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目指せ!ポーションで理想の生活 IN 異世界  作者: ペンギン
第6章 幻の大陸
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6章 第13話  賢者の石を求め⑥ 魔王

男の姿が見えるとララとリリはすぐに攻撃を行う。ララは弓の速射、リリは炎の矢を素早く放つ。

 

 矢が男に当たり、続いてすぐに炎の矢が着弾すると、爆発が起こり、煙が男を包み込む。


 やったか。


 などとは思わない。ボス相手にこの攻撃でけりがつくとは思わない。


 「それで、あいつは、あの裏切り者はどこだ?」


 煙が晴れるとそこには無傷の男が立っており、今度ははっきりと聞こえるように言葉を口にする。が、僕はその言葉に応える余裕はない。


 「リリ、ララ。こいつはちょっとやばいから、一旦下がって。援護に集中して。あとこれ飲んでおいて。」


 僕の言葉に頷き、できる限りの距離を取る二人。ちょっとこのLVの相手は想定してなかった。最悪テレポーションの効果で死ぬことはないけれど、2人に無駄に怖い思いをさせることもないだろう。

体制を整えた僕はその男に声をかける。正直、なにがなんだかわからないので情報を集めたい。


 「と、お待たせしました。それで、裏切り者とはいったいどういうことで」


 「とぼけるな、お前たちからあいつの気配がする。接触をしているはずだ」


 その声には怒りを含ませてはいるが、芯は冷静だと思われる。感情をしっかりとコントロールできる人間(魔物)だと僕は判断する。少しやりにくいな。


 「僕はそとでいろいろな人達と交流をしてますから、それこそ親しくない人ともお話しすることもたくさんあります。なので、接触したとだけ言われても正直、誰のことを言っているのか想像もつきません」


 「ふん。あいつは、樹の魔王。一瞬、お前たちに討伐されたかと思ったが、弱ったとは言え元魔王、人間ごと気にやられるほど弱くはない。なれば、あいつが人の姿をとり、人の世に紛れ込んでいると考えるのが筋だ。どうだ、なにか心当たりはないか? 正直に言えば命だけは助けてやると約束しよう」


 「もう少し聞いても? その魔王は一体何をしたんですか? あなた達にとっては縦の命令系統は絶対なのでは?」


 「あいつは我らを裏切り、人間と共生すると言いだした。もちろん、命令に逆らうことができないない我らは、不服ながらもあやつに従っておった。が、この迷宮の主に我が選ばれた時、その命令器系統から我だけは外れることができた。まさか、怒りにまかせあの雑魚を殺してしまったことがこんな幸運を運ぶとは思いもしなかった。我はその後は虎視眈々とチャンスを伺っていた。そして、終に先日、千載一遇のチャンスが訪れた。我はその機会を無駄にすることなく、あいつから力を奪い我が新たな魔王になるつもりでいた。が、力を奪いきる前にあいつに拘束を振り切られ逃げられてしまったのだよ」


 うーん、となるとあの子がその魔王って可能性が高くなってくるよね・・・・・・。

 正直なところ、僕にはあの子が魔王ということなら、庇う理由なんてものはないのだけど。


 「えっと、最後に一つ。今は命令権はあなたに?」


 「あぁ、もちろんだ。それが何か関係あるのか?」


 「はい。大いに関係あります。それでは僕の答えを受け止めてください」


 僕はナイフを一振り手にするとそれを男に目掛けて投げつける。ちなみにこのナイフもそこそこの業物でLV120のジューシーバードぐらいなら一撃で殺せる威力をつけてやった。


 が、そこは魔王の代理様、男は軽くナイフを受けとめた。


 「なるほど、よーくわかった。どうやらお主たちは自殺願望者らしいな。苦しませずに地獄におくってやる」


 「冒険者として、あなたがをほかっておく理由はありませんからね」


 「マオー。マオは商人だよ? 冒険者なのは私だけだよ?」


 リリのツッコミで今までのシリアスが台無しだ。


 「リリ、そこはノリってやつだよ。気にしたらダメだよ。魔王(代理)さんもいくら何でも相手が商人だと気持ちのらないでしょ」


 「うーん、確かに」


 「なにをごちゃごしゃしておる。これであの世へ行け。ウッドスパイク・サウザンド」


 男が魔法が放つと、僕達の足元から幾千もの木の槍が生えてくる。正直躱すのは至難の業だろうが、僕は強化した身体能力を使って躱す。


 ちなみにリリとララはリリによる炎の壁でやりを防いでいた。本来出ればリリにこの槍を捌くだけの防御魔法を使うことは不可能なのだが、最初に飲むように言ったサポーション(S)のおかげでそれも可能になっている。


 甘いということなかれ。


 今回の敵は想定外すぎるのだ。今までであった最上位のドラゴンや神獣やらがLV125、それがこの世界のいわゆる上限のはずなのに、こいつはL162。魔王の力を取りこんだからかその上限をぶっちぎっている。こんなの過去のどんな勇者も勝てない相手だ。


 だから僕が二人にS級のサポーションを飲ませたのも許容範囲だ。間違いない。


 「これを防ぐが、それならばこれならばどうだ」


 と、魔王(代理が)笑みを浮かべてさらなる攻撃をしかけてくる。


 男から竜の姿に変わり、とてつもない魔力を載せたブレス攻撃に鋭い爪による物理攻撃などなど。


 何度も言うがもし僕達が普通のAランクいやSランクの冒険者でも命はない、そんな攻撃なのだが。僕はすべてを躱し、2人は魔法の防壁ですべてを防いでいる。


 「えっと、そろそろこちらから行きますね?」


 と言うと僕は以前、竜魔王にしたように空間操作を使いこの魔王(代理)の魔石を抜きとる。


 すると、魔王(代理)の体は灰になり崩れ落ちる。そして後には何も残らなかった・・・・・・。



 「賢者の石、ドロップしなかったね」


 「「う、うん」」


 「「「・・・・・・」」」

 

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