幼女、テイマーになる。
2章最終話です。
ジカルでの思い出はあまりない、勇者様達とお話して転職して、とそれぐらいだ。実際滞在したのは3日ほどであったし、それ以上にその道中が衝撃的すぎたのだと思う。
今はそんなジカルからアカックへと続く道をLV上げをしながら進んでいるのである。
そこでまず先に伝えておきたいことがある、実はこの帰路で話ができて、強力しあえる仲間が増えた(?)のだ。
彼の名はイクス、その顔はりりしく少し細長い。脚はすらっとして長いが決して弱弱しくはない。体は引き締まっており、女性なら二人ぐらい余裕で運べるだろう筋肉を纏っている。実際今リリとララは彼に運ばれている・・・。ちなみに彼の鑑定結果はどんな感じかというと
≪名前・LV・≫ イクス 2歳 LV 5
≪種族・性別≫ 馬 雄
≪マスター≫ ララ
≪スキル≫ なし
≪ギルドランク≫ なし
≪アビリティ≫ ・スピードアップ(セルフ)
≪武器≫ ・鉄の蹄
≪防具≫ ・革の鞍
≪称号≫ ・駿馬
そうイクスはアカックを出るときに購入した馬である。ララの調教のスキルの結果変わったことがある。それは彼と意思疎通ができるようになったこと、そして鑑定したらLVやスキルが表示されていたことだ。普通の馬にはLVやスキルとかそういったものがないのだが。まぁ、スキルの効果だと思っておこう。
そしてリリも生活魔法が終にLV10になり下位属性魔術の炎・水・風・土の4属性を手に入れた。まずは攻撃力のある炎を中心にLV上げをしている。
「そういえば、今更だけどリリとララはなにかしたいことないの?この前は僕の都合でいろいろこれからの話をしてしまったけど。」
本当に勢いでここまで来てしまったし、2人に愛着をもってしまったから僕のわがままを通すのも気分がよくない。
「そうですね、私は特にありませんかね。敢えて言うのであれば冒険者として活躍して勇者様のお手伝いをできたらうれしいわ。世界のために戦うなんてかっこいいし。しかたなしに始めた冒険者だけどこの前の迷宮の探索は思うところはあるは。それにマオのお手伝いするにしても冒険派として活動するのは悪くないと思うのだけど?」
イクスの手綱をにぎりながら地面を歩くぼ奥にリリが返す。
「確かにそうだね。でも冒険者って危ないよ。僕の手伝いは抜きにして、実際どうなんだい?冒険者として活動したいの? LV上げなんて、冒険者でなくても可能なのに。」
自身のLVは戦闘で得た経験値によって上がるがスキルやアビリティのLVは使用回数や熟練度に応じてLVが上がるのである。なのでかならずしも魔物を戦う必要がリリにはないのだが。
「うーん、そうね。冒険者として活動してマオや勇者様のお手伝いするのが私のやりたいことかな。危ないとわかっていてもやりたいわ、一流の冒険者になって有名にもなってみたいし(笑)」
リリが真面目な顔してそう答える。そう言ってもらえると僕もうれしい。冒険者は危ないからやめて欲しいけど、本人がやる気なら応援しよう。もちろん過保護にいくよ!
「そっか、ありがとう。そしたらアカックに戻ったらしばらくは一緒に冒険者として活動しようか?僕は商人だから助けることしかできないけどね。パーティーにいれてください、リーダー」
僕が後半ふざけたように言うとリリはおかしそうに、よろしいと笑いながら言う。
「それでララはどうなんだい?」
視線をリリの前、リリの腕にくるまれているララに向ける。
「ララはみんなといっしょにいるよー。」
うん、ララはララだ。この子はしっかりと守ってあげないといけない、だっておれはお兄ちゃんなんだから。
などと謎の決意を胸に歩みを進める。
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帰路も残すところ半日もないところまで来た。
リリとララとこれからのことを道中で話してから数日、ついにその瞬間がきたのである。
ジカル~アカック間の街道には弱い魔物しかでない。当然、その戦闘に僕が手を出すことはしなかったのだが、今目の前の戦いは少しおかしなことになっている。
数体のゴブリンやスライムをリリの魔術とララの弓で殲滅し、最後のスライムを倒そうとララが弓を引いたまま固まっているのである。なにが起きた、と不安に思いララを鑑定するも状態異常ではない。リリもとりあえず見守るスタンスらしい。
10分ほど経ったか、すると動きがあった。スライムがこちらに向かってきたのだ。リリが詠唱を始める。詠唱から炎の魔術を使うつもりだろう。
「待って、お姉ちゃん。大丈夫だから。」
その言葉にリリは詠唱を止める、何が起きたかわからないけどとりあえずスライムに危険がないか鑑定をしておこう。
≪名前・LV・≫ NO NAME LV 1
≪種族・性別≫ スライム なし
≪マスター≫ ララ
ま、まさか。次にララを鑑定するとスキル欄にテイムの文字があった。
僕が鑑定している間にスライムはララの近くまで来てララと見つめあっている。きっと話をしているのだろう。
「ララ、もしかしてテイムできたのかな?」
「うん! なんかね、弓を引こうとしたら声がしたの。それで、お話してたら私の仲間になりたいって。冒険するのに仲間は必要だからいいよって言ってあげたの。」
うれしそうに、得意げに話すララ。その笑顔を見れただけで僕は幸せだよ。仲間モンスターの定番、スライムは外せないしね。育てら最強になるのかな!?僕の従魔ではないけど楽しみだよ。
「そっか、それでさっきは何を話しての?」
「お兄ちゃんとお姉ちゃんとイクスの紹介とこの子の名前を付けてたの、スライムだから、ライムにしたよ。よろしくね、みんな。」
『ピィー』
ライムもよろしくと言いたいのだろう。
「「よろしくね」」 「ヒヒィーン」
こうして仲間を増やした僕達は間もなくアカックへと戻っていく。
そう言えば、テイマーに関してはスキルの入手法に関しては情報がなかったがなった後のことに関しては多少情報があった。なんだったかね、確か・・・。・・・。・・・。
そうだ!まず、従魔のなかから主のメンバーを選ぶ。選んだメンバーとは経験値の共有を行う。つまり冒険者のパーティー登録と同じ訳だ。ただ違うのは戦闘への貢献度ではなくて均等に分配されるということ。これは従魔はマスターの力の一部と神様が考えているからと言われている。
あと、街に入るには従魔の登録が必要になるので、忘れずにすること。忘れて討伐されてもそれはマスターの責任であると。逆に従魔登録してあれば攻撃される恐れもないし、もしそんなことが起きれば加害者は罰せられる。もちろん、魔物が人を襲ったりしたら別だが。
僕達も結局テイムのスキル獲得条件はわからなかったな。 まぁ、いっか。ララがとれたならもう十分だし。
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私の肥料となります。
次は3章の前に番外編もぜひお楽しみください。
番外編はリリとララのお話(3部構成)となります。
また、こちらは番外編という扱いになったので書き方をまた変えています!