二次会の風景
夕食を食べた終わったとは言えまだまだ寝るには早い。何をしようか決めるために僕は別のお店へと足を運ぶ。
次に向かったのはいわゆる居酒屋、そのなかでも特に冒険者が多く集まるところだ。
異世界風に言えば酒場(?)である。
僕は見た目15.6に見えるかもしれないけど中身は成人男性。それにこの世界では僕の見た目でお酒を飲んでも問題ない。とはいえ、荒くれものの冒険者たちの中に入れば若干、いやかなり浮いてしまう。
カウンター席に座りマスターにビール、この世界ではエールと呼ばれている、を頼む。
「はい、どうぞ。お客さん見ない顔だね。どうしてまたうちに?」
マスターが話しかけてくる。僕はグラスに口をつけ軽く一口エールを飲むと
「うーん、それを探しに来たと言えばいいんですかね? なにか最近話題になってることってあります?」
「そうだな、旬な噂と言えば聖王国に関してでしょうかね」
「あ、興味あります、詳しくお願いします」
そう頼むとマスターはいろいろ教えてくれた。
聖王国において今教会と国王が対立していると。理由はわからないが国王がどうも無茶な命令を教会にしようとしていてそれに教会側が反抗していると。本来であればお互いは不可侵であり、こんなことは初めてだそうだ。それにもし対立が激化し武力による争いになっても教会には異世界から召喚した勇者様がいるし、王の元にも優秀な兵たちがいる。お互いが消耗戦になるのがわかり切っているのだ。
しかし今回はどうも様子が違うらしい。王が率いる兵の強さが尋常でないらしい。教会付きの騎士では歯が経たず、Bランクの冒険者でも軽く蹴散らされたらしいと。
これはもしかしたら王が多数の勇者を異世界召喚したのではないかと言われている。
そして今は聖王国、特に治安の悪化が激しい首都には近づかない方がいい、と教えてくれた。その話が終わった後もマスターにはいろいろ話を聞いてもらった。
このマスター話し上手でついついいろいろ話してしまう。
マスターとの会話が終わった後、酒場にいる冒険者に聖王国についての話を聞いてみたが、みんな似たり寄ったりの話をするだけで詳しいことはそれ以上わからなった。
ただここでも【魔人】の言葉は一度も聞くことができなかった。
「マスター、ごちそうさま。お代置いておくよ。」
「そうだ、マオさん。もしお店を開きたいなら明日、ここに行ってみてください。私からの紹介と言えば話は早いはずです」
マスターが差し出した紙には
『アカック不動産』
と、マスターの名前と思われるサインがあった。
翌日マスターからもらった紙に書いてある場所へ向かう。マスターと話をしたときに、どうしたらこの町で商売ができるようになるかとか、もし商売を始めたらどう始めていけばいいのか、とかいろいろ話しをしたので気を使ってくれたのだろう。
もしかしたら、紹介料とか入る仕組みなのかも。
あのマスターやり手そうだったからその可能性のが高いか。
と、僕にとってはプラスの話なのでとりあえず行ってみようと思ったのだ。最悪なにかあれば逃げればいいし。今の僕なら大抵のことからは逃げられる。まぁ、正面からぶつかっても勝てるけど。
「いらっしゃいませ、本日はどのようなご用件で?」
「えっと、紹介をもらいまして。これが紹介状みたいなものです。それどこの町で自分の商店を持ちたいと思いまして」
店員らしき男は僕が差し出した紙を見ながら
「確かに、彼からの紹介で間違いありませんね。それではこちらへ。いろいろとお話を聞かせてください」
個室に移動した後、僕は予算や場所の要望など店員に伝える。それを全て聞き終わると、とりあえずまた後日条件に合う場所を紹介しますと言われ、今日は終わりとなった。
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