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目指せ!ポーションで理想の生活 IN 異世界  作者: ペンギン
第6章 幻の大陸
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6章 第6話 魔王

空白期間がありましたがまた更新をしていきたいと思います。 ただ、頻度は下がります。

週1程になるかと思いますのでよろしくお願いします。

目の前には予想に反した光景が広がっていた。


 拠点で目にしたのは抉られた壁に、黒ずんだ灰の跡、それに疲弊しつくした人々。一瞬、ここは高LVの魔物が跋扈する大陸、これが普通なのか? とも思ったがそれは誤りであった。


 「すみません、今は緊急体制中です。現状ではなにがあるかわかりません、もとより安全なんて言葉がない場所ではありますが、いつも以上に現状は危険です。明確な目的がないのでしたら、引き返すことをお勧めします」


 僕が拠点に入るとすぐに1人の男に声をかけられた。男は自分のことをギルドの職員と名乗った。丁寧な口調なのだが、少し気にいらないな。


 「えっと、なにかあったんですか?」


 「あぁ、そうだね。詳しい説明もなしでいきなり帰れはあんまりだったね」


 「わかってもらえてうれしいです。僕らも苦労してここまで来たので、いきなり帰れと言われて納得できませんですし、なによりも情報は欲しいですから」


 「1週間も前のことですが、普段はこのあたりにはLV100以下の魔物しかいないのですがあるパーティーがどうもそれ以上の魔物を見たという話がでました。もちろん、こんな大陸でですから珍しいとはいえ、ないこともない出来事です」


 「それで? それだけなら緊急体制とはならないですよね?」


 「えぇ。実はその後もLV100を超える力を持つ魔物が頻繁に見られたのです。ここにきて、これは大陸の情勢に変化がおきたのか? とギルド内では推測がされました」


 「なるほど、それで」


 僕が神妙な声に男は待ったをかける。


 「いえ、それだけならまだよかったのです。ただの自然の出来事です。自体は思った以上に最悪でした。高LVの魔物が頻繁に見つけられるようになった数日後、街に魔物の群れが襲い掛かってきました。ええ、これだけでも悲鳴を上げたくなのですが、驚くべきことに魔物たちは一つの意志によってまとめられてしました。そう、人間の軍隊のようにです」


 「まさか、そんなことが。でも、それにしては、街がきれいなような気がしますが?」


 拠点の様子は先に言った通りお世辞にも綺麗とは言い難い。しかし、そんな魔物群れに襲われたのならこのぐらいで済んでいるのは幸運としか言えない。もし、魔物達がそのつもりなら、壁は抉られるだけでなく建物は平らに、灰の黒ずんだ跡は跡ではなく大量の灰その物に、そして疲弊した人々は疲弊することも叶わぬ肉の塊となっているはずだから。


 「はい、魔物たちのリーダー、私たちは魔王と呼んでいますが、その魔王がこう宣言したのです」


 『我々が求めるのはただ一つ、人ならざる力を持つものだけだ。そいつを連れてこい。それが叶わぬなら、我自ら探してやる。まずはこの大陸からだ。全ての村を、街を国を破壊してでも探してやる。期日は30日だ。それまでにお前たちがそいつを見つけれないときは、我は行動を開始する』


 「これが魔王の言い分です。現在ギルドを上げてまずは、その人物を探している最中です」


 なっ、こいつらその人を見捨てるつもりなのか!?


 「魔王がここで宣言する以上は目的の人物がこの大陸にはいなかったのでしょう。それに、私たちは魔王に屈するつもりはありませんよ」


 「どういうことですか?」


 「魔王の言う通りにその人物を探しているのは確かですが、生贄にするためではありません。魔王が気にせざるをえない戦力を中心にして魔王を討伐してやるのです。幸いに奴は猶予を時間を与えてくれましたからね」


 なるほど、そういうことでしたか。これはどうもきな臭いな。このあたりは確か高LVの魔物ばかりのはずだ。普通なら魔王と呼ばれてもおかしくないような奴も普通にいるみたいだし。そんな奴らを統率する王か。


 と、そこまで思考が進むと自然と僕は真の魔王の登場を思い浮かべた。


 そして、翻って僕にも責任が少しはあるかもしれないと思ってしまった。


 それならば、最後まで付き合うのが僕の義務であろう


 「ありがとうございました。引き返すようにと忠告ありがたいことですが、僕達も戻るわけにいきませんので」


 「そうですか。まぁ、冒険者はすべて自己責任です。私は止めたりしません。ただ、気をつけてくださいね」


 あっ、そう言えばここに来る道中きになったことがあったんだ。


 「すみません、最後に一つ伺っても?」


 僕は職員さんに促されて言葉を続ける。


 「えっと、ここに来るのにギルドでランクの確認をされましたけど、この拠点に入るにはそういったことはしないのですか? または別のところで確認されたりとか?」


 「ありませんよ。いえ、普段身分を証明するのに必要なときはありますが、特別はありません。みなさんここに来れる時点で強者とみなされますし。まぁ、あとたまに海流にのってここに流れ着く人もいるみたいですが、レアケースですね。そういったここに来るには力が足りない人間はすぐに帰りたいというので、基本的にはここにはいませんけど。ないとは思いますけど、もしあなた方の力が弱いものでしたら本当に帰ることをおすすめしますよ」


 

 あらかたの状況を聞いた後僕は3人で宿屋、というのも恐れ多い古い民家のような建物、に向かう。


 「リリ、ララ。あんなこと言ってたけど大丈夫? もし少しでも不安なら帰ろうか?」


 「いやー。ここにいる」


 「マオ、危険を冒さないとLV100になんてなれないわ。早く限界突破したいの」


 「「それに、美味しい食べ物食べ物たくさん食べたいし」」


 弾むような声を出し訴える二人。どうせ後半部分、食べ物、が本音なんだよね。


 「そうか、2人がそういうならこのまま食材確保の旅にでよう」


 「「おぉー!!」」


 「と、元気よく返事したところ悪いけど、これを飲んでおいてね」


 そう言い僕は2人に瓶に入った液体を飲むように進める。


 「これは何?」


 「ふふ、秘密だよ。でも二人を守ってくれるポーションさ」


 「マオのけち」


 「けちぃ~」


 2人に少し文句言われるが教えないのが2人のためでもあるのだ。


 「けちで結構。早く飲んで、宿に行くよ」


 2人がポーションを飲みきると僕達は少しくたびれた雰囲気を放つ街を通り抜け宿へと向かった。


  ちなみに二人に渡したポーションはこれだ。


 【名称】  サポーション(サポートポーション)

 【ランク】  伝説級(A)

 【効果】  能力上昇(極大) 効果は1日間

 

 安全のために飲んでもらったけど、安全だとわかると成長は遅くなるでしょ?


 これが僕が二人にポーションの効果を秘密にした理由だ。

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