エピローグ
とりあえずこれで5章が終了です。
新作のお知らせもあります。
あとがきを見てもらえばわかると思いますので、是非。
街に戻った僕は家でリリとララと3人で部屋でくつろいでいる。
以前と違うのはここに一人女性の姿が見えないことだ。
さて、ゴンザやアリーシャのことはほかっておこう。アリーシャはもちろん、ゴンザは今はすでにうちの子たちにとって敵足り得ない。
だが、万が一はありうる。そのことは忘れない。
そして、そんな時であっても僕は絶対にリリとララを守ってやると改めて心に決めた。
だが、万屋の方をどうするか。
新たに人を雇うという方法が一番まっとうであるが、気になっていた人に裏切られたことは僕に大きな傷跡を残した。
今の僕にとって大人の女性とはもっとも警戒するべき種族となった。
かつて出会った魔人、いや魔王であってもあんなにも僕にダメージを与えるとはなかったというのに。
店番に男はポリシーに反するので却下だ。
「ねぇ、リリ。どうしたらいいと思う?」
「マオがしたいよーにしたらいいよ」
「ララはどう?」
「お兄ちゃんが思ったようにするのが一番」
2人の言葉が身に染みる。普段であってもこの子たちには癒されるというのに、今はなおいっそう心が洗われる。
「ぶっちゃけると、お店ってどうしてもやりたいってわけじゃないんだよね。ある日思いついて、やってみよう、ってなったけど。今回のことで気分も落ちたし。二人には危険な冒険者よりも安全なことをしてほしいとは思うけど、それは君たちの意志に反するんだよね?」
「あはははは、ごめんね」
リリが苦笑いを浮かべつつ謝る。別に謝ることなどない、僕は二人の意志を尊重したいと思っているのだから。
「それでもだよ。マオは優しいよ。始めにお店を手伝って欲しいから仲間にしてくれるって言われてなったのに。いつの間にか冒険者になってるなんてね。自分のことなのに、なんと言ったらいいかわからないよ」
「うーん、どうしよーかな」
「「「・・・・・・」」」
万屋は必ず達成しないといけないものではない、けれど一度目指したものをあきらめるのもなんかくやしい。
でも、そのために、僕の意地だけのために2人の人生を縛るのも嫌だ。
僕の頭の中で我儘を言いたい放題言う小さい僕達。(イメージ)
「ねぇ、マオはお店を持つことが夢なの?」
「うん? そうだね。厳密にはそうではないかな、ただ単に今現在お店がないところ、迷宮の近くにお店を構えたら儲かるかな? って思って始めただけだし。それにお金を稼ぐことが目標でもない。2人はわかるかもだけど、僕が効率よく稼ぐなら冒険者のが合ってるんだよ」
「確かにね、マオなら一瞬でトップクラス。いや、トップに立ってしまうよね」
「お店あきらめて冒険者にもなろうかなー」
「ねぇ、お兄ちゃん。冒険者しながらアイテム売ったらダメなの? 迷宮の入り口よりも中のがみんな困ってるんじゃない?」
「そ、それだぁぁぁぁ」
忘れてた。そうだ、始めは二人が弱いから迷宮の中で商売をするのをあきらめていたのだ。
その問題はいまはすでに解決されている。
「そしたらこのお店は、もう倉庫にしちゃって、迷宮で商売しよう。そしたら、僕もリリ達と冒険できるし」
「やったぁ~、そしたら次は新しい迷宮に行こうよ、ララもそう思うよね」
「うん」
今回の事件で僕はいろいろなものを失った。けれど、その傷を癒してくれる存在に感謝しながらこの異世界で生きていこう。
そうあらためて思った。
僕達の冒険はまだまだ続く。
ここまで読んでくださってありがとうございます。 と、早速ですが新作のお知らせです。
http://ncode.syosetu.com/n5057eb/ いせかいえくすぷろーらー という作品です。
リンクの貼り方調べたのですか、うまく貼れず・・・・。
異世界冒険物、主人公はもちろん強いです。 こちらもぜひご覧になってください。
1時間前 本日6時に更新してあります。