襲われる騎士、助ける商人
3/30 一部改変しました。
Bランクのパーティーが→Bランクのパーティーがいくつか集まってで挑む相手である。
デーモンの強さのバランスを考えて変えました。
次の話で勇者パーティーはBランク相当なのにあまりに苦戦したので著尻あわせですが・・・。
アカックを出発して5日ほどが経った。
リリも馬の操縦に慣れてきており僕の先導も必要なくなった。当初は僕がずっと先導するつもりだったのでそれがなくなったことでペースも上がり明日には最初の目的地、アカックとジカルの間にあるトーウィンの村に着いてしまう勢いだ。
急いでいるわけでもなく、蓄えには余裕があるのでLVアップのために僕達は街道をはずれた草原にきている。草原と言っても岩や大きな木などあり視界が開けているわけではない。
今日はここでLVアップのために何回か戦闘をして街道に戻り夜を過ごす予定であった。
「お兄ちゃん? なんか声がしない?」
「そうだな、遠くで戦闘をしている音が聞こえてくる。危険だから少し距離をとるか」
視界が完全に開けているとは言えないのでふいに戦闘中のパーティーに合流すると敵と誤認され攻撃されかねない。または人だと認識されても獲物を横取りすると勘違いされ攻撃を受ける可能性を否定できない。と移動する間もなく戦闘中と思われる方向から先程までとは変わった声が聞こえてくる。
「た、た助けてくれー。仲間が、だれか、いないか。」
「うぁぁぁぁぁ、だめだぁぁぁぁぁぁ。にげろぉー。」
どうやら戦況に動きがあったようだ。相手が魔物なのか、人なのか、襲われているのが善人なのかなにもわからないけれど、このまま背を向けるのは後味が悪い。なので、
「リリ、ララはここで待機していて。僕は様子をみてくる。安全のために結界陣を使っておいてね」
「うん、わかった。マオも気をつけてね」
「お兄ちゃん、大丈夫?」
「大丈夫だよ、こう見えてもそこそこ強いからね」
心配そうに言う二人を残し僕は戦闘域へと駆けていく。いくつか障害物があるが走破するには問題ない条件だ。幾ばくか走ると騎士らしき恰好をした人が傷つきながらも魔物と相対しているのを見つける。
どうやら、これは助けた方がよさそうだ。と、乱入するにしてもとりあえずは鑑定をしなければ。僕は障害物に隠れながら全員に鑑定をかける。
アーク:LV28 騎士 ビクトル:LV23 騎士 シーア:LV23 騎士 ダン:LV22 騎士
デーモン:LV42 HP:3200 MP:1000
これはやばいな、むしろ騎士たちが頑張っいるといって言い。教本によると、デーモンは上位の魔物であり本来であればBランクのパーティーがいくつか集まってで挑む相手である。この騎士団たちのLVは20台半ばぐらいなので冒険者で言えばCランク相当であろう。それでデーモンの攻撃をしのいでいるのは装備のおかげがはたまた別の理由か。
とりあえず、このデーモンは僕の敵にはならないはずだ。いつぞやの冒険でLV50台の魔物を何体も倒したのだから。そうとなればさっそく行動開始だ、岩陰から飛び出ると
「だいじょうぶですか?」
「はっ? おまえは? いや、そんなことはいい。手をかしてくれ」
なぜかわからないが騎士Aがうろたえたまま答える。ちなみにこの騎士A、名前はアーク。どうせ長い付き合いにはならないのだから他の3人も僕のなかでは騎士B、騎士C、騎士Dと呼ぶ。頭文字と合わせて覚えると効率できです。
「わかりました、とりあえずこれを使ってください。僕は時間を稼ぎますから」
というと僕はヒールポーション|(D)を4本取りだし騎士Aに渡しデーモンと相対する。
さて、サクッとやってしまってもいいのだけど、よくよくこの騎士たちの装備をみるとLVの割りにいいものを使っている。これはどこかの権力者関係か? あまり僕の情報を出したくないな。などと考えている間もデーモンは攻撃を仕掛けてくる。
デーモンはその鋭利な爪を使い僕を打たんとする。左右の腕から繰り出される攻撃を双剣でいなし、距離をとる。すると、その鋭利な爪に纏わるように炎が集まる。嫌な予感がしたので僕はさらに距離をとる、と先程まで僕がいた場所が爆炎に包まれた。
僕が飛びのいたのと同時に炎の塊が地面を直撃したのだ。
ここにきて教本にのっていたデーモンは近接よりも魔術による攻撃のほうが得意という注意を思いだす。思った以上の威力とスピードにびっくりしたが、問題はない。
そう、何度考えても倒すには問題ない、いかに自然に倒すかだ。視線を遠くにいる騎士達に向けると負傷から回復したようで、装備を整えているのが見える。
協力して討伐、これが一番いい案かな。
「すみません、1人だとつらいので大丈夫そうなら手伝ってください」
大声で叫ぶと、ばつがわるそうにこちらに向かってくる。って大丈夫なのかよ。
さて、ここからが本番だ。
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