決戦前の風景
会話パートの続きとなりなります。
「それで、これからどうするんですか」
「そうですね、細かいことはこちらで処理いたしますので、マオさん達に関する要点だけを伝えます。まず、僕達が城へ攻撃をしかけます。その時にマオさん達には騎士達と協力して魔人が街への流入するのを防いでほしいのです。そのため城の出口にある橋を守ってください」
敵と味方の判断はどうしたらいいのかな?
「それで、逃げてくるのはほぼ全員が魔人であると思いますけど、一度僕と姫様の名の元、待機するように命じてください。これに従わない場合は魔人と判断してもらって結構です。例え、人であっても指示に従わないのなら一緒です。あと、万が一防衛線を維持できないときはで切り限り市民を助けつつ後退してください」
ふむふむ。まぁ、僕は鑑定あるしそれもつかって判断すればいいか、と考え頷く。魔人なら殲滅、人なら臨機応変にだ。
「次に肝心の魔王ですが、未だにその居場所がわかりません。これはこちらに真実の鏡が見つからなかったので逆に今の状況ではありがたいのかもしれませんが。ただ、今国の上層部では無秩序な粛清が行われおります。有能で合った貴族、良識ある役人がその命をことごとく散らしております。そして最後に、マオさんの持つポーションを売ってほしいのですが、どうでしょうか? 」
あれほど魔王にこだわっていたのに、今度はほかっておくのには何か理由があるのかな?まぁ、王の姿を暴く鏡がない状態で王が帰ってきて無茶な命令をさらる方がめんどいのか。
「えぇ、問題ないですよ。あるだけお売りいたします。それと、直接僕達の行動には関係ないのですが、どうして”今”仕掛けるのですか?」
僕は疑問に思ったことを聞いてみる。
「そうですね、本来であれば王の正体を明らかにして大義の元革命を起すつもりでしたが、ここ最近いきなり始まった粛清の結果、街が荒れてきってしまいました。政治に関してはもう機能していないですし商売にしても、みながやりたい放題でルールがあってないようなものに。闇市なんて非合法なものがどうどうと開かれるようになりました。また市民たちも何割かは街を出ていってしまいました。これでは国が崩壊するのも時間の問題と」
「ならば、いっそ王がいないことを利用して主導権を握り返し、国を正そうと思ったわけですね。政権を奪い返すだけなら王がいない方が好都合と」
「はい、これだけの悪政、市民の声は私たちの味方です。それに王はまた別で対処すればいいと。僕達の目的は国を正すことで王の処分ではありません。それは過程です」
途中で割りこんだ僕の意見に同意する、勇者様。
「それで、いつ決行ですか?」
「正直この数日状況は加速度的に悪くなっています。理由はわかりませんが。ですから、できるだけ早くと言いたいのですが。教会側との連携もありますので、わかりしだいこちらからまた連絡します。そう遠くはない日になりますので準備だけはお願いします。と、本当に今更ですがこんなことお願いしてもよかったんですか? 」
「そうですね、乗り掛かった舟ですし、うちの子たちもやる気なので。これが終わったなにか美味しいものでも2人に食べさせて上げてください。あはははは」
「ありがとうございます」
深く頭を下げる勇者様。初めてあった時からそうだけど、この人は人間ができているな。それなりに権力もあって力もある。それなのに、表面上普通の商人相手にここまで丁寧に接してくれている。異世界転生した勇者って傲慢になったりすることのが多いんじゃないのか?
「いえ、そうだ。できたら賢者の石は勇者様のために使ってくださいね。以前お話した魔王達もきっと手ごわいと思いますので。」
僕は勇者様を利用することへ良心が少し痛んだが、彼もそれが使命と言ってくれているし。なんて理由を心で呟きながら続ける
「それに、近々アカックで僕のお店えがオープンするんです。勇者様には最高の品を用意しますので」
せめてものフォローとして、僕のできる限りはしてあげないと。そして、そんな言葉に勇者様はひたすら感謝の言葉を述べる。
その後もこれからのこと、僕のお店のこと、リリ達のこと、いろいろなことを話しながら時間は過ぎていった。
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4章終わるまでは1日1更新続けたいです。