墟
そこには500円玉1枚と10円玉数枚
このお金を見て思った。
俺には価値観は違えど、嬉しいことに沢山の素敵な人達に囲まれている。
同じ歳くらいで社長をしていたり、役員をしていたり、バリバリ働いて会社を支えている人など
そしてその人達は沢山の収入や給料を貰っているであろう
俺はしがないパーマ屋さんでそのなかのスタッフでありそんなに給料がいいかというとそうでもなくむしろ安いと思っている。
まぁー自分の頑張りが足りないのが原因でもあるが
この小銭を見てそこまで切羽はつまってないが
5百数十円をコツコツ貯めていたら沢山昔から貯めていたら
ちょっとは親孝行できたのかなーとか旅行とか美味しいご飯屋さんとかつれて行けたりとか考え
このお金を使うのをやめた。
親孝行らしいこともできずもう親の歳は70前で
まだ母親は働きに出ている。
もし自分がまわりにいる凄い人間なら両親を特に母親を楽させることもいくらか生活の工面できたのになぁ~と考えると
自分がむなしくなり母親に申し訳なくなる。
末っ子で可愛がってくれたのに期待してくれていたのに
俺は何もできてない孫の顔も結婚すらもしていない
いつまでも迷惑と心配をかけている末っ子長男
夜の道
そんなことを考えながら帰った。
『ごめんよ母さん。本当に』
虚しくなった。非力さに