6章 第3話 幻の大陸に到着
「はぁ~、おいしかったぁー。お兄ちゃんも飲めばよかったのに」
まるでここは天国よ、というような幸せそうな顔でララが言う。
「僕はちょっとそういうのはね、女性の飲み物って感じがして少し苦手なんだ」
「飲み物に男の人も女の人もないよ」
確かにそうなんだけどね。1年以上この世界で暮らし割りと染まってきたと思っていたがまだまだ地球の感覚が抜けないらしい。
「そう言われるとね。そりよりもそろそろリリが【幻の大陸】に着くころだ。準備はいい?」
「うん、大丈夫だよ。いつでもこーい」
自信満々に胸を叩き主張するが、『来た』らいけないんだ、僕らが『行く』んだよ。って、つこんでもリリがいないからな。きっと無駄に終わる。
まぁ、かわいいからね。そのまま何もしないでおこう。かわいいは正義です。
先程から僕はリリの魔力を探すように意識をしていたがここからはさらに感覚を研ぎ澄ます。
僕達の【幻の大陸】へ行く計画はこうだ。
①リリが単身【幻の大陸】へ向かう。
②周りの安全を確認後、自身の魔力を最大限まで高める
③僕がそれを感知して転移で飛ぶ
これが失敗に終わったら別の手も考えているがたぶん問題なくいけるはずだ。
「ララ、見つけたよ。【転移】するから捕まって。忘れ物ないようにね」
「うん、大丈夫」
僕が最期に見たララは笑顔で両手に先程のジュースを2つ握っていた。
視界が暗転し、すぐに戻る。
「わぁ、ホントにできたのね。マオの感知能力ってもう反則じゃない?」
「あははは」
「お姉ちゃん、これあげる。いっしょに飲もう」
手にしたジュースの1つをリリの渡すララ。お姉ちゃん思いで優しいんだけどね。
「ララはそれ2杯目だよね」
「もう、お兄ちゃんそれは秘密だよ。ってお姉ちゃんのはスペシャルなやつだから、2杯分なの」
よーく見ると、確かに2人のジュースはところどころ違う。
「リリにマオ。2人とも遊んでないで行くよ」
なぜかリリに怒られてしまった。あれだけ気をつけろと言った僕がふざけて見えればそうなるか。反省、反省。
「それで、まずはどこに向かおうか」
「えっと、ギルドで聞く話ですとこの森は大陸の隅にあり生息している魔物も比較的弱いものばかりらしいよ。それで、この転移門から少し言ったところにギルドの作った拠点があるみたい」
転移門とそこから続く道を指さしながら説明をする。
なるほど、これはきっと中心部に行けば行くほど敵が強くなる代わりに得られるものも貴重になるとかいうパターンかな。
それならどんどん中心に向かいたいけど、さすがに今の二人でもそこまでやるのは不自然すぎるか。
「ここから拠点までの間、出現する魔物のLVは100以下で、所要時間は3時間ほどみたいね。時間に関しては戦闘込なのにあてにならないとギルドから言われたわ。LVに関しても通常であり、イレギュラーは起こりうるので注意しろ、ともね」
LV100以下なら今の二人なら問題ないだろう。LV自体はまだまだ70前後だが、スキルがそれを補って余るほど優秀だ。
「よし、それじゃとにかくまずはその拠点を目指そうか」
「「おぉ~!!」」
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