決戦の風景②
砂塵舞い散り、怒号が響く聖王国中心の城。
普段はもっと厳かな雰囲気があるのだろうけど今日は冒険者ギルドよりもうるさいし混沌としていた。
戦場とギルドを比べるなと言われるかもしれないけれど、僕にとっても冒険者ギルドも似たようなものだ。敵兵に攻撃されるのと、わけのわからん冒険者に因縁つけられるかの違いしかない。
さて、ライムが活躍してい一方僕達はなにもすることないな、なんて思っていたけど。あのあと数隊の魔人と1人の人間がでてきた。
もちろん、魔人はすべて討伐、人は保留スペースで待機。しっかりと鑑定できる人間がくるまでの処置らしい。
あれほどうるさかった戦闘音も徐々に小さくなり、聞こえてくる方向が限定的になってきたので、きっとこれは敵数が減り戦場が限定されてきたのだろう。音からして今の戦闘域は1,2か所だと思う。
ここまでこれば僕達の仕事は終わったも同然・・・・・・。
うん、やっぱりフラグだったね。前回もフラグ立ててるし・・・・・・。
戦闘の音が1、2か所だけになったのはよかったのだが、その音の一つがどんどんこちらへやってくる。
うん、これは巻き込まれるパターンで間違いない。
流石に逃げるわけにもいかなしその場で待機していると1人の文官の恰好をした男を勇者様が
追いかけて攻撃をしている。男は相当つらそうにしているのできっとここを突破してどこかに逃げるつもりなんだとう。最大戦力である勇者様たちさえ巻いてしまえればと考えているに違いない。
とりあえず、その男を鑑定すると
ジーク: LV75 【魔人】 HP 1251/8766 MP 105/603
とでてきた。以前観た魔人よりも強い、上位に位置する個体なのだろうか。
「リリ、あの男の足を止めて。以前洞窟で見せてくれたような氷系の魔術で足を狙えばいいよ。勇者様お手伝いしますね」
リリの魔術が完成し、無数の氷のつぶてがジークを襲う。勇者様のプレッシャーのせいかしっかりと躱すことができず、いくつかが体に、もちろん足にもあたり結果として氷の魔術は幾ばくかのダメージとその足を地面に固定させた。
ジークは抜け出そうと魔力を込めるが勇者様のほうが一瞬はやく、その手に持つ剣でジークを一閃する。防御の姿勢を取るが完全にはふせぎきれなかったようだ。痛みで歪んだでいた顔をさらに歪ませジークは咆哮のように叫ぶ。
「我らが王、ジン・オウマ様に永遠の栄光あれーーーーー」
そう叫ぶとジークは灰となって消えていった。
あれ、どこかで聞いた名前、思いだそうとするとまた城の中からこちらに向かう音がする。
「アルス、捕まえましたわ」
そういって、勇者様の仲間が捕まえた魔人を地面に頃がす。魔人は魔力で拘束されおりなにもできないようだ。
「マオさん、みなさん。こいつが全ての元凶です。魔人達の王です。僕の鑑定でもそうでていましたし、先の魔族が叫んだ名前とも一致していますので間違いないです。このあと国のもの中に知らせ国王、いえ魔人王の処刑を持ってこの戦いに完全な終止符を打ちたいと思ってます」
「はい、わかりました。それとおめでとうございます、さすが勇者様ですね。ということは、僕らもこれでお手伝い終わりってことでよかったですか?街に戻っても問題ないですか?」
「そうですね、本当にありがとうございました。このお礼は後程、アカックの方へ僕が直接お持ちいたしますので」
聖女様とあらかじめ戦闘のあとの話もついているのかな、思ったよりも事後処理が順調だ、これならもう、いなくてもいいかな。魔王も捕まえたわけだし、問題ない。よね?
「はい、それでは僕らはこのあたりで、もしなにか力になれることがあれば声をかけてください、うちの子たちもやる気ですので(笑)」
「はい、それでは」
そういって僕達は一足先に戦場を後にするのだった。
そういえば、最後の魔人、僕も気になって鑑定したんだけど、
≪名前・LV・職業≫ ジン・オウマ LV 80 魔人王
≪種族・性別≫ 魔人 男
≪称号≫ 魔人を束ねる者
≪状態≫ *#$*#$#*
という表示がでてきた。気になる点、一つはわけのわからない文字化け、そしてもうひとつはLV。確か、真なる魔王でなくても魔王のLVは99を超えているとどこかで聞いた記憶があったのだが。
まぁ、重要なことでもないしと僕は考えるのを止めたのだった。
これで本編は終わりになります。
最後にエピローグで完全に4章終了となります。
5章はまだなにも考えていません(5/18現在)
じわじわと評価があがりうれしい限りです。
ブクマ・感想・評価いつでもお待ちしております。