決着
迷いに迷ったあげく僕は一番確実な方法を取ることにした。
そして、結果だけ言おう。
僕は今 妖魔王ディアブロの目の前にいる。
動き出す前に少し時を遡ってお話しよう。
まず、勇者様に~作戦が失敗に終わり、自室でどうるべきか考えた結果、無双も、逃げることもできないと悟り、あきらめかけていた。が、しかし僕は一発逆転の案を思いついたのだ。だが、それでもそれはかなり部が悪いかけであるとはわかりつつ、僕は村に戻ったのだ。
戻った僕は策が失敗した時用に上質な魔石を手にしておいた。これを使わないことを祈りつつゴンザの元へ戻った。
ゴンザの姿を視界にとらえると僕は全神経を目に集中させる。
そして、自身の魔力を操る時のように、魔力の流れを正確に把握する。
人は、生き物は、魔物はどんな些細なことでも魔力を使っている。そこから任意の物を読み解くことは通常であれば不可能である。
だが、僕なら。神の如くの力を一度は得た僕ならそれも可能だ。
そして、ゴンザに加護を与えている魔力を探しだす。
体感としては長い時間だったが、ゴンザの様子を見るに数秒もなかったと思う。
僕は加護を与える魔力を見つけるとその魔力の元を確認し、次の瞬間には魔力をたどり妖魔王ディアブロの元へ転移したのだ。
魔力の流れを視るという壁、魔力をたどって転移するという壁、この二つの壁を超えることができるかどうかはしょうじきかけだったが無事に乗り越えれたようだ。
これで、あとはこの魔王さんを倒せば、加護も消えあいつはただの雑魚に、僕の力もばれない。まぁ、僕がめんどうなことをさせられた、という点だけは我慢するしかない。
と、冒頭の場面に戻る。
「それで、どうします? 戦います?」
妖魔王初めて聞いた時はおじさんの魔導士の姿を想像してたけど、実際は妖精の魔王だったらしく見た目はかわいらしい妖精だ。大きさは十数センチしかないが、うちに秘めた魔力は相当なものだ。
「えっと、まずどうしてここにきたのかな?」
「お前が僕を狙ってきたんだろ? あほな男を使って」
「え? どういう・・・・・・」
あれ、話が噛み合ってない?
「だから、ゴンザに加護を与えて僕の命を狙ったんじゃないの? あのタイミングであんな加護をみたらそう思わざるえないけど」
なぜか少し納得したような表情を浮かべ
「ゴンザね、覚えてる覚えてる。気が向いたから加護をあげたけど、あなたのことはなにも言ってないよ」
「いや、あいつ強いやつは倒せって言われったって――」
僕の前をフラフラ飛び回りながら
「あたりまえでしょ、私たちの敵を倒してくれるならありがたいし」
あぁ、確かに。
ってなると今回は僕の推理は完全にハズレだったんだね。
前もハズシてとかはいわないでくれるとうれしい。でもまぁ、
「まぁ、でも敵同士なわけだし、どうする?」
この時は僕は彼女の顔に一筋の汗が流れたのを見逃さなかった。
「えっと、私的にはギブアップで、あなたに使役されてることにしてほしいわ。勝てない戦いはしない主義なの。ってこれが初めてだけどね。そもそも私の上を行くとかありえないっしょ」
「うーん、それならいいのかな?」
とりあえず、ステータスを確認しておく
≪名前・LV・職業≫ ディアブロ LV 175 妖魔王
≪種族・性別≫ 魔王(妖精) なし(女)
≪称号≫ 真なる魔王
≪状態≫ なし
「それで、どうやってあなたは僕の支配下にはいるのですか? 口約束とかでしたら無駄ですよ。100%の証が欲しいからね。あと、あなたがあげた加護を消してください。ゴンザがうちに迷惑かけるとか――」
「大丈夫、大丈夫。全部OKだよ。はい!! 終わり、私のステータスどうせ見えるんでしょ。見てみて」
≪名前・LV・職業≫ ディアブロ LV 175 妖魔王
≪種族・性別≫ 魔王(妖精) なし(女)
≪称号≫ 真なる魔王
≪状態≫ 隷属
うん、ちゃんとなってる。これなら問題ないか。
「じゃぁ、とりあえず人間に迷惑かけないようにしてよ。返り討ちにするぐらいならいいけど、自分から積極的にいくのはダメだよ」
「もちろーん。隷属状態だからその命令に背くと私の命がやばいからね」
「それじゃ、またね」
「あまりあいたくないけど、また」
そういって僕はアカックの街へと戻る。
この数週間得たものは何もなく、失ったものばかりだ。今の自分のやり方はダメなんだろうか?
また、リリやララと話してみよう。
もちろん、途中ゴンザのステータスを確認しておいた。 LVは22だったのでそのままスルーしてきた。このLVなら脅威にならないからね。
次でエピローグになります。
新作のプロット(1章)が完成しました。近いうちに新作を投稿しようと思ってます。
投稿する際はこちらでもお知らせしますので是非とも見てください。




