6章 第1話 幻の大陸とは
僕にとっての衝撃事件が終わり、1年の月日が流れた。
この1年で僕はまずは転職の水晶を手に入れて神様(管理人)との連絡手段を手に入れた。そして、お店は止め3人で旅をすることにしたのだ。
リリとララは冒険者として僕は行商としてだ。そしてその旅は彼女たちを強くした。
以前から才能ある2人だったが今では二人ともAランクの冒険者だ。あっ、ララはまだ冒険者ギルドに登録できる年齢でないので、Aランク相当っていうことだ。
それにしても、まさかこのような少女と幼女がAランクだとは知らぬものは皆は夢にも思わないだろう。
「マオ、そろそろこのあたりはあきちゃったよ。どこかもっと違うところに行こう!」
「お兄ちゃん。ララも行ったことない所に行ってみたいな」
隣に座る二人から提案される。おねだりするように頼まれると僕も強くいえない。それにそろそろ行ってみたいと思っていたところに行ってみてもいいかもしれないね。
「えっ? もしかしてマオ。あそこに行くつもりなの?」
「リリはピンときたのかな。そう、【幻の大陸】って呼ばれているところに行ってみようか」
「美味しいもの食べれる~、ララはたくさん食べるよ」
うちのお嬢さんは早くも口から涎がでているようだ。
そう、この【幻の大陸】と呼ばれている場所は一般的には知られていない。それはなぜか? それはそこにいる魔物が強大すぎるのだと。 最低でもLV90以上、さらにはこちらでいう魔王(LV125程度)が普通に存在するのだ。特別な存在ではなく、普通の魔物として。
この情報は冒険者ギルドの限られたもの、Aランク以上の者にしか知らされない。
一流未満。いや、並の一流程度の腕ではその大陸を歩くことすら困難である、財宝に目をくらませた人間が無暗やたらに移動するのを防ぐためにギルドはそういう処置を取っている。
そしてなぜ、ララが食べ物の話をしたのかというと前回の勇者様は当然のようにこの【幻の大陸】へ渡った。そしてそこからさまざまな物を持ちかえったらしい。注目を集めたのは強力なマジックアイテムであったが、ひそかに人気があったのは食べ物なのだ。
こちらの大陸では味わうことができないような美味なものが多くあったらしい。
「そしたら今回の旅のテーマは『手に入れろ、最高の美味食材』ってな感じでどうだろうか」
「うん、それでいいよー」
「私もよ。もちろんギルドからの依頼も受けるわよ。私は美食ハンターではなく冒険者なんだからね」
前回の鉱山探索時の『固い鉱物を探そう』とは違い二人ものりのりだ。
やはり石よりも食べ物か。女の子だもんで。でも石が鉱石としてじゃなくて装飾として探そうと言ったらどんな反応をするのだろうか。
また試してみよう。
「よし、それじゃ次の場所も決まったことだしそれぞれしっかりt準備をしよう。次の場所は今までは全く違う。でてくる魔物もかなり強くなると思うから今できる最強装備で行こうね」
「「はーい」」
元気よく部屋を飛び出す2人をみて俺の気持ちは少しほっこりとする。
まぁ、向かう先は物騒な場所なんだけどね。
武具屋に嬉しそうに駆け込む少女と6歳児、おかしいよね?
なんて、まったりしながら僕も準備を始める。
まずは、いままで作り置いたポーションの確認をする。
まずはおなじみ基本ポーション各種SランクからCランクを詰めるだけマジックリング(B)に詰める。次にテレポーション(S)を明日改めて2人の飲んでもらうように用意した。
迷宮探索で手に知れた上位のマジックリングのおかげでいろいろなものが簡単に持ち運べ以前より旅がずっと楽になったのだ。もちろん、一つだけではない。いくつか手に入れたので当然リリとララには一人一つづつBランクの物を渡しているしランクの低い者であれば他にも数個手に入れている。
なかなか手に入らないと思われたマジックリングであるが、迷宮の深層と呼ばれる所よりもさらに下の層にはそこそこあったのを僕が見つけてきた。
と、マジックリングの話はこのぐらいにして、次が今回の旅で活躍するであろうポーションだ。普段は使い道がないのだが、今回はきっと活躍の場があるはずだ。
その秘密兵器を俺は用意した2つのマジックリング(D)にいくつか詰めておく。
ふふふ、2人の驚く顔が今から目に浮かぶよ。
僕はその後もキャンプ用品や食料など準備をしながら二人を待った。
こちらの連載もまた始めていきますのでお願いします。
更新は以前と同様偶数日の 午前7時となります。
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