戦いの間にある日常の風景②
*不動産で処理を終えた次の日*
「アリーシャさーん」
夕暮れの丘に来た僕は大きな声で彼女を呼ぶ。そう今日は交渉に来たのだ。
「あら、マオさん。どうしたんですか?」
あいかわらずきれいだ。お客さんに対応も良いし、笑顔も素適。
結婚するなら・・・・。って違う、違う。
「えっと、お話したいことがあって、お時間作れそうですか?」
そう言うと彼女はその白く美しい指を口にあて、少し間をあけ
「忙しいですけど、マオさんのためならお時間作っちゃいますよ。ちょっと許可をもらってくるのであちらの食堂で待っててください」
笑みを浮かべたアリーシャさんに返事をすると僕は食堂へと向かう。
飲み物を注文してしばらくするとアリーシャさんが僕の対面に腰を掛ける。僕が頼んだ飲み物を彼女に渡すと
「それで、お話ってどういったことです? 」
「え、え、えっと」
以前は普通に話せていたのに意識しだすと途端に緊張してしまうな。
「落ち着いてください、ふふふふ」
大人な対応だな、年上のお姉さん的な。って実際は僕のが年上なんだけど・・・・。
「あ、はい。それで以前少しお話したと思うんですけど、僕がお店を開いたら一緒に働いてくださいねって言ったの覚えていますか?」
「ええ、もちろん。もしかして」
「はい、この度お店を持つことができるようになりました、商品の仕入れややらないといけないことがいくつかあるのでもう少し先のオープンになりそうなんですけど、どうでしょうか?」
アリーシャさんは考えて込むようにしている、なにか気になることでもあるのかな。って忘れてた。
「すみません、条件をお伝えしてなかったですね」
「あ、え、ええ」
あれ?違ったのかな? なんか反応が違うけど、気にしない。
「えっと、完全週休2日で一日8時間、月に金貨5枚でどうでしょうか?、あ、朝の鐘が鳴ってから夕方の鐘が鳴るまでですね。もちろん、別途なにかあれば追加でお給料をお渡ししますので」
「あら、そんないい条件でいいんですか? 私の今の職場の倍ぐらいありますよ。どうしてそこまで私を買ってくれてるのか気になりますね」
「うーん、単純にアリーシャさんにひかれたからですよ。」
またアリーシャさんは考えるような素振りを見せたが、最後にはうなずいてくれた。もちろん、お互い今すぐに、とはいかなかったので僕の用事が終わってから、また改めて僕が声をかけるのでお仕事の開始はそれからというとことになった。
さてさて、そうと決まれば商品の準備を始めないといけない。とりあえず、始めのラインアップは僕のポーションとリリのエンチャントした装備ってことになるだろう。なので、エンチャントしやすい、そこそこの装備を探さないといけない。
ポーションを勇者様達に売ってそこそこお金に余裕があるとはいえ、事業を起こすとなると心もとない金額ある。
僕は足取り軽くそのままいろいろなお店を見て回ることにした。頭の中ではアリーシャさんと一緒に働くことを想像、妄想しながら。
前回50話を迎え、ある決意をしました。それはマオをもっと暴れさせてみようと。
最初はあえてそうしたのですが、どうしても性格がおとなしく、どこか話が物足りないようになってないかと不安でしかたありません。
ここらで、少しいろいろ試して行きたいとおもいます。と言ってもそ成果が出るのは第5章になるはずです。
どうなるか予想しながらお楽しみいただけたら幸いです。
拙いですが伏線はいくつかいれたつもりです。
それでは引き続き応援お願いします。
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