異世界の街を探索
街を探索し周りの話を行くだけでもいろいろなことがわかった。この街の名前はアカックといい、学術・研究で有名でこの世界では割と大きい街であること。各種ギルド、冒険者・商業があるということ。その他、武器屋・防具屋・魔道具屋などといったファンタジー溢れるものももちろんあった。もっと探せばいろいろあるだろうけど今はこのぐらいが目についた。
そんななか、僕は商業ギルドと言われる所に来ている。もちろんポーションの価値を知るためだ。商業ギルドの中には数人がまばらにいるだけで空いていた。カウンターに行きポーションを売ってみることにする。実は街を探索する前にポーション(E)を3本、ポーション(F)を3本生成しておいた。
「すみません、ポーションの買い取りってしてますか?」
「はい、もちろんです。それではポーションを見せてもらってもいいですか?」
僕はポーション6本を店員に渡す。しばらく店員はポーションを見つめ、
「こちらのヒールポーションはFランク3本、Eランク3本ですね。合わせて銀貨3枚、銅貨3枚です。ギルドカードをお見せください。」
「えっと、すみません、ギルドカードというのも持っていません。と、言いますか田舎から出てきて右も左もわからない状況でして、教えてもらってもいいですか?」
「なんだ、新顔さんか、よしわかった。まずはギルドカード、それぞれのギルドが発行する身分証明書のようなものだ。これを持っているとそのギルドでちょっとしたサービスを受けられる。たとえばうちなら買い取り手数料が0になる。これがないと商品を売るときに買い取り手数料として売値の10%をギルドに払うことになる。さらにお金を預けたり、ギルドカードで買い物をしたりもできる。他のギルドのサービスはそれぞれで聞いてくれ。で、どうする? ギルドに加入するか? 必要経費はギルドカード発行のための銅貨3枚と年会費銀貨1枚だ」
なるほど、身分証明書兼デヴィッドカードみたいに使えるのか、さらにはお得なサービスも。これからきっとお世話になるはずだ。それにしても新人とわかって急に態度が変わったな、まぁいいけど。
「そしたらお願いします」
その後僕は手続きをし、差額の銀貨2枚を受け取った。そして、気になっていたことを尋ねてみることに
「店員さんはどうしてポーションのランクがわかったんですか? それにポーションにはいろいろな種類があるんですか? それにどのランクがどういったものなんですか?」
そう、僕にはポーションのランクがただ見るだではわからなかったのだ。 もちろん、鑑定(全)ならわかる。
「基本的なことだな。だいたいのランクをを知るだけなら経験でわかるが、俺は鑑定(ポーション)を持っている。それを使うことでポーションのランクが確実にわかる。次にポーションの種類だな。これは大きく分けて3種類ある。1つはヒールポーション、体力を回復するもの。2つ目はマジックポーション、魔力を回復させる、そしてキュアポーション、状態異常を治すポーションだ。最後にランク、これはSからFまであると言われている。」
ランクに関してはやはり鑑定か。そうなると普通は瓶とかに印でもつけてわかるようにするのかな。
「言われている?」
「そう、それぞれFは大衆品、Eは良品、Dは一流品、Cは超一流品、Bは国宝級、Aは伝説級、Sは神級となっている。しかし、一般的に出回っているのはDランクまで、この研究都市アカックでもCランクは極まれ、Bランクに関しては王族でも生涯目にできるかどうか、A,Sランクは最早おとぎ話って感じだ。だから、言われているって言ったんだ。俺自身長いことこの街でポーションを扱ってるがCランクなんて年に1本見るか見ないかだ。Bランクに関しては見たことも聞いたこともない。だからBランク以上があるかどうかなんて俺にはわからん」
「なるほど、よくわかりました。ありがとうございます」
「おぉ、いいってことよ。またポーションを手に入れたら売りに来てくれ。できたら良品を作れる錬金術師を直接紹介して欲しいぐらいだが。」
ちょっと暑苦しいが親切なおっさんを背にして商業ギルド後にする。そのご、広場に戻り屋台で軽く飲み物、食べ物を買い再びベンチに座る。
ポーション生成とかしょぼい能力って考えてたけど、結構とんでもないな。絶対にCランク以上の物は他人に見せたらだめだ、僕の騒乱を避けるという方針に合わない。そして、これからの生活に関して、街を探索して宿屋、食べ物、衣服、などなどいろいろなお店をみて感覚的だが金銭感覚がつかめた。まず硬貨は金貨・銀貨・銅貨・小銅貨・銅片とある。銅片10枚で小銅貨、小銅貨10枚で銅貨、銅貨10枚で銀貨、銀貨10枚で金貨となる。10倍づつ単位が変わるということだ。そして、日本の感覚で銀貨1枚1万円ぐらいと思うとわかりやすそうだ。実際宿も普通なとこなら1泊銅貨8枚、食事も屋台で買っても銅貨1枚程度であった。
