6章 第5話 限界突破?
少し短めです。 次話からこの章のメインストリームにのる予定です。
さて、美味しい牛さんを倒したあとは順調に進むことができた。
「あれが、ギルドの拠点かな?」
「そうね、ギルドで聞いた特徴と一致するからそうだと思う。って、マオ。ここに人工物なんて拠点以外考えられないよ!!」
確かにそうだ。
先程『順調に進めた』などと言ったが、あくまでもこれは僕達のパーティーだからこそだ。並大抵の、それこそ国の精鋭たちの舞台でももっと手こずると思う。いや、ただの精鋭では全滅必死だ。
それほど過酷な環境なのだ、この【幻の大陸】は。
たとえば先程木の上から奇襲を仕掛けてきたサルの魔物。その体調はおそそ1mほどで見かけは全く脅威に感じられない。が、鑑定の結果はえげつなかった。
そのLVはなんと95。これはSランクの冒険者の匹敵し、大きな国に1,2人しかいないのだ。人と魔物という違いを考えれば、Sランクの冒険者5人程度のパーティーが望ましい。
このSランクパーティー、この世界の基準で考えれば大国祖の物に比肩できるLVだ。
そんなパーティーと同じ強さの魔物が当たり前のように沸いてくるのである。それこそ、普通の町の近くの森でいうところのスライムと同じように。
「それにして、ここはとんでもないところだね。2人とも早くLV99を突破しておきたいね」
「えっ!?」
リリが急に変な声を出したのでびっくりした。
「LVって99を超えれるの?」
「うーん、そうみたいだね。あれ? これって話してなかったかな?」
「聞いてないよ!!」
「勇者様達と話した時のこと覚えてない?」
リリが急に明後日の方向を見る・・・・・・。
「いやぁ~、だってあの頃のあたし達には関係のない話じゃない? だから・・・。って、忘れてましたよー」
「あははは、すねないでよ。別に怒ってないしね。それで思いだしてくれたくれたと思うけど――」
「ララは覚えてたよー」
うん、ララは偉いね。いい子だ。こんあ森のなかの過酷な環境でも無邪気な笑顔に癒される。
「――あの賢者の石ってやつを作ることが可能なんだよね。だから、2人ともちゃんとLVは限界突破できるよ。ただ、125でまた壁があるみたいだけど、ここはその賢者の石で突破できるかはまだ確かじゃないんだよね」
実は神様から無理って聞いてるんだけど、2人の夢を壊したくなかったから言わなかったんだけど
「「やったー!」」
ふたりともとてもうれしそうだ。
そう言えば確か、限界突破したのは過去の勇者様ぐらいと聞いたな。それならば125まで上げれるだけで満足してしまうのだろう。
「でも、努力者しないとね!! 才能やチャンスがあってもそれを生かせるようにしないと意味がないよ」
「もちろんわかってるわよ」
「わよー」
ララがリリの言葉の最後を真似する。本当にわかってるのかい心配になる。が、僕が導いてあげよう、大人の僕が。
さて、そろそろ拠点の入り口だ。
「さて、もう少しだ。がんばって歩こう」