついた時、獣舎から二首鶏(ふたくびどり)の朝を告げる鳴き声が聞こえてきた。


「「グォケゴッゴォォォ!!」」


毎度毎度、窓が割れるんじゃないかってぐらい響くその声と同時に下の階がだんだんと騒がしくなる。


皆が起き始めたのだろう。


朝食を食い終え、リュックを背負った。


ガチャっとドアを開けると目の前には、まるで城塞のように大きい建物が築かれている。この大陸ソーリオスで最大の都「ソレイユ」にある、オルバトル学園である。

ソレイユの中で最も大きな学園で、僕もここに通っている。


寮から歩いて教室に行くまででまぁまぁの距離がある広大な敷地には、色々な施設がある。

獣舎や、闘技場、訓練所などとにかく広い。そんなことを歩きながら、改めて思う。


早く着きすぎて誰もいない教室のドアを静かに開け、自分の席に座る。


それから時間が経つにつれてだんだんと教室は人とパートナーで満たされていく。


最後に教室に入ってきたのは後ろに動く甲冑を連れいてる、俺の親友のカムだ。後ろの甲冑がパートナーの【リビングアーマー】で、名前はアレク。


「おはよう、カム。」


「あぁ、おはよう。...ん?......なんでメガネなんだ?」


「あ〜...い、いや、ちょ、ちょっと目が腫れてコンタクト入らなくて...」


腫れた理由を悟られたくなくて、慌てて嘘をつく。


「お前...もしかして泣いた?」


「うっ...」


けれど虚しく、図星を指されて、一瞬固まってしまった。


「アハ!図星かよ!お前みたいな完璧人間でも泣くことあるんだなぁ」


「当たり前だ!」


全く...こいつは僕のことを機械だとでも思ってるのか?


後ろのアレクまでカタカタ言いながら肩を揺らして笑っている。ちくしょう...。

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