金貨4枚あれば4人家族が食うにこまらず、ある程度の余裕をもって暮らせるらしい。
神様って確か僕に金貨10枚くれたよな。金貨10枚ということは100万円だ、100万円! なんて太っ腹、さすが神様。と、そう考えると急に大金を持っていることに恐怖を感じる、さすが元普通のサラリーマンだ。
ポーションを生成して売るだけで大儲けだできる、もちろん怪しまれない程度の調整は必要だが。
とりあえずまだ日もまだ高く、宿を取るにしても早い時間だ、なのでこれからの生活に必要なものを買いに行くことにする。先程の探索の時にいくつか目星をつけていたものがある。
広場での食べ歩きが終わり、僕は街のマジックショップに来ている。
そうそう、この世界には魔法という概念があるみたいだ、街の生活はマジックアイテムのおかげで便利になっているらしい。まぁ、これも予想通り。なんせ魔王がいるぐらいだしね。
「すみません、お聞きしたいことがあるんですけど」
「はーい、少々お待ちください」
値が張りそうなアイテムが多く置かれおり、僕がきょろきょろと周りを見ているとカウンター奥から女性が出てくる。お姉さんは年の頃20歳で小奇麗な格好をしており、黒髪のロングヘアー、かわいいと言うよりは美人系、スタイルは服装ではっきりしないがきっと魅力的なものであろう。この商品にこの店員、イメージして欲しいのは高級ブティックとできる店員。そう普通のサラリーマンであった僕にはほとんど縁がなかったような場所である。でもここでひるんだらなにも始まらない、意を決して
「えっと、収納が便利なアイテムを探しているんですけど、な、なにかありませんか?」
「ナイスタイミング、収納は時空系統のマジックアイテムでいつも品薄なんだけど、たまたま先程仕入れてきたものがあるよ、でもちょっとお高いけど大丈夫かな?」
「は、はい。ある程度は持ってきていますので。大丈夫だと思います。」
僕の姿を、15歳ぐらいの子供か大人かわからない姿を見て、不安に思ったのであろう。それでもしっかりと対応してくれるお姉さんはいい店員さんだと思う。お姉さんはお店の奥の方に行き、2つのリングを持って帰ってきた。
「はい、どうぞ。これはマジックリング、と言うものだよ。知ってるかもだけど説明するね。まず、これは腕に付けるの、そして収納したいものを触れ【収納】と念じると収納できて、中身を出すときは【リスト】と念じると中身がわかるのでその後出したいものを念じると目の前、もしくは手に出てくる。中身を把握している場合は【リスト】はいらず、念じるだけで中身を出せるのだよ。そして、肝心の収納容積だけど、これはマジックリングのランクによって異ってくるよ。」
「なるほど、なるほど。それでお姉さんは2つ持って来たんですね。えっと、それで2つのランク、値段、収納容積を教えてもらってもいいですか?」
「まずは1つ目、こちらのマジックリングはFランク、値段は白金貨1枚、収納容積はだいたい中ぐらいのかばん程度。2つ目はEランク、値段は光金貨1枚、容積はこちらの大きめのかばんぐらい。」
とお姉さんは、リュックサック大の鞄と、海外旅行用スーツケース大の鞄を指さして説明をしてくれた。
「すみません、白金貨と光金貨をしらないのですが・・・・・・。」
白金貨は金貨10枚、光金貨は白金貨10枚、と優しく教えてくれた。あぁ、これはもう完全に冷やかしと思われてもしかたがないな。と、安いものでも金貨10枚は高いが今後を考えると買っておくべきだ、高ランクのポーションは作っておきたいし、それをばれないように運ぶ手段も欲しい。そういった観点からこのマジックリングは有用だ。
「それでいかがしましょうか?」
「えっと、Fランクの物をください。」
お姉さんは一瞬驚いた表情をしたが、すぐに表情を戻した。金貨10枚を払うと、マジックアイテムの所有者登録をする。この所有者登録、血液をリングのある場所に垂らすと僕専用のマジックリングになり他人は中身を取りだせないし、中身を確認することも不可能になるらしい。思わぬ効果もあり、僕の気分はかなりよくなり、マジックショップ≪マジックアップル≫のドアをくぐり街へと戻る。
余談だが、お姉さんの名前はベリーさんと言うらしい。またお金がたまったら来ようと思うのであった。それほど、お店と店員さんが気に行ったのである。
マジックアップルを出ると、宿に入るのにちょうどいい時間になっていたのでそのまま宿屋へ向かう。
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