少女と幼女のいる風景
不動産屋から宿に帰るとそこにはリリとララの姿があった。 ちょうど迷宮から帰ってきたところであろうかまだ身に着けているものが街の雰囲気とマッチしてない。
「やぁ、リリにララ、調子はどうだい?」
「あ、マオ? なんでここに?早すぎない!?」
出ていく前に数年単位の話をしていた人間がひと月もせずに帰ってきてびっくりしたのか声がうわずっている。
「お兄ちゃん、お帰り。すっごーく順調だよ! 迷宮のボスまで自分だけで行けるようになったの。」
「そっか、2人とも強くなったんだね。でも油断はだめだよ、リリやララがいなくなったら僕が悲しんじゃうから。」
まぁ、テレポーションあるし。よほどのことがない限り、いやよほどのことでも大丈夫だけどさ。
「うん、もちろんだよ! 」
「うんうん、って、マオそれは理由になってないわよ、全然。どうしたの、本当に? 」
あいかわらずララは何も考えてないな、そこもかわいいけどね。変な奴に騙されてしてないよね?これはどこかで情報を集めなければ。
「途中でちょっとした人助けをしたらその人達が勇者様を探してみたいで、それで案内するためにそのままアカックに戻ってきたわけなんだ。運よくアカックについたその日、昨日の内に勇者様と会うことができて、僕はそこでお役御免になったわけさ。だからまぁ、今日の朝すぐに旅立ってもよかったんだけどね、ちょっとここに残ろうかとも思って今に至るわけですよ」
「そうなんだ、それでこれからどうするの?」
「どうしようか?」
リリの質問に質問で返す。実際、自分でも迷っているのは確かであって。
水晶かお店か、迷いに迷っている。
「その人達困ってるんじゃない? 助けてあげれないかな?」
ん!?
話が飛んだか? いや、リリのの『どうする?』の対象は姫様達のことだったみたいだ。
あとは勇者様まかせた、なんて思っていた僕が冷酷に見えてします。う、心が痛い。
「どうかな?リリは勇者様の力になりたいっていってたね、そう言えば。きっとここにいれば勇者様達も戻ってくると思うし、一度会って話を聞いてみたらどうかな」
「うん、そうする。それじゃ私たちは一旦着替えてくるね。ちょっと待ってて。一緒に夕飯でも食べましょ」
「食べよう!」
「わかったよ、それじゃ僕が食堂で適当に席を取っておくからあとからおいで」
そう言うと2人は階段をあがり自分達の部屋へと向かう。リリが勇者様の助けをしたい、と言ったけど、もしついていくならあの【魔人】と戦闘になることは必然だ。2人も相当強くなったけど、たしかLVは20台の後半だったような気がする。2人とも強力なスキルがあるけど、それを考慮しても不安が残る。せめて、魔人と同程度のLV、LV40前後であれば安心できるのだが。
急いで2人のLV上げにいくか説得をするかどうしようかと悩んでいると勇者様達の姿が見えた。こちらに向かってくる様子を見るに食事をとるつもりだろう。
「勇者様、こちらです。いっしょにご飯でもどうでしょうか?以前お世話になった二人も後できますので。」
こうして勇者様達と一緒にリリとララを待つことに。
なんとかGWも頑張れました。
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