夜会議 ~勇者様と楽しくお話~
4/2 一部マオのセリフと地文を変えました。後の話と少しではあるが違和感がでてくるため。
とある迷宮の9階層にある、とある一角で勇者様一行(僕達も含む)はキャンプを張っている。時間にして僕らが探索をしていいたのは夕方から深夜を回るぐらいまでだろうか。
そして、迷宮で出会った今までであった魔物の紹介
スライム・ゴブリン・ビックラット・イービルグラスなどなど、LVにして下は1から上は5まで・・・。
そうなんです、勇者様に聞いたのだけど、ここは【始まりの迷宮】といって主に冒険初心者が探索を行う迷宮なのである。
ここで迷宮について簡単に説明しておく。
迷宮とは迷宮の王が支配する魔物の住処である。迷宮には魔力が満たされており、より難度の高い(強敵がいる)迷宮程性能がよいアイテムなどが手に入る。どうして迷宮にアイテムがあるか、それはまだ解明されてはいない、ただあるのだからあるのだ。
迷宮の王が討伐されるとその迷宮に魔力が生じることはなくなる。それに伴い魔物もでなくなるのだが、アイテムも同時になくなる。なので、有効な迷宮に関しては冒険者ギルドから王を討伐することを禁止されている。
有効な例としてはまさしくここである。魔物も弱く、トラップも複雑ではない、そんなザ・練習用みたいな迷宮は駆け出しの冒険者がスタートを切るにふさわしく、ここで実践を学んでいくのである。その実践が冒険者の製造率UPに寄与しているのある。
と勇者様の仲間(セレーナさん)曰く
では、なぜ僕らはそんな練習用の迷宮にいるのか。それは勇者様が嫌な気配がするという方向に向かってみるとそこにあったのがこの迷宮。なにかあっては駆け出し冒険者には荷が重いとなり、勇者様達と調査を行っているのである。
迷宮を探索中も嫌な気配は消えることなく、むしろ階層を進むに連れてその気配が強くなっているのだが、現状なにも起きない。そこで僕らは一度キャンプをはり、明日の夕方まで調査をすることを決めたのである。もちろん主導は勇者様、正義感溢れれる人だ。
「マオさん、マオさん。聞いてますか?」
コーヒー(みたいなもの)を飲んでいると急に勇者様の声がした、いや僕が物思いにふけってしまっていたのか。話し合いの最中に申し訳ない、体を小さくし勇者様に尋ねる。
「すみません、もう一度お願いします。」
「いえ、大丈夫ですよ。それで提案なんですが、明日この迷宮の最下層の25階層まで行こうと思ってます。最下層にはこの迷宮の王がいますがもちろん討伐はしません。ただ、全ての階層をみるというのが目的です。それで、この迷宮の最下層の適正LVは27です、僕らやマオさんがいるのであの2人に求めるLVは低くなりますが、それでも安全かといわれればなかなかYESとは言えません。それほどLV高くないですよね」
勇者様の話を聞き今の二人のLVを思いだす。
リリアーネ :LV10 HP:132 MP:31
ララ :LV9 HP122 MP27
ここまでの旅の過程で結構頑張ってLVを上げたが、さすがに適正LVの半分もないところに行くのは危険かな。あれ、2人のLVを勇者様に教えたかな?まぁいいか。それよりも・・・。
「マオ、私行きたい。自分の力を試したいし、なによりも力になりたいの。ううん、力になりたいというのは嘘かもしれないわね。きっと足手まといになるだけだから、でもこれからマオのためになにかできるように、今はついていきたいの。ダメかな?」
僕が勇者様と別れようかと考えていると横からリリがついていきたいと言う。そんなふうに思ってくれているのはうれしいけど、不安しかない。リリの子の気持ちを危ないからと断ることは簡単だ、けれどきっと2人は、特にリリは、僕に借りみたいな気持ちが強いんだろうな。旅が始まってからも時折、浮かない顔で考え事をしていたことがあった。
「わかっ初めてみてたよ、でも勇者様や僕の言うことは聞くんだよ。あと危ないと思ったら途中で帰る、いいね?」
「うん、わかったわ。ありがとう、私のこといろいろ考えてくれてるみたいで。」
僕の考え見透かされた? わかりやすのかな。
「話は纏まったみたいですね、それじゃ明日からもよろしくお願いします。と、マオさんこれをどうぞ」
と、勇者様の鞄から初めてみるアイテム2つが出された。
「あの、これは?」
と聞いておくが、もちろんすぐに【鑑定】を行う。
≪名称≫ 守りの神薬
≪ランク≫ 超一流品 (C)
≪効果≫ 服用した物の防御力を一時的に50%UPさせる。
「防御力を上げるものです、半日ぐらい持つはずなので階層が深くなって来たら2人につかってあげてください」
「でも、これって高価なものだったりしませんか?もらえませんよ。」
爽やかフェイスでそんな物をくれる勇者様、しかもイケメン、これは女性がほかっておかないな。でも僕の心は日本人、一度は断る。謙虚さは大事。
「僕らは大丈夫ですよ、まだいくつかありますし、もっと性能がいいものもあります。なので、気にせず使ってください。それでもなにか引っかかるというのであれば、商人さんとして別のもので返して下さればいいのでは?って少し意地悪でしたね。」
正論を言われてしまったな。そういうことなら、
「これをどうぞ。僕はポーションを中心としたお店を持とうと思っていまして、今お譲りできるもので最高のものです。すみません。これで釣り合うとは思いませんが」
そういって僕は4本のCランクのヒールポーションを渡した。
もちろん嘘だ。最高ではない。ただ本当に譲れるもので最高ランクなのはこのCランクなのである。
「これは?」
そっか、鑑定がないとわからないのか。勇者様だから鑑定ぐらい持っているかと思ったけど。
「Cランクのヒールポーションです」
「すごいですね、これほどの物を数本持っているなんて。いつかお店を開いたら絶対に招待してくださいね」
「もちろんです、その時はきっと勇者様が本当に驚くようなものを用意しておきますので。」
ようして僕らはそれぞれのテントへと戻る。
もちろん勇者様一向と僕達と二手に分かれたよ。
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