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目指せ!ポーションで理想の生活 IN 異世界  作者: ペンギン
第2章 魔王生誕!?
23/92

勇者①

書き方の形式が変わってます。チャレンジしてみましたが、いく分勉強中です。

生暖かい目で見て下されば幸いです。


今回は勇者達に視点を向けています。

 時は少し遡る。


 迷宮のとある扉の前には幾人かの男女が緊張した面持ちで会話をしている。彼らは勇者と呼ばれるものと商人一行の混成パーティーである。


 「さて、みんな準備はいいですか? 扉を開けますので準備をしてください。」それては、3,2,1、GO」


 勇者の掛け声とともに扉が開かれる。その瞬間マオと呼ばれる商人は突然姿を消してしまった。勇者達は彼よりも前方に位置していたためそのことに気づくのが遅れたが、マオの仲間であるリリ、ララの2人は目の前で頼るべく人が消え一気に混乱する。事前の話では二人は扉の前で待機、となっていたのだが、混乱した頭で何を考えたか、結果として二人はそのま跨いではいけない境界線を超えてしまったのだ。


 すると、扉が自動で閉まる。本来であれば出入り自由なこのボス部屋の扉は自動で動くことはないのにだ。扉の閉まる金属音を聞き自分たちがミスを犯したと理解した同時に、


 「外へ戻って、無理ならその場で小さくなって待機」


 異変をさっちした女戦士が二人に支持を送る。その言葉に余裕はない。いくら迷宮の最下層とはいえここは初心者用の迷宮。勇者率いるパーティーなら安全に攻略をすることができるのにだ。


 「アルス、これはおかしいわ」


 「そうね、おかしいわ」


 装備から判断するに後衛の二人が、目の前にいる魔物を目にして言う。


 「あの二人も扉を開けようとしているのに未だ部屋から出れていない」


 先の二人に比べるとやや重量のある装備を纏った女が後ろにいる少女たちを見て言う。


 「そうですね、本来とは違うボスに異なった部屋の仕様、これは異常ですね。僕とセレーナで魔物を、後ろの二人は扉の確認を。可能なら部屋から脱出、むりならあの竜を撃破する。」


 勇者がそう判断する、しかし彼の頭にはまた別の不安要素が残っている。それはずっと感じている嫌な気、ボスと思われる魔物と近づいて確信したが、その気はその竜から発せられているものではないと。


 扉の奥にいたのは1体の竜。竜に名はないが、種族としての名はレッドドラゴンと言われている。その息はあらゆる物を溶かし、その鱗は生半可な金属よりもなお固い。ただ、そこにいるだけで恐怖を振りまき、羽ばたきですら下位の冒険者であれば動きを拘束されていしまう。成体の大きさは10mを超えるものが大半である。実際彼らの目の前にいる竜もその大きさは10m近くある。


  レッドドラゴンは【下位炎竜】として区分されるがそれは竜種としては下位なだけあって魔物としてのランクで言えば上位にあたる。もし、レッドドラゴンを討伐しようとするならば国に数人しかいないSランクの冒険者を筆頭にAランク、Bランクのメンバを集め50人規模のレイドを組まなければならないだろう。それほど竜とはすさまじい種族なのである。ある地域では竜を災害と言っているがそれもうなずけるほどの脅威なのである。

 

 勇者と女戦士は竜との距離を詰め、返事がないとわかっているが訪ねにずにはいられなかったのか、竜に向かい口を開く


 「お前は何者だ、なぜここにいる。ここには別の魔物がいたはずだ。」


 もちろん、竜は答えない。いや答えを知らないと言った方が正しい。この竜はただ召喚されたのだ。主である魔王にただ邪魔者の相手をしろと。気づいたらここにいた、本来のボスとは何なのか、迷宮とはなんなのか。そんなことは竜にはどうでもいいことである。ただ、主の命令を全うするのみ。


