作戦会議?
話そうと言ったものの二人は食事に夢中でそれどころではないらしい。僕のその間にステータスにを見てみることにした。
まずは自分。気づいたらLVが結構あがっており、さらに神威のランクがFからEに上がっていた。神威を使って戦闘をしたからか、ただ単にLVがあがったからか、わからないが今後も神威を使ってLVを上げていけばどちらにしても問題ない。次にエアーステップ、鑑定を詳しく見てみる
≪エアステップ≫ 神技 空中を自由に駆けることができるようになる。使用するときは闘気を纏うこと。
現状必要を感じない能力だが、きっといつか役立つだろう。
次にリリアーネ、LV3、とまぁ普通の少女なのだろう。生活魔法が使えるということは魔導士の才能があるということか。
冒険者の教本によると、生活魔法のアビリティは魔法の才能があるものが生まれつきもつものであり、鍛錬するとことで下位の魔法アビリティを覚えれるという。
そしてなにより気になるのはスキルにあるエンチャントである。これも詳しく見てみると
≪エンチャント≫ アイテム・武具を作成時エンチャントをかけることが可能
ただし、効果に応じた溶媒が必要
未開放ということは精進すればいつか、花開くということ。そしてこれは僕の考えるコンビニに対して大きなアドヴァンテージをもたらしてくれるはず。マジックアイテムはやはりと貴重なものが多い、それを自分たちで生産できるとなればその効果は想像に難くない。とは言え、細かいことは実際にリリアーネがこのスキルを取得した時に考えるしかないが。
最後にララ、LV1、こちらも普通の幼女である。が気になるスキルがあるので、詳しく見る
≪テイム≫ 魔物を使役することができる。魔物の種類、数は術者のLVに依存んする
面白そうなスキルだな、これも実際ララが取得したら試してもらおう、有効活用できるかもしれない。
「「ごちそうさまです」」
僕が一人食べながら黙々と思考していると、どうやら二人は食べ終えたみたいである。そして恥ずかしそうに
「すみません、食事に夢中になってしまって、それでこれからのことお話してもらってもよろしいですか?」
「うん、そうだね。まずは僕のことから話そう。」
僕は自分が冒険者ではなく商人みたいなものであることを伝え、今構想中のダンジョン前商店について話す。その工程で二人には手伝いをして欲しいとお願いした。主に接客になるだろうけど、希望があればそのつど言ってほしい最後に付け加えた。
説明をする上で二人の未開放のスキルには触れなかった。どうしてわかるのか、などと聞かれたら自分の能力の説明をしないといけない。今はまだ全てを話すにはお互いの信頼が足りない。とりあえず、僕はDランクまでのポーションを作れると自分の能力を説明しておいた。創生ではなく作成と。
リリアーネは納得したようである。きっとあのときのポーションのことを思い出しているに違いない。
「それではマオさん、ララ共々これからお願いします。」
「ああ、こちらこそ。それよりもマオでいいよ。さんづけでよばれるとなんかくすぐったいし、敬語も使わなくていいよ、僕らはこれから仲間になるんだ。だから、ね!」
「あ、わ、わかりまし、じゃなくて、わかったわよ、ママ、マオ。そしたら私のこともリリアーネではなくてリリって呼んでね」
「ララもわかったの、お兄ちゃん」
ララは僕のことお兄ちゃんと呼ぶみたいだ。
「ああ、リリにララ。二人ともよろしくね」
こうしても僕は異世界にきて初めて仲間と呼べる人ができた。少女と幼女だけど・・・・。
「それで、商店に出すアイテムのことなんだけど、とりあえずポーション類は僕が作成できるから問題ないんだ。けれど、それ以外の物で目玉商品を一つ作りたいんだ。ヒントを見つけるためにしばらくは旅に出ようと思うんだけど、問題あるかな?」
実際はマジックリングを目玉商品にしたいと決まっているのだが、彼女たちのレベリングのためにも街の外に出る必要があるのだ。もちろん二人の未開放スキルが目的だ。
「えっと、ララと一緒に孤児院をでる手続きをしたいから、二日後であれば問題ないよ」
「あ、えっと、怖いとかはないのかな? 二人とも」
「私はマオさん、マオにお願いに来る前に冒険者として戦う覚悟はしていたわ」
「私はお姉ちゃんとお兄ちゃんと一緒がいい」
リリは年の割にしっかりと考えられる子なんだな、ゆくゆくは店長を任せてもいいかもしれないな。ララは、看板娘ってことで。
「よし、そしたら明後日のお昼ごろにまたここに二人で来てくれ、それから旅の準備をして翌日には出発だ。僕は目的地をいくつか調べておくよ。二人もなにか案があれば遠慮せずに言って欲しい。」
「それでは一つ聞いても? マオはマジックアイテムを作成できるの? もし作成ができるなら集める物、情報が変わってくるわ。」
作る、つくる、材料・・・・。
・・・・。
・・・・。
あ、そういえば鑑定|(全)で作成方法わかるんだった。
「作れるかどうかはわからないけど、作り方なら詳しいかな」
と、嘘は言ってない。
「それなら、エンチャントが使える人を見つけて、その人にマジックアイテムの作成依頼を出すといいかもしれないわね。やっぱり冒険者にとって魅力なのは便利なマジックアイテムだもの。まぁ、エンチャント使いこなせるような人は簡単に見つからないと思うけど、一つの案として思ってもらえたらいいかな」
「詳しくないから教えてほしいんだけど、そのエンチャントを使える人はなんでもマジックアイテムを作成できるの? 例えばLVとか属性との相性とかあるとか?」
まさかの情報に僕は食いつき気味に質問をすると、少し残念そうに
「私も詳しいことはわからないかな、冒険者ギルドで周りの人に聞いたぐらいだし。でも、”熟練”のとか、”新米の”って話は聞いたことがあるから何かしらそういうランクみたいなものはあるのかもしれないわね。」
なるほど、これもリリがエンチャントを覚えたら確認すればいいか。
「貴重な意見をありがとう、リリ。」
リリにお礼を言うと、
「ララもララも、ララは甘いものあると幸せになるよ」
「ララもありがとうね。甘いものは美味しいもんな」
ララも頑張って意見を言ってくれた。そして褒められたからかララは笑顔でいっぱいだ。
「二人ともありがとう、そしたらまた明後日に会おう。まぁ、僕は明日もここにいるからもしなにかあればまた訪ねてきてくれ。アリーシャさんには伝えておくよ」
「はい、それでは」
そういうと二人は部屋を後にし街へと戻っていった。孤児院での手続きや知り合いに挨拶でもしにくのだろう。
僕のお腹はどうやら満足したみたいで、次は睡眠を欲している。
まったく欲望に素直な体だ。
心地よい風を感じつつ、うとうとと眠りにつくのであった。
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