旅路の風景
鎧の表現をつけたしました。
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2人にお弁当を渡し僕も一人旅路に着いた。リリとララには夕暮れの丘を拠点に活動し、離れないように言っておいた。2.3年しても僕が戻らないようなら自由にして欲しいと付け加えた時は2人その目に涙を浮かべて「そんなこと言わないで」と泣きつかれた。
さてそんな僕の旅もだいたい目的地までの折り返し地点まできた。とは言っても近くの村につくのは明日になるだろう。そろそろ日が落ち僕は夜営の準備を始める。準備と大げさに言ったが今は自分1人のため、魔よけの結界を張り、マジックリングから食料を取りだすだけである。
と、不意に生温いざらざらしたものが僕の頬を撫でる。
「イクス、ちょっと待ってね。お前の分もちゃんとあるから、慌てない。」
「ヒィン、ヒィィン」
イクスはララの従魔、魔ではないのだが、である馬である。僕の旅が長距離になるからとララがイクスに頼んで付いてきてもらったのだ。まぁ、実は最初はワイバーンのワイちゃんをって言われたんだけど、目立つからね・・・。
僕のあげた野菜をぺっろとたいらげるとイクスはその場に腰を下ろし眠りにつく。食べてすぐ寝ると豚になっちゃうよ。豚になってもきっとララはかわいがってくれるだろうけどね。
僕は食べた肉達が胃に残ったまま寝る気にはなれず、見た目は若くても気持ちは中年。
「僕はちょっと散歩してくるよ」
そうイクスに囁き夜の散策に出発する。気軽に散歩などと言ったものの、夜の外は危険が多い。まず昼よりも強力な魔物が活動を始める。さらにその闇は人の認識を奪い危険を察知するのを遅らせる。基本的な冒険者は夜営キャンプをはり一か所に留まり、極力動きを減らすのだ。
それでも僕はそのまま辺りをウロウロとする。自分の能力が高いということもさることながら、この世界の空気は澄んでいて、その夜空には数多ある星が輝き、僕の視線を釘づけにする。初めてこの景色を見た時、僕は呼吸するのも忘れたぐらいだ(笑)
何度みてもその美しさに飽きることはなく、僕はただただその静寂と光が作りだす雰囲気を楽しんでいたのだけど。遠くの方で物音がするのに気づいてします。
また面倒ごとに巻き込まれるのかな、前回は勇者だったから今回は王様とかかな。無視したい気もするけど、知っちゃったからにはいかないとまずいよね。僕も自分から悪党や薄情な人間にはなりたくない。
僕がいるのは山道であって周りは木々や岩などに囲まれ見通しが悪い、声を頼りに数分移動するとそこで見たものは、3人の騎士の姿をした男達が2人女性に剣を向けている姿でった。
女性のうち、一人は男達と似たような鎧、色や装飾は違うがベースは同じ、をつけているので騎士と判断する。そしてもう一人はと言うととても戦うような恰好はしておらず、ただ女騎士の後ろにその姿を隠すのみである。
僕はさっと全員に鑑定をかけるとそこには驚くべき結果があった。
以前お知らせした通り、4章は毎日更新です。
1日あたりお文章量は変化しない予定ですが・・・。
ブクマ・評価・感想などもらえると私頑張れます。