 接近する2人に対し竜はその研ぎ澄まされた爪を向ける。その脅威はまず女戦士に向けられた

、女は並みの魔物相手なら余裕で躱す、倒すことのできるBランクの冒険者であるがそれに反応することができずただただ、その凶器が彼女を貫くのを待つばかりである。


 結果、女の体にその爪が届くことはなかった。勇者がその全力をもってそれを防いだのだ。勇者は繰り出された攻撃に剣をあてその軌道をそらした。彼の顔は疲労で焦燥感で染まる。彼は知っている自分の能力では竜を倒せない、攻撃を防ぐのにも限界がある。今そして今の行動が当たり前の結果ではなく、偶然の結果であったと。


 一方竜は不思議なことが起きたかのようにしていた。竜は強者たるゆえ、相手の力量を図ることができるのであるが、それからどう考えても勇者が自分の攻撃を止めることはできないと考えていたからだ。


 そんな硬直の中、女は後方に戻った。竜と戦うには自分は勇者にとってただの足手まといだと気付いたのだ。LVだけならば、勇者よりも彼女のほうが高いのにだ。未だ覚醒してはいないが、その能力の高さは勇者が勇者たる所以だろう。


 そして、ここでもう一つ勇者達にとって残念なお知らせが後衛の二人から伝えられる。


 「扉はあきません。」


 「魔術的なものでロックされてます、通常の迷宮のものをは違いロックを外すには術者を倒す必要があります。術者が何ものかわかりませんが、やはり竜との戦闘は避けられないでしょう」


 勇者達が竜と対峙しているあいだに魔術師と治癒師の2人が扉を調べていたのだ。


 「さて、あの災害を前にして逃げることができないとはどうするかね」


 女戦士が声にだす。それに答えるかのように


 「方法がないわけではありませんが・・・。しかし、これはあまりにむごい・・・。それに本当に効果があるのか。」


 治癒師の女がこちらはつぶやくようなまるで聞こえないようにな声で言う。


 

 彼女達が何を思っているのか、何をしようとしているのか。なんども言うが竜にはどうでもいいことであった。それよりも自分の、竜種の攻撃を防がれたことによりプライドを傷つけられたことのほうが重要であった。


 竜は始め適当に勇者と女戦士をあしらい後方の4人を襲うつもりであった。竜にとってはBランクの冒険者も幼女も変わらず取るに足らない存在であった。しかし、その取るに足らない存在に自分の攻撃をいなされ、思考が固まる。この取るに足らない存在をまずは倒そうと。


 このことは他のメンバーにとっては幸いであった。リリやララはもちろん、勇者以外のメンバーであれば竜と対峙すれば数合と待たずその命を散らしてしまうのだから。


 竜は怒りに任せて爪を、尾を翼を勇者に振るう。その攻撃はあまりに激しく、遠くから見ている凄腕の女戦士でなんとか追えるほどであった。スピードだけではない、威力もすごい。これはあたりの壁や地面をみれば簡単にわかる。壁にはつめ跡が、地面には大きなクレーターが。冒険者達の魔法をどれだけ受けても破壊されない迷宮がだ。


 勇者は一瞬一瞬全力で攻撃を避ける。反撃をすて、ただひたすらに避けることだけに意識をささげる。スピードも威力も桁違いで絶望的であるが唯一の救いは竜が未熟であることだ。能力は高くても経験が乏しいのが攻撃がパターン化されている。言うなればNPCと格闘ゲームを対戦するかのように。異界の勇者はそれに気づき、癖をパターンを解析し、それでようやく今の状況に持ち込んだ。


 様々幸運が今の状況を作り、未だ誰一人かけることなくここにいる。


 最初に勇者が竜の攻撃を防げなったら、竜が未熟でなかったら、勇者が格闘ゲームを、アルゴリズムなるものをしらなかったら、今の現状は変わっていた。


 しかし、それでも現状維持だ。


 いや、正確にはどんどん悪くなる。


 こちらから攻撃はできず、ただ攻撃を避けるだけ。勇者と言えど人間、竜の体力比べをしてどちらが先に力尽きるかなどわかりきっている。


 勇者にとっては果てしない時間、竜の攻撃を防いではいるが実際に経過した時間といえば30分と経っていないだろう。それでも勇者の体力が徐々に減っていき、竜の攻撃を被弾する間隔が短くなっていく。このままいけばもう30分ともたないであろう。


