洞窟の風景⑤
さて、3階層での階層主との戦闘のあとは驚くようにすんなりと行った。4階層はBランクパーティー程度の実力があれば踏破可能レベルで僕達にとっては障害にたる存在はいなかった。
そして5層をかなり進んだとある一部屋に僕らはその足を踏み入れた。
「今度は僕の番だね。危ないから二人はライムたちの後ろで待機ね」
そう、かなり前方に迷宮主とも言えるだろう魔物が陣取っているのだ。遠めで見るに四足獣に見える。
どうやら先に進むにはこの主を倒さないとその道は開けないらしい。続く道には魔力的な結界が張ってある。
「じゃ、行ってくるよ!」
そう言うと僕はみんなを残し主のいる場所目掛け駆け出す。
接近する間に攻撃でも仕掛けられるかと思ったけど、杞憂に終わった。正々堂々をもっとうにしているのか?魔物のくせに!
近づくとその姿がはっきりする。どうやら今回の敵は狼の魔物らしい。まぁ、狼と言ってもの高さ3メートル体長は10メートルぐらいあるんじゃないかな。って、っえ!? とにかくバカでかいよ。
でもね僕は2人に良いとこ見せないといけないからね、今回は最初からとばすよ!!いつぞやの戦いみたいな訓練はなしの方向で。
怯んでなんかいられないよ!! 熱くなれ、僕の心、闘志よ!!
実を言うと、彼女たちの階層主との戦いを見ていた僕はなんか心がどこか熱くなってきたのだ。
そう、それは中2・・・・。
「王の空間に何ようだ!?」
え、狼さんしゃべったよ。どうしよう。(倒すの一択だよ、もちろん)
「我の正体を知っての・・」
知らないよっと、
「空覇斬」 (適当に名前を付けた空間切断攻撃です、中2病が・・・・・・。)
僕が技(?)を放つと狼の魔物が倒れそのまま消える。
階層主同様魔石と素材を残して。
んー、なんだかな。やっぱり、こうやって倒すとあっけないな。
でも、今回はいっか(笑) 僕はドロップアイテムを集めながらどうでもいいこと考える。
「お兄ちゃんすごーい。バーンって一回で倒しちゃった!! あの狼さん弱かったの?」
「もぉ、ララったら。この洞窟の主が弱いわけないじゃない、最低でも私たちが戦った魔物よりは強いわよ。でもその魔物を一撃なんて、マオ強いわね」
「あはははは」
中2あふれる技で倒したとは言えないな。イメージが壊れちゃう。でも、リリの魔術の詠唱かっこよかったからな。いつか真似してみたいものだ。
「これでもララ達のお兄ちゃんだからね。」
きめ台詞(?)を残しておく。
「でもリリのディレイマジックもなかなかじゃない?あれ工夫したらもっと威力高くなりそうだよね。僕が言ったことを咄嗟にできるなんてリリも天才だよ!」
「そっかな?照れるよぉ」
「お姉ちゃん、てんさーい!!」
などと迷宮の中でも通常運転な僕達はそのまま目的の場所へと歩みを進める。
部屋に入った僕達はあたりを捜索するが、なにも見つからない。厳密には一つの石が見つかったが鏡らしきものはなにもない。
勇者様ー、聞こえますか~!? 鏡ないですよ~?
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返事がない、ただの屍のようだ。 屍もなにも目の前にはないけど。
返事がないのは当たり前だ。
さてさて、洩らしがあっても困るので一通り僕は鑑定をかけだす。全部に掛けるのめんどいし疲れるんだよね。
・・・・・・・・・・。・・・・・・・・・・。・・・・・・・・・・。
すべてに鑑定をかけ終わるといくつか面白いものがあった。が中でも一番びっくりしたのはこれだ
≪名称≫ 賢者の石
≪ランク≫ 伝説級(A)
≪効果1≫ PT全員のHPを999回復する。 仕様限度は 1回/1時間
≪効果2≫ 限界突破(LV上限が125になる) 使用時には世界樹の葉を併用すること。
≪備考≫ 限界突破を使用する時は石を砕くこと。砕いた者にその効果が現れる
他にも色々あったけどいただいておきました。冒険の成果ですからね。
しまらないけれどこれで洞窟探索は終わり。
勇者様との約束までまだ1週間ぐらいあるな、なにしてよう!?
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