 しかし、急に、脈絡もなくそれは現れる。膨大な魔力を内包した光の矢が竜を撃つ。人の身からしたら絶望的な魔力であったが竜にとっては直撃はしたくないが防げる程度のもの。しかし、戦いが始まって以来初めて竜が防御の体勢をとったのだ。


 竜は考える。今自分と敵対しているものに自分を傷つけることができるものはいない。なのに、なぜ? 能力は高いが経験が皆無な魔物。攻撃をやめ、再び考え始める。


 一方ボス部屋扉の前では、魔術師であるエトナが苦悶の表情を浮かべる。そして、右手に持つ杖は先程の光と同等の魔力を有している。ふと視線を反対側に移すとそこにはあるべきものがない。彼女は左腕を失っていたのだ。


 竜に攻撃されたわけでもない、この部屋には竜と自分たちしかいないのになぜ。


 答えは治癒師が持っていた。この治癒師、自国では有数の貴族の家のもので旅に出るとき父親からあるアイテムをもらっていたのだ。その名も【強欲の杯】


 ある鑑定士はこのアイテムを見てこう言った「この杯にある液体を飲むと体の一部を生贄にありえない魔力を一時的に手に入れることができる。しかし、力への欲望の果てにその身は消え失せる」と。


 勇者メンバーで一番破壊力のあるのは魔術師の魔術だ。治癒師と魔術師はこれにかけたのだ。


 アイテムで手に入れた時間は長くはない。しかし、これが彼ら全員が生き残るターニングポイントになった。


 

 竜はあきらめた。考えることを、とりあえずすべて壊そう。そうしてしまえま自分のプライドも守られ、なぞの攻撃のことも考えないですむ。


 竜が動き始めると、後方より今度はいくつもの光が刺す。その威力は地面を揺らし、空気を振るえさす。致命傷には程遠いが確かに竜はその足を止める。竜はそれを煩わしく思ったのか魔術師に攻撃をしぼる。痛いとはいえ致命傷ではない、突っ込んで攻撃して終わりだ。アイテムをつかってなおそれほどまでに力の差は存在する。


 竜が魔術師に向けその鋭利な爪を向ける、竜という質量の籠った、魔力を帯びた攻撃。これを止められるものは先までの勇者達にはなかった。


 しかし、その爪は一本の剣に寄って止められることになった。それは勇者のもつ剣であった。


 彼もまたその身を杯にささげ力を得たのだ。


 力をえた勇者と魔術師、もとより連携はお手のもの。竜への攻撃を始める。


 それからの彼らの勢いは激しかった。一時も休まず、ただがむしゃらに攻撃を繰り替えす。その与えるダメージは微々たるものでも、水が石を砕くように。何度も何度も当てればその身を打ち砕けると信じて。


 実際にかなり高位の魔物であったとしても今の彼らの攻撃を耐えるのは厳しいだろう。しかし、なんども言うが竜は別格であると。


 たとえ水が石を砕くと言っても、もしその石が回復する手段があればどうだろうか。


 その結果は今の彼らだ。


 まずは魔術師のアイテムの効果がきれ、片手だけでなく両足も失った。間もなくして勇者もその手足を失い今はただ竜を見るばかり。


 圧倒的優位を確信した竜はその爪で、翼で6人を殲滅せんとする。


 しかし、ここでありえないことが起きた。


 力をこめ、攻撃をしようとした竜が消えたのだ。


 勇者達にその理由はわからない。しばらくしても竜どころかスライムすら現れない。


 あれほど激しかった戦いがわけのわからにうちに終わってしまったのだ。


 もちろん、彼らはその幸運をかみしめているし、戦いが続けばいいのに、などとは露ほどにも思っていない。


 ただ、付け加えるなら彼らが竜と戦っていた時を同じくしてある男が竜の魔王と戦っていたのだ。そして、その魔王を打倒したと同時に彼の魔王が召喚した様々な魔物は消えていったと。



 勇者達は多大な犠牲を払ったが誰一人かけることなく生き残ったのだ。


ブクマ・感想・指摘お願いします。

僕のやる気になります。


2章までのプロットしかできていません。

その2章ももうすぐ終わり。。どうしよう!!!

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